滝ノ上発・周回縦走-三ツ石~大白森~乳頭山

10月1日(火)~2日(水)
天気 1日・晴時々曇り 2日・曇り後雨

1 旅の計画
例年秋の紅葉時期に岩手山周辺を縦走登山している。
今年は諸事情で少し早めに計画したら台風が接近中。
そのため岩手山と裏岩手を分割して歩く計画を立てる。
そして滝ノ上登山口から裏岩手の周回縦走計画とする。
更に天気が良い場合と悪い場合で変更も考慮する。
天気が良ければ三ツ石~大白森~秋田駒を大回り。
天気が悪ければ三ツ石~大白森~乳頭山の小回り。
結果的に天気の他に体調もイマイチで小回りになった。

2 旅の概要
前日に岩手山(御神坂~網張)縦走後スーパーで食料調達。
その後に滝ノ上駐車場で車中泊して翌早朝縦走登山出発。

1日目 10月1日(火)
今回のルートは昨年のルートと7~8割重複するルート。
滝ノ上から三ツ石までは過去に一度歩いた経験がある。
ただ夜明け前の薄暗い時間に歩き出すのは初体験。
20分ほどヘッドランプ歩きすると徐々に明るみ出す。
1時間余り登ると樹林帯を抜けて展望が開ける所に出る。
何となく山頂方面が見える様に感じて力が湧いてくる。
しかしその後山頂まで後少しと感じる事が複数回発生。
ニセ山頂に惑わされる事を数回繰り返しやっと山荘着。
5時少し前に出発し2時間半弱でほぼ予定どおり歩く。

山荘前で軽食を摂った後歩き出し30分余で三ツ石山頂着。
山頂とその周辺には20人前後の登山者が来ていた。
風が強い上に遠方はガスっていて視界は余り良くない。
岩手山方面は雲がかかり山頂から下にかけて見渡せない。
それでも多くの登山者はシャッターチャンスを待っている。
私も5分ほどチャンスを待ったが痺れを切らして先に進む。
30分ほど進みニセ小畚に近づくと岩手山山頂が姿を現す。
岩手山の山裾には雲海が広がり上空は青空が広がる。
正に山にいる人だけが堪能できる景色が一面に広がる。

ニセ小畚から先では20~30人ほどの登山者とすれ違う。
単独登山者が多いがグループ登山者も複数団体いた。
八瀬森分岐で登山者との出会いは急減する。
八瀬森分岐から先は滅多に登山者と出会わないルート。
本ルートは過去4回歩いているが過去1度も人と会わない。
人が少ない割に曲崎山までは相当刈払い整備されている。
曲崎山山頂で初めて3人組登山者と出会った。
山頂から先のヤブ道の進路に悩んでいる様子がする。
声かけして私が少しの間ヤブ道を先導する事になる。

この日の宿泊地は私と同じ大白森山荘との事。
ヤブ道を500mほど進みヤブ減少した所で問題発生。
大石が続く道の様な所に変わり進路が分かり難くなる。
3人組と手分けして進路を探すと先に3人組が進路発見。
一方で私の方はこの時点で体力を相当消耗していた。
3人組のルート発見声かけが聞こえたが身体が動かず。
私は3人組に相当遅れて休み休み進む事になった。
2回ほど水分栄養補給休憩し更に一部で道迷いも発生。
大白森山荘には夕闇が進んだ18時少し過ぎに到着。

先に着いた3人組の到着も17時半頃の夕暮れ時との事。
互いに労をねぎらい合う一日になった。
3人組は女2人と男1人の組合せで八幡平山頂を出発。
明日は乳頭温泉で登山終了計画との事。
私より少し若い様に思われ体力も私より上回る印象。
3人組に明日の天気を聞くと昼頃から雨模様との事。
この時点で私は明日登山口に戻る事を決めた。
雨予報もあるが今回は体力面で不安を感じていた。

2日目 10月2日(水)
翌日5時過ぎに大白森山荘を出発し間もなく道迷い。
10分ほど道迷い後に道を見つけて正規ルートを辿る。
大白森山頂到着は予定より30分余遅れている。
ただその後は昨年ヤブ道だった所が刈払いされている。
小白森から鶴の湯分岐を経て蟹場分岐に8時過ぎに着く。
軽食休憩して出発後間もなく雨が降り出してきた。
更に乳頭山頂に進むほど強風度が増して寒さを感じる。
乳頭山頂で数分滞在するが寒くて早々に下山路につく。
下山するに連れて強風は静まり雨も弱まってくる。
滝ノ上駐車場に着く頃には風雨はほぼ収まっていた。
この日のルートでは流石に誰とも出会わなかった。

3 登山での反省
今回の登山では2点反省する事があった。
1つ目はヤブ道や不明瞭道での進路選択の失敗
2つ目は雨天等の悪路での転倒の失敗

(1) ヤブ道・不明瞭道での進路選択
今回は曲崎山後の下りと大白森山荘後の登りでミス。
どちらもヤブから大石敷設道に変わる場所だった。
石が敷かれた道は通常は人が敷した道と判断できる。
しかしどちらも石道脇に迂回の道が付けられていた。
推測だが数十年前は石敷道が登山道だったと思われる。
その後危険等の何らかの理由で道が付け替えられた。
石の敷設道は進む毎に古びた竹ヤブ等が現れ出す。
古びた竹ヤブはそれだけ人の手入れが少ない証拠。
古びた痕跡が徐々に増え出す事の早期察知が重要。
更に付言すればどちらの道も注意力が少し欠けていた。
大石が現れた時点で道と即断し周囲の注意を怠った。
安易に即断しない事が大事だが注意力維持は結構難しい。

