水に関しては何度かブログで取り上げた。
・登山で水を飲み過ぎると疲労が増すこと。
・登山で飲水を制限すると意外と楽に歩けること。
・不飲不食でも生きることができる人達
・水の持つ様々な不思議な力(氷の持つ力等)
・めまいと飲水の関係(前回ブログ)…等々
「水分の摂りすぎはこんなに恐い」(石原結實著・H20.12.廣済堂出版)
この本は「水を飲んで血液サラサラ効果を高める」ブーム期に出版された本。
水を過度に摂り過ぎると身体に悪影響があると警鐘を鳴らしている。
「汗かき」「鼻水が多い」「動くと胃がポチャポチャ振水音」等の人は水の摂り過ぎ。
水の摂り過ぎは「水毒」となり「冷え」「腰痛等の痛み」「心不全」等の引き金になる。
冬場には極端に冷えを感じることもあり自分は典型的な水分摂り過ぎ型と思った。
「水は重要」だが「過ぎたるは及ばざるが如し」を警告した本で私自身は著者のファン。
「病気を治す飲水法」(以下「飲水法」。バトマンゲリジ著・H19.2.中央アート出版社)
前回ブログで触れた「飲水でめまいが改善」の体験後にこの本を知り購入。
水と身体の関係を科学的データや実際の治療結果に基づき詳細かつ丁寧に解説。
一部医者等から絶賛され、全米で100万部のベストセラー。
しかし多数の医学団体は無視。(儲からない治療法だからか?)
例えば最近気にしている糖尿病と膵臓に関する記述の一部。
「膵臓は血糖を制御するインシュリンを分泌(中略)膵臓の最も大切な働きは重炭酸液を随時生産し分泌すること(中略)重炭酸液を生産するには多くの水が必要だが水不足状態になるとこれがうまくいかなくなる。」(飲水法71頁)
様々な症例について細胞構造と水が果たす役割を真摯かつ具体的に述べている。
また例えば高血圧についての記述の一部。
「水を十分飲まなければ体内の水の一部が血管にとられ、一部の細胞が水不足になる。それまで緩んでいた血管床は収縮し閉鎖に追い込まれる。体の水が不足すれば細胞内で66%、細胞外で26%、血液では8%水が失われる。(中略)血管は失った水を補充するために毛細血管を閉じる。毛細血管の閉鎖が高血圧という緊張の高まりを生む。筋肉を使えば使うほど毛細血管も開き血流も増大する。高血圧患者に運動が最も欠かせない理由はそこにある。(中略)水そのものが最良の利尿薬である。高血圧の治療に利尿薬をいまだに使っている医師は患者の治療を誤ったことで訴訟への道を歩んでいる(以下略)」
(飲水法117~127頁。一部読み易く書き換えた箇所有)
前々々回のブログで触れたように旅行後低血圧傾向なのも運動によるものと納得。
完全に理解しきれないが高血圧治療薬の中に利尿薬もあることは問題なのか?
この他主な病として「胃痛・潰瘍」「リウマチ」「うつ病」「高コレステロール血症」「肥満」「喘息」「糖尿病」「エイズ」等が飲水治療で効果があると書かれている。
「痛みは毎日飲む水の量を正しく調整することによって治療すべき」「鎮痛薬を使う前に少なくとも1日に2.5リットルの水を数日間飲むべき」「飲水療法を試す人は体内に水を溜めすぎないよう腎臓が十分な尿を排出できているかどうかを調べる」(飲水法51頁)
飲水治療の際は適正量の水を飲み体内に溜めすぎないようと注意喚起している。
「文明社会では茶、コーヒー、アルコール、製造飲料が水の代わりになると考えられているがこの考えが致命的なミスを生んでいる。」(飲水法29頁)
とあり、これらの飲料を飲むと身体全体の水分を減少させるとある。
私が強烈なめまいを起こした時も、水自体は少なめでもその他の飲料や果物等の食料で水分をとっているつもりだったが、どうやら身体から水分を奪っていたのかもしれない。
特に運動不足で脳を使っている場合は、脳にエネルギーを送ろうとして食べ過ぎた結果水不足を招くらしい。(飲水法162頁)
一方で水分過多等の事例では2002年アメリカマラソン大会後に水分を摂りすぎたランナーが死亡した事例、2007年の大量水飲み大会後に女性が死亡した事例がある。また今年8月のトランスジャパンアルプスレースの模様がNHNBSで放送された中で参加者が途中の自販機で清涼飲料をガブ飲みした後容態を悪くしたことも水と身体のバランスの難しさを物語っている。
以前の自分は水分の摂り過ぎと思っていたが、今は全く分からない。
もしかしたら運動せずに食事量が多いのは水不足を招き相当身体に悪いかも。
飲水法の本の最後では「朝昼晩の食前30分にコップ1杯、食後2時間半にコップ1杯」の飲水を必要最低限として勧めている。
この本は身体の細胞と水の関係をきちんと説明してとても説得力のある本だが、この具体的な飲水法を述べた箇所だけは、何故この量をこのサイクルで飲むかの具体的な説明がない。(食前30分については肥満の説明の中で触れているが)
人間の体には水分調節機能があり体内が水不足になると尿量調節等で対応する仕組みがあるということは以前ブログで書いたことがある。
人間の身体はとても複雑神秘なものだとも思う。
最近の自分の経験から言えるのは、水は摂らなければ病気になり得るし摂りすぎても不調の原因になる。
必要な量も食事量やその他飲料の量により変化することも考えられる。今言えるのは、飲水の適正量は自分が試しながら自分で判断するしかない。