旅概要
3日目 4月12日(金)
3時半起床し朝食を摂り後片付けし5時半に出発。
出発して30分ほどすると便意が訪れる。
適当に済ませたいが郊外の住宅地で適地がない。
徐々に便意が差し迫り焦りが出始める。
コンビニも無く早朝のため開店している店もない。
するとルートから少し離れた所にGSを見つける。
ここを逃したらこの先見込み無しと思い進路変更。
GSに入店して店員にトイレ借用を願い出る。
幸い親切な店員に会えて快諾してもらえた。
その後は最初のチェックポイント「夕筋踏切」に寄る。
夕筋踏切では20分休憩して少し栄養をとる。
次のチェックポイントは「下北迫地蔵尊」。
Y字路の中心に地蔵尊があり新旧混在した風景。
更に10分余歩いて二ツ沼総合公園に辿り着く。
この日は水補給せず歩き続けやっと水場に出会えた。
公園トイレで水を十分補給後に休憩軽食する。
公園で20分休憩後に出発する。
公園脇を抜ける道路沿いは満開の桜並木が続く。
暫し桜の鑑賞歩行を続けるとJビレッジに着く。
Jビレッジ内を抜けるようルート設定されている。
巨大な建物があったが何の施設か分からない。
その後丁度お昼時間に天神岬に辿り着く。
天神岬の展望台からは海沿いの眺めがとても良い。
また県指定史跡の天神原遺跡(集団墓)がある。
墓の出土品は国重要文化財に指定されている。
この日は予定より早く進んでいる。
天神岬には食堂や日帰り温泉もある。
立ち寄る余裕はあるのだが先に進む事にする。
既に予約済みの宿まで12kmで3時間ほどで着く。
軽食しながら歩けば早めに到着し快適に休める。
早めのホテル到着を目指し頑張って歩き続ける。
すると少し早く進み過ぎて15時前に着きそうだ。
余り早いとチェックイン可能か心配になる。
ホテルの2km手前の太田公園で一服休憩する。
10分ほど休憩後にホテルに向かい到着は15時前。
ホテル前の道端で男性と女性が話をしている。
恐る恐る近づくと女性がパン販売していた。
私が近寄るとパンの購入を勧められた。
これからホテル夕食する私にパンは必要ない。
丁重に断ると他の品物を買わないか勧められる。
極力荷物を増やしたくない私はやはり断る。
女性と話していた男性はホテル従業員だった。
女性がパン販売で来訪し男性に頼んでいたらしい。
優しそうな男性は女性を助けたいが妙案がない。
残念ながらこの周辺でパンの需要は無さそう。
この日の宿はホテルオーシャンとみおか。
1泊2食7900円で夕食朝食はセルフバイキング。
事前のネット検索ではこの近辺で最安値の宿。
ここ以外は1泊2食で1万円を優に超える料金。
疲労回復最優先の私には質より量の夕食で十分。
3日振りの入浴とベッド睡眠で身体は再生できた。
4日目 4月13日(土)
この日は最初に今旅念願の「夜ノ森桜」を目指す。
混雑回避のため自動車通行自粛要請はネットチェック済。
混雑具合が読めないため早朝来訪を目論んでいた。
そのためホテル朝食が朝5時開始はとても助かった。
5時に食事を摂り始め5時55分にホテルを出発する。
朝の7時には夜ノ森の桜並木地区に着く。
早朝のため観桜観光客の数は流石に少ない。
それでも歩きながら撮影する人をちらほら見かける。
快晴の下桜は満開で一部では桜吹雪も舞っている。
満開桜並木に感激し撮影しながら300mほど歩く。
夜ノ森駅構内通路を抜け更に200mほど桜並木堪能。
満開桜を十分堪能した後は大山祇(づみ)神社詣で。
途中の道端で縁起の良い源平(紅白)桜にも出会う。
大山祇神社は今治の総本社由来の山の神の神社。
3年連続参拝すれば「願いが聞き届けられる」の由。
「願いが聞き届く」と「願いが叶う」は同義かしら?
