9月3日(木)
天気 晴、最高気温 25℃
昨日で一応縦走徒歩旅は終了。
今日はバスと船で礼文島に向かう。
その後1泊2日で礼文島を徒歩で北上計画。
更に天気が良ければ翌日利尻岳に登りたい。
朝の天気予報は今日は良いが明日以降下り坂。
台風から変わった低気圧と前線の影響で不安定。
天気予報次第で臨機応変に対応するしかない。
今朝は4時起床後バスが来る7時まで暇を潰す。
宗谷岬のバス停から7時20分発のバスに乗る。
バスの中は通学の高校生でほぼ満席。
ほぼ立ち通しで1時間乗り稚内駅で降りる。
9時にフェリー乗船券を購入し待合室で待機する。
乗船30分前に食料調達忘れに気づきコンビニへ。
駆け足でコンビニを往復し買い物に20分。
何とか間に合い11時発のフェリーに乗船する。
フェリーには観光客が100人ほど乗船した。
フェリーは利尻島を経由して礼文島に着港。
香深港のトイレで水を補給して徒歩旅出発。
最初は「北のカナリアパーク」に向かう。
映画の舞台「北のカナリアたち」の校舎がある。
澄み渡った青空に利尻岳の頂上に雲の輪。
本当に素晴らしい天気に恵まれる。
その後元地灯台から桃岩と続く草原の道。
素晴らしい天気と眺望が続き島景色に感動する。
礼文島は6~7月の開花時期が最も見頃だ。
今年はコロナの影響もあり観光客は少なめ。
それでも徒歩中の所々で観光客と擦れ違う。
桃岩を過ぎると一旦舗装道路に出る。
そこからウスユキソウに至る林道が通行止。
8月7~8日にかけての豪雨で閉鎖したらしい。
旅行前に少し気になり調べたが気付かなかった。
行ける所まで行き無理なら引き返すつもりで進む。
歩いた感じでは特に支障はない。
多少道に洗掘(えぐれ)があるが問題なく歩ける。
礼文ウスユキソウは時期外れだが数輪見つけた。
その後香深井の分岐路に来るとまた通行止め。
当初は右折し緑が丘公園キャンプ場で泊る予定。
しかし天気予報では今夜から明日にかけ雨予定。
事前情報で宇遠内への下りは急な悪路との事。
明日雨の中を歩くのはリスクがあると考える。
そこで今日中に宇遠内まで進む事を決断する。
宇遠内地区の空地で野宿しようと考える。
通行止の脇を抜けて宇遠内を目指し登り進む。
こちらの道も通行止するほどの問題は感じない。
これぐらいの道は登山道ならば頻繁に出会う。
150mほど登り峠に達し180m下ると宇遠内。
宇遠内地区に到着し集落を眺めて驚く。
戸数10戸に満たない集落は廃屋が目立つ。
そして人の気配が感じられない。
今後の悪天予報に備え防波堤の方に向かう。
すると少し離れた船着場で作業する人を目撃。
人が住んでいる事を知ってまた驚く。
周囲が崖に囲まれ車道も無く往来の困難な所。
この場所でどうやって生活しているのだろう?
徐々に風が強まりテントの設営に少し苦労する。
張り網を引き周囲にある大石に巻いて固定する。
テントの設営を終えると夜の闇が迫りつつある。
集落の方に目をやると3軒ほど灯りが見える。
直ぐにテントに入って夕食を摂る。
20分ほどするとテントにライトが当たる。
何か問題でも起きたか?
遠くから男性の声が聞こえる。
男「そこにテントを張っていますか?」
私「はい。テントを張りました」
男「家から外を見たら灯りが見えたので見に来ました」
〃「テントを張る事は別に構いません」
〃「ただこれから天気が悪くなる様ですよ」
私「一応天気予報を見て大丈夫と思っています」
男「私は宇遠内の川村と言います」
〃「もし良ければ家の小屋軒下を使って下さい」
私「済みません。お心遣い有難うこざいます」
〃「不安になったら使わせてもらいます」
テントの中と外で声だけでやりとりを交わす。
私がテントから顔を出すと男性は既に引き返した。
暗い中ライトを点して態々近くまで来てくれた。
夜には町内放送が聞こえていた。
「町の事業に応募し補助金を交付する事業がある」
という様な内容の町内放送だった。
私はこの集落が町と疎遠な集落と勝手に思っていた。
ここに住む人々も半ば見捨てられた人達と思った。
しかし完全に私の勝手な先入観と気付かされた。
ここに住む人々も力強く生きている事を知らされた。
3軒の灯りがとても大きく温かく感じられた。
参考記事(有料記事):宇遠内地区が紹介された記事
「限界突破集落」は地方衰退の象徴ではない
朝日に向かう間宮林蔵の像
間宮林蔵像と日本最北碑
間宮像と最北碑の間の遠方にサハリン
海に入り漁をしている
コンブ漁かしら?
フェリーで礼文島に到着後~出発
北のカナリアパークと利尻島
トリカブトの花と実
元地灯台
元地灯台付近から元地漁港方面眺望
元地展望台からの北側の眺望
花に囲まれた散策道を歩く
エゾノコギリソウ(白)とツリガネニンジン(淡紫)
桃岩
形が桃に見えてくる
通行止を通り礼文薄雪草の林道へ
ツリガネニンジン
時季外れのレブンウスユキソウ発見
黄(緑)の花 ?
香深井・宇遠内の分岐地点
「車両通行止」標識あり
宇遠内への下り道で夕焼け眺望
テント設置場から見た宇遠内集落
電気が灯る3棟の家
北海道旅20日目の経過
07:25 宗谷岬バス停~宗谷バス乗車
08:25 稚内駅バスターミナル
11:05 稚内港~ハートランドフェリー乗船
13:00 礼文島・香深港 – 13:15 徒歩旅開始
13:55 北のカナリアパーク
14:40 元地灯台
15:30 桃岩展望台
15:50 舗装道からウスユキソウ林道へ
16:40 礼文滝分岐
17:20 香深井・宇遠内分岐
18:20 宇遠内・着
歩行時間 5:00
歩行距離 18km
北海道縦走旅20日目のルートは次回記事に掲載します。