H28.8.5 北アルプス縦走3日目

100番目 槍ヶ岳
NHKBSの百名山人気ランキングでは富士山が1位で槍ヶ岳が2位。
深田はその著書で「高さと言い、颯爽とした鋭い形と言い、わが国の山の中で最もユニークな存在」と語っている。
また「富士山と槍ヶ岳は、日本の山を代表する二つのタイプである。斉整なピラミッドで悠然と裾を引いた富士型であるに反し、他の一つは先鋭な鉾で天を突く槍型」と分類し、「地方の山々に多くの何々富士や何々槍を生んだ」と述べている。

私は「富士山は万人が美しいと思う山、槍ヶ岳は登山者の憧れの山」だと思う。

8月5日(金) 北アルプス縦走3日目(槍ヶ岳、大天井岳)
天気 晴のち曇

朝起きると雲ひとつない快晴。
夜明け前に出発し登山道途中から眺める御来光がまぶしい。
出発し登り道を進むと樅沢岳山頂に着く。槍ヶ岳の雄姿が現れる。
槍ヶ岳へはアップダウンが大きく険しい西鎌尾根と呼ばれる道を通る。
険しい道は注意深く進めば特に危険を感じない。
しかし樅沢岳から千丈乗越まで一旦大きく下った後に登り返すのが結構苦しい。
槍ヶ岳の頂がすぐそこに見えるのにそこまでの急斜面が眼前に立ちはだかる。
歩幅を小さくして地道に少しずつ高度を稼いでいくしかない。

千丈乗越から1時間で槍ヶ岳山荘に到着して一安心。
5分ほど休憩後ザックを山荘脇にデポし、いよいよ最後の百名山槍に向かう。
槍ヶ岳山頂付近にはガスがかかり始めている。
剱岳の様な渋滞はなく10人ほどの登山者が私の前を登っていく。
槍ヶ岳と剱岳で最大斜度の程度や高度感に差は無いように感じられる。
大きな違いは剱岳が最低限の補助器具(鎖とボルト)で登山者をアシストしている。

一方の槍ヶ岳は鉄梯子で登山者の安全性をより確保している。
それでも人それぞれ恐怖感を覚えながら慎重に鉄梯子を登る。
そして無事最後の百名山槍ヶ岳山頂に達する。

山頂からの眺望はガスが多めでイマイチ。
時々ガスが薄れて周囲の視界が開け始めると登山者が歓声を上げる。

しかし遠方までは中々見渡せず、穂高岳方面の眺望も叶わない。
山頂の広さは20人程が限界のため登って来た人と交代するように下山。

百名山はこれで全て完了だが、今回の縦走はここからが未だ大変。
槍ヶ岳から東鎌尾根という登山路を進み今日は大天井岳まで結構長い道程。
東鎌尾根も西鎌尾根同様に多少注意が必要なコース。
このコース上では20人以上の登山者と出会った。
その中には白人男性の登山者や30歳前後の女性登山者ともすれ違った。
しかし両者共に動きがとてもスローで、見ていて不安を感じさせられた。
疲労・緊張・恐怖によるスローペースの様に見受けた。
外国人や女性が単独で安易に登山する山ではないのだが…無事の山旅を祈るのみ…

他人の心配をしていた私自身も15時過ぎには相当の疲労状態。
この日も午後からガスが増え一時的に霧雨になったが雨合羽は着ず目的地到達。
本日のテント場大天荘にテント設営後、大天井岳まで往復20分。
夕暮れ時の大天井岳からはそこそこ眺望も楽しめた。

日の出直後の樅沢岳山頂から槍ヶ岳
樅沢岳山頂から見る槍ヶ岳

朝露のチシマギキョウ?と槍ヶ岳
朝露のチシマギキョウ?と槍ヶ岳

左俣乗越から見た槍ヶ岳
左俣乗越から見た槍ヶ岳

千丈乗越から見上げる槍ヶ岳
千丈乗越から見上げる槍ヶ岳
小槍が大きく見える

西鎌尾根縦走路を振り返る
西鎌尾根を振り返る

槍ヶ岳山頂を目指す
槍ヶ岳山頂を目指す

登攀途中で見下ろす槍ヶ岳山荘
登攀途中で見下ろす槍ヶ岳山荘

山頂直下の最後の登り鉄梯子
山頂直下最後の鉄梯子登り

山頂で記念撮影
山頂での記念写真

槍ヶ岳山荘から穂高へ向かう稜線
槍ヶ岳山荘から穂高へ向かう稜線

東鎌尾根に向かう縦走路
東鎌尾根に向かう縦走路

東鎌尾根上の鉄梯子
東鎌尾根上の梯子場
鉄梯子の頂から下を見る白人登山者

水俣乗越を過ぎると西岳と稜線
水俣乗越を過ぎると西岳と稜線
西岳への登路上で女性登山者と交差

ヒュッテ西岳
ヒュッテ西岳

ビックリ平
ビックリ平
天気が良ければ景色にビックリするのか ?!

大天井ヒュッテ
大天井ヒュッテ
この辺りが疲労のピーク

大天荘
大天荘
やっと到着してホッと安堵

大天井岳山頂
大天井岳山頂
5分ほどいたらガスが薄れ眺望出現

04時45分 双六小屋テント場・発
05時30分 樅沢岳山頂
08時00分 千丈沢乗越
09時00分 槍ヶ岳山荘
09時30分 槍ヶ岳山頂(25分休憩)
11時00分 ヒュッテ大槍
12時00分 水俣乗越
13時25分 ヒュッテ西岳
15時25分 大天井ヒュッテ
16時15分 大天荘テント場・着
17時45分 大天井岳・往復(20分)
登山時間 11:00 登山距離 21km 高低差 700m テント泊

※ お詫びと訂正
8月26日に掲載した「南アルプス縦走3日目」ブログの写真に付したコメントに「モミの木の北限は秋田で青森には無い」と書きましたが、その後にいつも激励指導くださるT先輩からご教示があり間違いと分かりました。
正しくは「モミの木の自生の北限は秋田県(岩手県)と言われている」「青森県の十和田市には県天然記念物に指定されたモミの木がある」でした。なお県指定のモミの木が自生かどうかは不明とのこと。
お詫びして訂正いたします。

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