大山祇神社の後は大野駅に向かう。
大野駅に進むにつれ人の姿が減り静寂さが漂う。
大野駅は原発事故エリアに最も近接する駅になる。
現在避難中の人や既に移住した人が多いと感じる。
大野駅から双葉駅までの公式設定ルートは電車利用。
ただ事前に調べた情報で徒歩も可能と判断した。
そこで大野駅を通過し国道6号へ繋がる道を目指す。
大野駅から10分弱歩くと県道252号に辿り着く。
すると標識が出現~「自転車、歩行者は通行禁止」。
何と! 国道6号手前は自転車、歩行者はダメなのか!
慌てて電車移動に変更のため大野駅にUターンする。
駅に戻り時刻表を再確認し10分ほど電車を待つ。
電車を待つホームには私の他に老婦人が1人いた。
電車待ちの間に老婦人と少し話をした。
私「どちらまで行きますか」
女「家の花壇の種を買いに原ノ町に出かける」
私「ここは今随分開発中の場所が多いですね」
「駅前にも大きな建物が建つ様ですね」
女「ショッピングセンターや病院が建つ予定」
私「町に活気が戻るといいですね」
女「町が開発され土がアスファルトに一気に変わった」
「開発の影響で町の中は夏は暑く冬は寒くなった」
「開発で元の町の姿が失われる事が悲しい」
私「開発で若者が住んで活気が出ればいいですね」
私は婦人の町開発の悪影響指摘に内心は同感した。
一方で婦人の悲嘆を町の活気が補い癒す事を願った。
本当は婦人に賛同し開発の悪影響を指摘したかった。
私は二酸化炭素の気候変動主要因説に懐疑心を抱く。
むしろ開発が野放し推進される事の方が重罪と思う。
様々な旅で林間と平地の温度差を肌で感じて来た。
しかし人類は開発を通じ発展してきた事も事実。
どれだけ多くの人が開発を生業にしているだろう。
開発抑制を主張する事は多数の反感の元だろう。
私は婦人に寄り添えなかった自分が情けなかった。
大野駅から双葉駅を電車移動後に海岸に向かう。
途中には壁面アートが賑やかさを少しでも演出。
海岸そばに福島県復興祈念公園が新たに整備中。
公園の中心施設は東日本大震災・原子力災害伝承館。
施設入口に液晶パネルで昔と今の福島が再現される。
離れた所にいた職員が近寄り丁寧に説明してくれた。
その後は整備途中の公園を通り請戸漁港まで進む。
漁港通過後は海沿いを離れて内陸に向かう道になる。
道の駅なみえに着くと晴天の土曜午後で子供多数。
公式ルートどおり道の駅まで歩いた後はルート変更する。
桃内駅から大悲山大蛇物語公園へ向かう事にする。
今旅で唯一公式ルートを通らず下調べしたルートに変えた。
公園には簡単な自然散策道や国指定史跡巡りがある。
(公式ルートは未知だが私的には大蛇公園ルートはお薦め)
見応えや歩き甲斐のある公園を満喫後はルートに復帰。
小高地区の小高ストアで食料調達後に野宿候補地へ。
小高川沿いで適当な場所を探そうと考えていた。
ただ川沿いは現地に行かないと様子が判り辛い。
第一候補の小高川親水公園に行くと犬連れ散歩人。
間もなく散歩の人がいなくなり野宿できると判断。
夕食を食べながらテント準備し18時半にテント内へ。
桜満開で人出を心配したが何とか無事野宿できた。
[補足] 国道6号歩行可能と周辺の歩行不可について
参考:福島国道6号全線で自転車歩行者通行可(環境省)
放射能汚染は雨などでも拡散する話を聞いた気がする。
除染の実態や通行可不可の区分など不明点が多過ぎ…
時間経過
【3日目】
05:35 波立海岸・弁天島
08:10 夕筋踏切 (20分)
09:20 下北迫地蔵尊 (2分)
09:33 二ツ沼総合公園 (20分)
10:25 Jビレッジ内通過 (10分)
11:55 天神岬 (10分)
14:40 Hオーシャンとみおか
歩行時間8:10(休55分除) 歩行距離34km
【4日目】
05:55 Hオーシャンとみおか
06:32 富岡町スポーツセンター駐車場 (トイレ8分)
07:28 夜ノ森駅
08:33 大山祇神社 (休20分)
09:50 大野駅~通行止~大野駅 (計30分)
11:00 福島県復興祈念公園 (見学20分)
13:30 道の駅なみえ (休10分)
15:20 大悲山大蛇物語公園 (見学40分)
16:55 小高ストア (買物20分)
17:38 小高川親水公園
歩行時間9:00(休140分除) 歩行距離43km 電車乗車6km
旅の写真
12日5:20 早朝の弁天島
12日5:38 トイレのある波立駐車場
12日6:40 GSでトイレ借用後にルート復帰
12日6:42 ハナニラ(?)の群生
12日7:02 アセビの花?
