人間の覚悟と行動

1 民間女性の勇気
各人が抱える悩みを他人が知る機会はとても少ない。
ニュースで始めて知る悩みに驚かされる事は多い。
実父から性被害を受けた事を実名と素顔で記者会見した女性。
TVで会見の様子を見てネットで内容を把握した。

※TBS NEWS DIG 「苦しみを知ってもらいたい」
実名・顔出しで父親からの性被害訴えた24歳女性【会見詳報】
会見詳報1

会見詳報2

被害や苦しみや葛藤の経緯は会見で詳細に語られている。
世の中に同様の苦しみを持つ人がいる事実を知らせたい。
父親の反省文等の証拠があり父親は既に逮捕されている。
それでも父親以外の身内や親族は大いに困惑しただろう。
周囲は表沙汰にせず身内中で何とか解決を願っただろう。
だがそれでは世の中で似た様な被害が続くとの悲痛な思い。
この様な悲しみや苦しみを世の中から減らしていきたい。
そのため匿名や顔隠しで訴えるだけでも相当の勇気がいる。
今回訴えた女性は夫もサポートして顔出しで堂々記者会見。
私にはとても無理なその勇気と行動に心から敬意を表したい。

2 有名女性の勇気
私は勇気ある生き様を貫いた有名な女性を2人知っている。

イングリッド・バーグマン
アカデミー賞を3回受賞した名実共に世界を代表する大女優。
バーグマンはイタリア映画監督ロッセリーニ「無防備都市」に感銘を受ける。
監督の映画に協力したいとロッセリーニに手紙を書きイタリアに行く。
その後不倫関係になり夫と子供を捨てロッセリーニと結婚。
世間からは大非難を浴びつつも自分の生き様を貫いた。
67歳で死去。
・「ウーマンライフ」サイトのバーグマンとストロンボリ記事

・「CINEMAS」サイトのバーグマンの生き方の記事
■「キネマニア共和国」映画が生誕100年を超えて久しい今、当然ながら生誕100年を迎える映画人も年々増えてきてはいますが、その中でも世界的名女優イングリッド・バーグマンは別格といえるでしょう…… 《キネマニア共和国~レインボー通りの映画街v...

瀬戸内寂聴
20歳で結婚し夫と娘と暮らす中で25歳で不倫。
26歳で夫と子を捨て不倫相手の元に行くもその後相手は自殺。
それから更に様々な男性と関係した後51歳で出家する。
99歳で死去。
・瀬戸内寂聴のLINE記事「AERA 2021年11月22日号」より

 作家で僧侶の瀬戸内寂聴さんが11月9日、99歳で死去した。 女性の生と性を描いた小説で人気を集め、400冊以上を出版。平和や反原発を訴えるなど、社会活動にも取り組んだ。 自身も、結婚、不倫
・瀬戸内寂聴の不倫略歴~「トピBlo」サイトより

バーグマンと寂聴の2人共に世間から猛非難を浴びた。
それでも2人は自分の生き様を貫く道を選んだ。
私の想像だが2人共に捨てた家族に謝罪の気持ちは持つ。
だが自分の気持ちに逆らえず非難覚悟の道を選んだ。

先に書いた民間女性は被害側だがこの2人は加害(?)側。
2人は世間の非難を承知の上で己の心情に従い行動した。
そこには詫び・謝罪の心はあっても後悔は一切ない。
3人に共通するのは覚悟を持ち自分の信念を貫く事。
そして周囲からの様々な圧力に立ち向かった事。
良し悪しは別に3人共に勇気ある生き様を示した。

3 自民党青年局のハレンチ宴会
2人の女性と正反対なのは自民党青年局。
宴会でダンサーの女性と不適切行為をしていた。
・肌を露出した女性に”口移し”チップ~FNNプライムオンライン

“裏金事件”に揺れる岸田政権に、降って湧いた新たな火種。スーツ姿の男性の中、中央に写るのは水着のような衣装を着た女性。奥にある壇上では、2人の女性が肌を大きく露出する衣装で踊る様子が確認できる。これは2023年11月、自民党青年局の懇親会で行われた“過激ダンスショー”の様子。FNNはその決定的な瞬間を捉えた4枚の画像を...
世間の非難は忘却し欲望まみれで快楽に耽る。

私達は国を舵取りを託す人を議員に選出している。
民間人や女優等の私人と異なり議員は本来模範の人。
国民の負託を受け国民に範を示すべき人の哀れな姿。
あまりにも情けない気持ちを持たざるを得ない。
更に事実発覚後の弁明が一層情けなさを拡大する。
主催責任者の弁明は「ダイバーシティ・多様性」を表現した。
参加した国会議員は「主催者に配慮した」ため黙認。
この様な人々に私達の今後の舵取りを任せられるか?
それにしても3人の女性と議員の覚悟の差は無限大。

4 松本人志と伊東純也の違い
お笑い・松本人志とサッカー・伊東純也の性加害疑惑。
どちらも民間女性との間の性トラブルで裁判沙汰。
私は週刊誌等で少し情報を知る程度の浅慮浅薄。
ただ私見では2人に大きな違いを感じる。

伊東は女性側の訴訟に直ぐ反応し自ら無実を発言。
その後も折に触れ自ら発言し無実を訴え続ける。
松本は週刊誌の事前取材に黙秘したとされる。
その後も報道に対して間接的な意思表明しかしない。
メディアで自らの行為の説明をしようとしていない。
仲間がする反論等には賛同の姿勢を示し続ける。

ここでも又冒頭の3人の女性と比べたくなる。
3人の女性は非難や好奇の眼に敢然と立ち向かった。
自らの考えや行動を大衆の前で臆せず示した。
伊東には己の主張をハッキリ示す意思を感じる。
所が松本には大衆の面前で弁明する意思はない。

5 トランプやプーチンや習近平の世界
トランプ、プーチン、習近平が毎日の様に報道される。
トランプは反対意見に対しては全て陰謀と遮断する。
プーチンは反対意見を言う者を全て排除していく。
習近平は忠誠する者だけで固め全ての異論を封じる。
3人に共通する事は自分は絶対正しく異論を封殺する。

冒頭の3人の女性に共通する事は人間の誤りを認める事。
父の性加害を受けた女性は父の謝罪を望んで訴えた。
2人の不倫女性は自らの業を受け入れ信念に生きた。
人間に「いつも正しい人」など絶対存在しないと思う。
間違いを起こしてしまうのが人間だと思う。
その間違いを謙虚に受け入れつつ生きるしかない。
自分は絶対正しいとする人ほど危ういと感じる。

6 人に訴える力~正々堂々
人は皆自分が大切で非難される事は避けたいと思う。
できれば平穏無事に過ごせる事を願う。
だが人間は千差万別で互いの違いに絶えず向き合う。
人同士が向き合えば意見の隔たりや争いも起こる。
そこで必要なのは違いがある事を理解する事。
更に自分の気持ちに正直に「正々堂々」と示す事。

冒頭3人の女性は正々堂々の表現が本当に相応しい。
そこにやましさ、後ろめたさ、己を恥じる心は感じない。
一方で政治家は「陰でコソコソ」し正々堂々の欠片もない。
今回の醜聞の他にも毎日の様に傍も恥ずかしい事が続く。
伊東には正々堂々を感じつつ松本には全く感じない。
トランプ、プーチン、習近平には虚栄しか感じない。
自分への批判に正々堂々立ち向かう気配すらない。

日々接するニュースには気の滅入る事が多過ぎる。
こんな社会が日常的に続く事の影響が怖ろしい。
社会に範を示す人の減少は社会悪化の警鐘に感じる。

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