北海道縦走旅12日目(~トムラウシ~)

8月26日(水)
天気 晴時々ガス曇り、最高気温 25℃

未明に双子池キャンプ地を出発。
昨日オプタテシケの下り坂で見た登山道は幻でなかった。
双子池から先のルートは見事に刈払いされていた。
10年以上一度も行われなかった刈払いに今回出会うとは!
しかも刈払い後の道幅は1m以上ある。
余りの幸運に刈払いされた皆さんに只々感謝する!
幸運を噛みしめつつも少し急ぎ気味に歩を進める。

双子池出発時に所持した水の量は500ccほど。
4~5時間歩けば三川台で水を調達できる予定。
なるべく早く水を調達したい気持ちが足を急かす。
この日も午前中は直射日光を浴びた歩行が続く。
高度差200m前後の登り下りや小さい登り下りも続く。
ツリガネ山肩では僅かな日陰に身を隠し小休憩する。

それでも予定より少し早く三川台に到達する。
ところが水場は見当たらない。
三川台カールの側面等に残雪や池が見える。
まさかそこまで下りて水を汲むのかしら?
諦めて先に進むとカール台地の終点で小沼が出現。
昨日の双子池の水溜まりより数倍大きい沼で水調達。

その時にトムラウシ方面から若い男性が来た。
彼からこの先の情報を尋ねられる。
双子池から先がキレイに刈払いされていた事。
双子池まで水場は無く双子池の水事情も悪い事。
2つの情報を彼に伝える。
彼からお盆に刈払いの報道があったと知らされる。

その後トムラウシ分岐点に着き単独男性と出会う。
男性は昨日忠別小屋分岐付近でヒグマを見たそうだ。
距離にして15mほど先の草むらにヒグマがいたと言う。
今日の宿泊予定地が忠別避難小屋の私には不吉な情報。

トムラウシ分岐から25分で山頂に着く。
山頂には北海道在住男性2人組がいて挨拶を交わす。
今朝短縮登山口から登り日帰りで下山予定。
今から下山しないと間に合わないとの事。
私の計画を聞かれ登山ルートを伝えると羨望される。
いつかは自分達も歩きたいと話した後に別れる。

トムラウシからは北沼への下り道を進む。
北沼は平成21年の大量遭難事故時の第一遭難地点。
北沼東側登山道に水が溢れ出して低体温症発生を招く。
天気が良ければ穏やかな沼が天候急変で一変する。
今日の登山天候に改めて感謝し犠牲者の冥福を祈る。

ヒサゴ沼への道の途中で3人組登山者と擦れ違う。
今日の高気温にへばり気味の様子。
私も暑さは感じるが暑い中の徒歩経験で相当慣れた。
ヒサゴ沼分岐地点にはザックだけがデポされている。
持ち主は付近に水でも汲みに行ったのだろうか?
すぐ近くには雪渓や沼も見えているが人はいない。
反対側のヒサゴ沼方面に行ったのだろうか?
化雲岳に向かう道では外国人男女登山者と擦れ違う。
この辺りは様々なルートが入り組み目的地も人夫々。

化雲岳の後は今日の宿の忠別小屋に向かう。
トムラウシ山頂でガス気味後は少し晴れ間が増える。
しかし化雲岳から忠別小屋に向かう道はガスが増す。
平坦で開けた場所でガスると方向感覚が狂う。
幸いにルートを見失わず忠別小屋へ辿り着く。
忠別小屋の手前は今旅で最もササヤブの多い道。
双子池で覚悟したササヤブは回避したが最後に遭遇した。

忠別小屋の手前には雪渓があり直ぐ脇には高山植物。
遅い雪解けの影響で8月下旬には珍しい花と出会う。
忠別小屋の建物は相当老朽化が進んでいる。
入口の扉板は2枚分消失し動物が出入りできそう。
トイレもあるが扉は動かないため開いたまま。

昨日に引き続き今日も私1人だけが利用する。
忠別小屋は登山ルートを外れて15分登り下りする。
小屋の老朽化も進んでいるため人気がないのかも。
小屋脇には「熊出没注意」の看板もある。
入口扉の穴から動物が侵入するかもしれない。
小屋の奥でライトを絞り臭いに気をつけ夕食を摂る。
そして非常用の撃退用具を手元に準備し就寝した。

参考: 双子池から三川台笹刈りボランティア事業

双子池先の登山道は見事に刈払い済

8月1日~6日に刈払いしたらしい~大感謝!

朝焼けのトムラウシを遠望

陽が射し込む前のオプタテシケを振り返る

朝日を浴び始めるトムラウシ

朝日が射してきたオプタテシケ

三川台~トムラウシ区間を遠望

左から延びる水平稜線が三川台

三川台カール脇を通過

カール底部に沼が点在

イワギキョウ

昨日より大きな小沼で水調達

遠くにはオプタテシケ山

南沼を眼下に眺めトムラウシ山頂へ

トムラウシ山頂までアト25分

トムラウシ山頂

唯一ガスが薄れた瞬間に撮影

トムラウシから北沼への下り道

北沼の遭難地点を振り返る

沼の左端から水が溢れこの地で2人死亡

ロックガーデンを遠望

岩石が広範囲に広がる

ロックガーデンを通過

時々グラつく岩石に要注意

空・雲・岩が映えるキレイな沼

化雲岳へ続く長い木道

ヒサゴ沼と避難小屋

化雲岳山頂に着

シャクナゲが咲く

忠別とヒサゴの分岐地点

化雲岳を迂回するコース

忠別避難小屋への分岐地点

忠別小屋とチングルマ

忠別小屋とエゾコザクラ、ミヤマキンバイ

エゾコザクラとミヤマキンバイ

雪渓から水を調達

忠別岳避難小屋

北海道縦走旅12日目の経過
04:40 双子池キャンプ地・発
05:56 美真岳
07:38 ツリガネ山の肩 (休12分)
09:06 三川台 (休4分)
11:16 南沼トムラウシ分岐 (休10分)
11:52 トムラウシ山 (休20分)
12:53 北沼 (休2分)
13:20 ロックガーデン
14:59 ヒサゴ沼分岐
15:11 化雲岳 (休6分)
16:17 五色岳
16:45 忠別小屋分岐
16:58 忠別岳避難小屋・着

歩行時間 11:20
歩行距離 24km

北海道縦走旅12日目の登山ルートは次回掲載予定

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