青森県一周徒歩旅(2日目)~竜飛崎

H30年7月9日(月)
天気 曇り時々小雨
気温 17℃~20℃ぐらい、風有り

夜中から未明にかけて小雨の音が断続的に続いた。
出発は朝5時半。雨はほぼ止んでいた。
しかしまた直ぐ降り出しそうな空模様で雨合羽着用。
7時頃に平舘で偶々出会った村人と立ち話。
昨夜トイレに起きた時に見た漁火の漁の目的を尋ねる。
漁火はホタテ養殖の作業船だそうだ。
早い船は朝2時には出航するらしい。
早朝にホタテの回収や選別をして朝の市場に出荷する。
朝早く(真夜中?)から作業するとはビックリ!

昔取材に立ち会う機会がありホタテ漁の船に乗船したことがある。
確か8月頃で朝4時前の未だ暗い時間に乗船したように記憶する。
私が30歳代の若い頃の無鉄砲な行為と一緒の思い出。
早朝から船に乗り、特に何もすることがなかった。
陽が登り暑くなってきて船から海に入り少し海水浴をした。
漁師さんには迷惑だったと思う。本当にごめんなさい。

実は旅行初日の前日に己の失策に気付いていた。
4月の東日本徒歩旅でザックのレインカバーを旅館に忘れた。
その後レインカバーは旅館から自宅に郵送された。
そのレインカバーをザックに収納し忘れて出発してしまった。
レインカバー無しでザック内の物を個別に水濡対策する事も考えた。
ただレインカバーは有るに越したことはない。家に電話し郵送依頼しよう。

今回の旅の心掛けの一つは経費節約。
電話料節約のため自宅に眠るテレホンカードで極力公衆電話を利用する。
8時前に平舘の公衆電話から自宅に電話すると私の声が届かず会話にならない。
また後で再チャレンジすることにする。

8時過ぎに津軽国定公園内に入る。
最初は気持ち良い林間道路。その後海沿いの芝生道を進む。
歩き易い平坦な道が続き好天ならば眺望も相まって最高だろう。
8時20分に平舘灯台に着。キャンプが出来れば最高だが生憎キャンプ不可。
ここにも公衆電話があったが鍵が掛けられて中に入れず。
そういうことか!
携帯電話普及と共に公衆電話は維持補修も切り捨てられつつあるのか。

平舘灯台で雨合羽を一旦仕舞ったが今別に入り再び雨が降り出し再着用。
11時20分に高野崎、11時40分に袰月海岸に着く。
袰月(ほろづき)とは何となく趣がある町名。
海岸線が綺麗な弧を描いており地形から名付けられたのかもしれない。
因みに「ほろ」の意味を調べたら「よろいの背につける幅広の布」とあった。
[参考] 地名コレクション
13時頃に雨風共に強まり軽食休憩を兼ねてバス停で椅子に座り一休みする。

14時半に最終コンビニで食料調達を済ませる。
そしてコンビニの向かい側にあった公衆電話で今日3度目の挑戦。
自宅に繋がり無事に母親と話が通じた。
レインカバー郵送の件を母親に依頼する。
大まかな段取りを決めどこの郵便局で受け取るか再度電話することにした。

夕方には2人の男女の人との出会いがあった。
一人目は小さな滝から水を引いた場所で出会ったおじいさん。
私が滝から引かれた水を飲んでいるとそばにあった作業小屋から出てきた。
私「この水美味しいですね。」
老人「私も小さい頃は毎日飲んでいた。」
「この滝の上に滝壺がある。昨日の雨で今日は水量が多い。」
「この水は一年中涸れることがなく地域で大切にされてきた水だ。」
二人目は中年女性。
女性「今日はどこまで歩くの?」
私「竜飛崎を目指してます。」
女性「あと30分ぐらいだと思う。頑張って!」

18時に竜飛崎手前にある太宰治文学碑に到着。
小説「津軽」の中の一節 ~「ここは、本州の袋小路だ。」(新潮文庫99頁)
以下文庫本で4行分を抜粋して文学碑にしている。
小説「津軽」は太宰36歳、昭和19年(終戦の前年!)に実際に津軽を旅して著した名作。
旅の経路は「蟹田~今別~三厩(竜飛)~金木~(以下略)」。
小説冒頭に「津軽の雪ーこな雪、つぶ雪、わた雪、みず雪、かた雪、ざらめ雪、こおり雪」
新沼謙治の「津軽恋女」の歌詞の中でも津軽の特長として引用されている。
「津軽」も袰月にある高木恭造の詩碑「陽コあだネ村」(陽の当らない村)も寂寥感満載。
ただ作品からは津軽人は寂しさを力に変え更に笑い飛ばす反骨心があることも窺える。

夕方には時々薄日も射し始めたが北海道方面の眺望は叶わない。
夕暮れ時に竜飛崎に着き、早々に国道階段を登り高台を目指す。
国道階段を登り切り高台に着くと風が強い。
本日の野宿地はなるべく強風を避けたい。
展望台から道の駅に進むルートをとり野宿に適当な場所を探しながら歩む。
展望台に着くと強風と更に少し雨模様に変わる。
夕方7時前だが悪天候で眺望もなく人が訪れる気配は全く無し。
ということで本日の野宿地は風を遮ることができる展望台の中に決定。

塩越の東屋(テント)から海岸を望む

吉田松陰乗船の場

松陰が平舘台場訪問後ここから船で青森へ向かったらしい
参考:青森県庁のサイト

漁船とおこぼれを狙う鳥

津軽国定公園入口

平舘灯台・海水浴場、平舘台場跡

灯台周辺はテント場によさそうと思ったが設営は不可
写真右端には台場跡がある(写っていない・県指定史跡)

鳥の群れ飛ぶ姿

岩屋観音堂

高野崎(キャンプ場)

高木恭造の方言詩碑

高木恭造詩碑

袰月海岸

海岸線は綺麗に弧を描いているが写真で表現できず

海沿いを走る列車(JR津軽線)

義経寺(義経海浜公園)

源義経は兄・頼朝の討伐を逃れて北海道に渡った?

地域の生活水

一年中涸れることのない水

ようやく見えた竜飛崎先端

太宰治文学碑

「ここは、本州の袋小路だ」~「津軽」より

階段国道(国道339号)

階段国道から本州の袋小路を眺望

「津軽海峡冬景色」の歌碑

「展望台」の中に寝床設営

05時35分 塩越駐車帯・発
08時20分 平舘灯台
11時20分 高野崎
14時20分 ファミマ三厩店(20分)
18時00分 太宰治文学碑
18時20分 竜飛崎~階段国道
18時45分 竜飛展望台・着

歩行時間 12時間00分
歩行距離 48km
歩行歩数 79000歩

朝食 梅干おにぎり、厚焼玉子、海藻サラダ
昼食 ソイジョイ、ナッツ
夕食 3色そぼろチキン南蛮弁当、筑前煮、ミックスサラダ

青森県一周徒歩旅(2日目)ルート

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