またヤブ道経験が増える事で道の選択能力が増してきた。
刈払いが遅滞したヤブ道には微かでも道の痕跡がある。
以前道だった所は周囲の真のヤブと僅かでも差がある。
道がヤブ化した所は周囲のヤブより背丈が僅かに低い。
道がヤブ化した所の地面周辺は笹ヤブ過密度が少ない。
道がヤブ化した地面は足跡の痕跡で周囲より固い。
道がヤブ化した地面は周囲より笹の葉が溜まり易い。
以上は主にササヤブ道の判断基準だが他にも通用しそう。
例えば倒木によって登山道の進路が分かり難い場合。
登山道は直進方向が99%で曲りは1%程度と思われる。
直進方向を良く見て周囲の木々の状態と比較対比する。
登山道は周囲の木々より空間が広い場合が多い。
その空間の広さを目安に進路を探すと見つけ易い。

以上はあくまで個人の私見であり絶対的な指標ではない。
その場その場で最善と思われる道を選択するしかない。

(2) 雨天等の悪路での転倒防止
登山2日目は雨天の歩行で何度か転倒してしまった。
・石の少しの傾斜の上で滑り転倒
・粘土道での転倒
・木の根の上で足を滑らす転倒
・笹の落ち葉の上の転倒、その他
転倒の最大要因は疲労による足運びの不注意だと思う。
足が疲れてくると無意識に楽な足運びをしがちになる。
つまり足が滑る様に足運びする事が増え出す。
雨天で滑り易い時ほど足を垂直に着地しなければならない。
だが疲労時は楽に着地しようと足を前に差し出す様に足を運ぶ。
登山の1日の歩数は数万歩になる。
1日に数万回繰り返す足の着地動作に毎回注意が必要となる。
当然ながら危険な所ほど細心の注意を払って足を運ぶ。
だが危険が少ない所ではどうしても注意力が減少する。
そのためチョットした注意不足が転倒に繋がってしまう。
疲労と足運びの注意力維持問題は中々妙案が浮かばない。
今後注意したいと思うが結構難しい事だと感じている。

4 旅の経過
1日目
04:57 滝ノ上温泉登山口
06:16 滝ノ上コース水場
06:46 滝ノ上温泉分岐
07:16 三ツ石山荘水場
07:20 三ツ石山荘 (10分)
08:02 三ツ石山 (7分)
08:40 ニセ小畚
09:00 小畚山 (6分)
09:51 八瀬森分岐 (18分)
11:55 関東森
12:26 大場谷地
12:30 八瀬森山荘 (20分)
13:13 八瀬森
14:38 曲崎山 (5分)
16:43 大沢森
18:07 大白森山荘
徒歩時間 12:00 (休憩1時間10分除く)
徒歩距離 24km

2日目
05:08 大白森山荘
06:14 大白森
06:47 小白森山
07:05 鶴の湯分岐 (2分)
08:12 蟹場分岐 (10分)
09:27 孫六温泉分岐
09:34 田代平山荘
10:01 黒湯分岐
10:17 乳頭山 (5分)
11:09 山頂まで2キロ標柱
11:56 白沼 (2分)
12:43 滝ノ上温泉登山口
徒歩時間 7:00 (休憩30分除く)
徒歩距離 15km

5 旅の写真
1日目
夜明け前にヘッドランプを着けて山中入り

徐々に明るさが増す

「水場」を通過

樹林帯を抜け見晴らし場所に出る

網張への林道分岐を通過

後方の高倉山方面を眺望

三ツ石山荘の直近「水場」は流水無し

三ツ石山荘で小休憩

三ツ石山で眺望を待つ登山者達

三ツ石山頂周囲はくも霞み

山頂周辺で雲解消を待つ人達を残し先へ進む

小畚山方面は見晴らし良好

三ツ沼とニセ小畚

ニセ小畚から岩手山眺望

小畚山から左・岩手山、右・三ツ石山を眺望

小畚山から八幡平方面への道

紅葉に囲まれた道を進む

山頂直下が急な小畚山を振り返る

八瀬森分岐から左・岩手山、右・小畚山と三ツ石山を眺望

リンドウ

刈り払いの済んだ道を進む

左前方に乳頭山や秋田駒を眺め進む

広い草原湿地帯

時々倒木が現れて進路を塞ぐ

キノコ群

関東森を通過

八瀬森手前の大場谷地を通過

八瀬森山荘で食事休憩

曲崎山山頂で3人組と出会う

曲崎山山頂から続くヤブ密集地帯を進む

大沢森通過後はヘッドランプ着用~18時過ぎに大白森山荘着

2日目
薄暗い夜明け前に大白森山荘を出発

霧の中の大白森山頂を通過

小白森を通過

低木の紅葉と高木の落葉の混在景色

鶴の湯分岐で小休憩

蟹場分岐で軽食休憩

小雨が降り始めレインウエア着用

樹林帯を抜ける

小雨の沼脇を通過

孫六分岐を通過

田代平山荘を通過

黒湯分岐は途中の橋崩落で通行止め

強風の乳頭山山頂に到着

山頂2km標識

湿地帯を通過

白沼

滝ノ上温泉登山口に到着

6 登山と歩行のルート図

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