責任の取り方?「佐川証言」等々

先ず昨日の佐川前理財局長の証人喚問で矛盾を感じたことを書きたい。

官邸は文書改竄に関与していない旨の証言の抜粋
「文書改竄に総理官邸筋は一切関与はない。」
「全て理財局が対応した。」
「理財局職員には直接確認していない。」
「自分は理財局の長。重要案件は全て自分に報告される。」
(答弁の要旨を私の曖昧な記憶で書いたので誤りがあったらご容赦)

つまり官邸関与について、自分には官邸から指示がなかった。
また仮に官邸から部下に指示があれば、長たる自分には必ず報告される。
その報告がなかったから、部下にも官邸から指示はなかったと言える。
という理屈で「官邸の非関与」を証言したと思われる。

一方で文書改竄に関する自分自身の関与についての証言の抜粋
「刑事訴追の可能性があるので答弁は控えたい」
「改竄前と改竄後の文書を見たかどうかも答弁を控える」
「改竄前の文書を知っているかどうかも答弁を控える」

文書改竄と自分自身の関わりについては一切の答弁を拒否していた。
でもこれは官邸の関与については絶対無いとした答弁と矛盾?
官邸関与を否定した根拠を述べる時は、
「自分は理財局の長として全ての重要案件を知っているから官邸関与は絶対無いと断言」
ところが文書改竄と自分自身の関わりは
「理財局の長として文書改竄と言う重要案件に関わっているかどうか答弁できない」

もし組織の長として全て知っている立場で「官邸の非関与」を断言するのならば、
文書改竄も組織の長として絶対知っていることになり、自分の罪を断言しないといけない。
仮に「組織の長だが自分の知らない所で文書改竄があった可能性もある」ため答弁拒否なら?
官邸の非関与が絶対ないという理屈も成り立たない。
とても後味の悪い「茶番劇」を見せられた気持ちになった。
官邸にも、役人にも、総理夫人にも、自ら積極的に責任を全うするという姿勢がない。

話を変えて、天皇の沖縄訪問と原発問題。
沖縄は太平洋戦争で多くの死者を出した最後の玉砕戦の激戦地。
現天皇(今上天皇)は昭和8年12月23日生まれ。終戦の時に11歳。
小学生で戦争の悲惨さを味わい沖縄の苦難にずっと思いを寄せたのだろう。
沖縄の今日までの苦難の歴史に現天皇として出来る限りの責任(努め?)を果たそうとの意思。
また天皇は機会ある毎に震災の被災地や原発被災地等を訪れ慰問をしている。
天皇は自分の責任(任務?)をとことん突き詰めて命懸けで責任を全うしようと感じられる。

戦争にしても原発事故にしても関係者は「二度と起こしてはならない」と述べる。
一方では日本の防衛のために自衛隊海外派遣は必要・憲法改正も必要という自民党。
原発についても安全性を確認し国内原発の再稼働や海外への原発輸出を進めている。
武器を持ち迫る相手に武器で対抗しようとするならば戦争を回避できないのでは?
科学技術で絶対安全な物が作れないなら原発事故が二度と起こらないと言えないのでは?

責任のある態度とは現実に起こったことや危険の可能性があることを直視すること。
問題に真摯に立ち向かい、課題があるならそれにどう対応するか真剣に議論する。
反対意見にも耳を傾け、反対意見にどう向き合うか決意を示すことが責任ある態度と思う。
上に立つ人が模範を示さなければ、部下や人民の心は離れていく。
更に手本となるべき人が責任を示さなければ、責任を逃れようという人が増えるのではないか?
私自身も生き方に恥じ入ることも多々あるが、次世代への責任を負う一人の意識は持ちたい。

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