5月29日(日) 41番龍光寺~43番明石寺

天気 雨
6時に道の駅を出発する時は霧雨気味。
今日一日で喜怒哀楽すべて体験した。
愛媛は「菩提の道場」と言われるが、自分は菩提(悟り)とは正反対で、煩悩に満ちていることを痛感させられた。

41番龍光寺は7時の納経所受付開始前に訪れたが、更に早いお遍路さんがいた。
愉快な男性お遍路さんで、納経所の人と話しているのを聞いていた。
男性「先日、先に納経所に行って朱印を貰おうとしたら、先に本堂に参拝してから来て下さいと言われた。」
納経所「ウチの寺も確認します。なので団体の場合、納経しているのを見てから朱印を押します。」
男性「今年は逆打ちが多いが、逆に回るのならば、納経の手順も逆に先に朱印を貰い本堂に参拝する手順にした方が良い。」
軽いジョークに笑った。【小楽】

42番佛木寺に向かう途中に中山池という割と大きい湖のような池があり、説明板には、400年昔の人が農業のため近隣に良い水場がないので私財を投じてこの池を造った話が紹介されていて、昔の人の度量の大きさに感動した。【喜】

徐々に雨が強まってきた。
道を行く車の中の一部は、歩行者に水はねするのも気にせず、歩行者のすぐ脇を猛スピードで通り過ぎて行く車がいる。【小哀】【小怒】

43番明石寺に向かう途中の歯長峠の下り道で、雨脚が強まる長い山道を歩いている私を見て気の毒に思った車が停まり、助手席の婦人がドアを開け「明石寺に向かうのなら車に乗りませんか?」と声をかけてくれた。
今旅行中、乗車の誘いは初体験。
ズブ濡れで汚い私に声を掛けてくれるだけでも感動。
丁重にお断りし心遣いにお礼を述べた。【喜】

明石寺で本堂と大師堂の参拝を済ませて納経所に向かうと、丁度遍路ツアーの団体が到着しガイドの人が納経所の受付に大量の納経帳を差し出した。
始めは不運と思い団体の納経帳が終わるのを待っていたが、徐々に腹が立ってきた。
思わず「私の方は本堂のお参りを済ませてから納経所に来た。団体は本堂に行く前に納経所に来た。別の寺では本堂の参拝を済ませてから納経所に来て下さいと言う寺もある。団体は順序を守らなくてもいいのか?」と言った。
納経所の人は「私は寺から委託されて仕事しているだけなのでよく分からない。」と言いつつ、団体の納経帳の間に私の分を割り込み朱印してくれた。【怒】

雨の中歩道を歩いていると、向こうから近所に住む老婦人が少し大きめのビニール袋をぶら下げて歩いてきたが、10mほど手間で私を見つけると歩道脇に立ち止り私を待った。
お互いに歩いきながらすれ違えるスペースは十分あるが、老婦人は立ち止まったままで私が通り過ぎるのを待ち、「ご苦労様です。お身体気をつけて下さい。」と声を掛けられた。雨の中老婦人の心遣いが深く心に染みた。【喜】

明石寺を打ち終わり宿に向かう途中、川沿いの遍路道を進んでいた。
宿に向かうので遍路道にこだわる必要はないが、川向こうには車通りが多い繁華街が現れ、進んでいる方向は車通りが少なく閑散としている。
車通りの少ない方が気が落ち着く。
宿に着く前に夕食を買う必要がある。
そろそろ対岸の繁華街の店で買い物したいと思いながら、いつまでたっても橋が現れず川向こうに渡れない。
また徐々に雨脚が強まってきた。
早く買い物と雨宿りを兼ねたいのに一向に対岸に行けず、思わず金剛杖にやつあたりして歩道に打ち付けた。【哀】【怒】

大洲市内に入り宿まで数十分の所まで来て雨は土砂降りになった。
すると、歩いている私の側に軽トラが停車し、本日2度目の乗車の誘い。
とても嬉しかった。
しかし全区間歩き通したいのに加え、車に乗るにも余りに濡れ過ぎており、今度もお詫びしてお断りし礼を述べた。【喜】

びしょ濡れで宿に着くと、口数の少ない宿の主人が、靴乾燥機を利用できること、風呂や洗濯機の利用など、私の気持ちを察した必要事項を簡潔に説明してくれた。【小喜】【小楽】

人の振り見て我が振りを反省する一日。


愉快おじさんと出会った41番龍光寺


中山池で若者がブラックバス釣り


中山池の歴史


皆さん集まってどうしたのかしら?
(これから草刈り作業をするところでした)
道を綺麗にしてくれて有難うございます


佛木寺の山門


明石寺への途中に通る歯長峠のトンネル。
この後夫婦の車が停まり乗車の誘い


途中出会った休憩所脇に遍路墓


重厚な本堂の明石寺


西予市宇和町の伝建群保存地区


分離歩道のない長さ1km強の鳥坂トンネル


色々あった一日を終え宿に着く

06時00分 道の駅みまを出発
06時30分 龍光寺に着
08時20分 佛木寺に着
12時50分 赤石寺に着
17時50分 松楽旅館に着

歩行時間 9時間20分
歩行距離 41km

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