12日8:43 菜の花
12日9:19 下北迫地蔵尊
12日9:33 二ツ沼総合公園で水調達し休憩
12日10:06 二ツ沼総合公園の道路沿い桜トンネル
12日10:36 Jビレッジの大建造物(楢葉町本部)
12日10:43 森林伐採開発が進行中
12日11:27 色々なパンジー、ビオラ、ベコニア?
12日11:37 天神岬・北田天満宮の大鳥居
12日11:38 満開の桜並木道
12日11:49 天神原遺跡の集団墓
12日11:53 天神岬展望台から北方面風景
12日11:53 天神岬展望台から南方面風景
12日12:16 天神岬・サイクリングターミナル
12日12:59 破産した太陽光パネル製造工場(アンフィニ)
12日13:45 福島再生・リサイクル事業所前の児童生徒絵画群
12日14:03 太田公園で一服休憩
12日14:42 ホテルオーシャンとみおかに到着
12日17:41 ホテルオーシャンとみおか食堂
13日6:04 ホテル出発後は太陽に向かう道
13日6:32 富岡町スポーツセンター駐車場(トイレ利用)
13日7:13 夜ノ森の桜並木道
13日7:15 散る桜の花びらも有れば未だ蕾も有り
13日7:25 夜ノ森駅と桜並木
13日8:28 源平咲き(赤と白の混合咲き)の枝垂れ桜
13日8:36 大山祇神社
13日8:59 設定ルート工事中のため川沿い道で迂回
13日9:49 大野駅
13日10:01 高線量区間のため自転車・歩行者通行止め
13日10:33 大野駅~双葉駅は電車に乗車
13日10:34 壁面アートが並ぶ道を通る
13日11:22 東日本大震災・原子力災害伝承館
13日11:51 震災遺構・浪江町立請戸小学校
13日12:04 請戸漁港手前の貴重なトイレで一服休憩
13日12:31 広大な整備用地内の道路を歩く
13日13:32 道の駅なみえ・ラッキー公園
13日15:19 大悲山大蛇物語公園へ向かう
13日15:36 鉄の釘跡のある大岩
13日15:45 大悲山大蛇物語公園の物語掲示板
13日15:53 大悲山の石仏(国指定史跡)
13日16:58 小高ストアで半額割引弁当を調達
13日17:34 小高川の桜並木
13日18:27 小高川親水公園で野宿
徒歩旅ルート図(全6日間)
コメント
道の駅なみえでの忘れられない思い出。
通り過ぎて、北に歩いていたら、前方から両手に杖の高齢の方が歩いてきました。
近くを散歩されている方だと思い、軽く挨拶をしたら「ハイカーさんですか?浜街道を歩かれているのですか」と声をかけられました。びっくりしていると、浜街道を南下していらっしゃる87歳のハイカーさんでした。電車を利用しながらトレイルを歩かれている方でした。足が悪いけど、歩くのをやめたら動けなくなってしまうとのこと。私もこうありたいと、強く感じました。個人的な思い出話ですみませんてした。
野宿適地
○桃内駅下のロータリー・・・乗降客は、2人だけでした。トイレ有り。道路から一段高く、電車からは土手で見えなくて、とてもよかったです。近くに自販機有り。
appleberry さん、コメントありがとうございます。
道の駅なみえで高齢者の方との出会いのお話には私も驚かされました。
私の自宅近くでも杖をついて散歩する高齢者を見かけ頑張りに敬服します。
しかしまさか遠方の見知らぬ地を杖をつきハイクする勇気には感動ものです。
見知らぬ地では迷う心配や水や食料や排泄問題などトラブル要素にはキリがありません。
それらを承知で旅を続けるのはきっと強い意志をお持ちだからと思います。
「桃内駅下ロータリー野宿」のお話のよれば穴場スポットの様ですね。
私も駅周辺の野宿は何度か候補に考えた事があり北海道で一度だけ野宿した記憶です。
一番の心配は下車する乗客とトラブルにならないかの心配ですね。
トラブル無く野宿できて何よりです。