運動と血液と健康について

運動旅行1年目(自転車旅行)時から身体の血管が浮き出てきた。
一番は足周りの血管。足を最も使う運動の影響だろうと思う。
二番は腹周りの血管。腹が凹んで相対的に浮き出たか、栄養供給の影響か?
NHKガッテン!H28.7.13で血管は成長し栄養を届け身体を修復する等紹介。
NHKガッテン!(http://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20160713/index.html)

血液の役割とは何か?
「流れる臓器」血液の科学(中武俊彦著、講談社ブルーバックス44頁)によると
・水分保持、 ・ガス交換、 ・栄養やホルモン等の運搬、
・体温調節、 ・体の防御、 ・傷口の補修
の大まかな6つの役割があるという。

このうち「栄養やホルモン等の運搬」時の血液構成成分は下図のとおり。
血液の構成成分
株)クイック「看護roo」サイト(https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1845)より

今回は血液の中の「血漿」が運ぶ「有機物」の脂質や糖質等に着目した話。

前回ブログで触れた「ケトン体が人類を救う」(宗田哲男著、H27.11.光文社新書)
Amazon書評でも合計104人から5点満点中4.7点の高評価を得ている。
超要約すると、
産婦人科医の著者が糖尿病になり偶然知った糖質制限食事を試して見事治癒。
従来の糖尿病治療に疑問を持った時、糖尿病の妊婦の来院が続いた。
妊婦にも糖質制限を勧め見事母子とも健康出産する事例を重ね自信を得る。
更に重症糖尿病(Ⅰ型=インスリン必須)でケトン体異常の妊婦が来院。
他の病院から断られ来院した妊婦も糖質制限高蛋白食事で無事に安産。
これらの事例から導き出される結論は、
従来は、人のエネルギー源の主体は糖分で脂肪は体に悪いと考えられていた。
真実は、人のエネルギー源の主体は脂肪で糖分は補助的な役割を担っている。
(なおケトン体とは素人的には脂肪の変身と理解して良いと思う。)

以上は素人の私の勝手な超要約なので解釈に誤りがあるかもしれない。
この本刊行時点で医学団体の従来認識に変化は無し(糖尿病治療や脂肪悪者)
しかし本でも紹介されているがコレステロールに関しては国が方針転換済。
大昔は、全てのコレステロールは悪者とされてきた。
一昔前は、コレステロールは善玉と悪玉に分けられ悪玉のみ悪者とされた。
そして約1年前、コレステロールの上限基準値が撤廃された。
従来は総コレステロールの上限が220未満だったが現在は上限なし。
一方でLDL(悪玉)コレステロールは140以上は異常とされている。

ところで自分の健康診断の結果はどうだろうか?
LDL  退職前104→前々回102→前回108→今回99
中性脂肪 退職前125→前々回54→前回71→今回84
LDL(悪玉コレステロール)の数値には目立った変動はない。
中性脂肪は結構変動があり、体重の変化とは連動しないことが分かる。
素人的には体重が減れば連動して中性脂肪も減りそうに思うが実際は違う。
各種解説によれば脂肪酸や中性脂肪がケトン体に変化して身体全体に送られる。
血液内の中性脂肪はその時々で身体の求めに応じ体内流量は変化しているのかも…

ここから話が少しややこしくなる。
コレステロールにはHDL(善玉)とLDL(悪玉)があると言われる。
LDLは身体が必要とするコレステロールを送る側。
HDLは身体の余った(古くなった)コレステロールを回収する側。
以前は血液にコレステロールが多いと病気の原因と考えられたが前述の通り撤廃。
その一方日本動脈硬化学会という組織ではLDLが140を超えると異常を疑う。
しかしコレステロールは身体に必須でありLDLもHDLも多い方が良いらしい。

宗田氏は妊婦は胎児への栄養補給で妊娠終期にLDLが200を超えると解説。
(「ケトン体」本166頁)
週刊現代が日本動脈硬化学会に見解を問いただしても答えない経緯を書いた記事。
(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/43443)
勇気ある薬剤師はネット記事で、悪いのはLDLでなく酸化コレステロールと解説。
(http://kusuri-jouhou.com/sayou/ldl.html)

ケトン体や脂肪やコレステロールと話が拡散したので整理すると、
血液は糖分とケトン体(脂肪の変化物)とコレステロール等々を運搬している。
糖分とケトン体は身体のエネルギー源で人類は大昔からケトン体を主体に使っていた。
しかし現代の糖質過多環境から糖分の占める割合が多くなった。
しかし人類の元来体質は糖を処理する能力に制限があり糖が増えると病気になる。
よって本来のケトン体(脂肪)主体の食生活に戻れば身体も健康になる。
一方でコレステロールは人間の身体に必須の成分であり善玉・悪玉は無い。
(敢えて言えば酸化コレステロールが悪玉?)
よってコレステロールは多い方が身体に良く長生きできるという見方が現在は主流。

血管は日々修復されエネルギーや養分を身体全体に届けようと一生懸命なのだ。

ちなみにコレステロールに関しては「卵は一日1個」と以前から言われていた。
これもH27.4の厚生労働省食事摂取基準改定で全く根拠を失った。
卵は健康的に最も優れた食べ物で幾ら食べても良い時代に変わったらしい。
しかし悲しいかな、過去の呪縛に引きずられ多くの人は卵制限の意識から脱却できず。
さて、糖尿病予備軍?の私はこれから何を食べれば良いだろうか。
「ケトン体」本の提案は、低度の糖尿病者は糖30:タンパク35:脂肪35。(本170頁)
本来は糖を減らすことが最良だが現代社会では難しいための妥協基準値らしい。

(追記:「ケトン食ががんを消す」という本が4日前に光文社新書から発売された)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする