6月6日(月) 29日目 65番三角寺

天気 曇り

今日は愛媛県最後の寺、三角寺を打った後、いよいよ遍路の旅の最後の仕上げになる4県目の香川県「涅槃の道場」入りする。
実際は愛媛県→徳島県→香川県の順に進むことになる。

前日宿泊した宿の女将からは三角寺までの道ではここから6km先のコンビニが最後の店になる旨の助言を受けていた。
スマホのマップで検索したところ、遍路道にこだわらなければもう少し先にも店はあるよう。
ということで遍路道にこだわらず国道11号沿いを進む。
宿から約10kmほど先にあるスーパーで無事3食分の食料(昼・夜・朝)を調達して、国道に別れを告げ遍路道を行く。

遍路道から一旦松山自動車道沿いの大通りに出ると母娘の女2人の逆打ちお遍路さんと出会う。
出会った場所が、遍路道が二手に分かれている場所。
一方は約20kmずっと松山自動車道沿いを進むルートで、もう一方が私が進んで来たルート。
娘の方から私の進んで来たルートは遍路道かと尋ねられたので簡単にルートを説明し、母娘は私の辿って来たルートへと向かった。
その後私は少し心配になった。
私の来たルートは何度も右左折を繰り返して進む。
尋ねた母娘は経験の浅い様子の逆打ちお遍路さんで、果たして迷わずに逆打ちの難しいルートを辿れるだろうか?
しかし出会った時間は昼前でこれから昼食時間という時に、いくらわかりやすいとは言え松山自動車道沿いの店も何もなさそうなルートを延々20kmも歩くのはもっと辛そう。
私の返答は正しいと思うことにした。

人の心配をしている場合ではなかった。
今日は三角寺と雲辺寺と言う2つの大物が待っている。
宿から約17km標高350mの場所に三角寺はある。
今日は曇り空だが時折日射しが差し気温も高く蒸し暑い。
結構汗ダクになりながら何とか三角寺を打ち終え、昼食後県境越えに向かう。

雲辺寺に向かう道で2度道間違えを犯した。
2度共に標識とマップの見誤り。
特に2度目は、間違えた道も遍路道の1つで峠越えの時間を要するコースだったため気付くのが遅れ、つづら折りの登り道を約20分進んだ後で引き返した。
何故こう何度も道間違えをするのだろうと悲しくなり自分に腹が立った。

愛媛県から境目トンネルを越えて徳島県入りすると徐々に車の数も減り静かな環境に変わる。
小さな集落を通った後は、いよいよ遍路道中の最高標高地点900m越えに向かう登山道に入る。
普通の登山であれば900mは楽な方だが30km超を歩いた後の900m登山はキツイ。
しかし道間違いしたおかげもあり、夕暮れ時の徐々に涼しさを増し静けさも増す中を、山の空気を全身で感じながら登り続けていると、今私は四国の雲辺寺に唯一人、青森という離れた土地から来ているのだという感動に浸された。
ああ、これが涅槃というものか。
道間違いも案外無駄ではなかった。

夕暮れ時の寂しい雲辺寺に唯一人到着したと思い通夜堂のドアを開けたら、そこには先客がいた。
(通夜堂=寺が設置した無料宿)


宿を出て通ったあいさつ道路。
通学する子供達から朝の挨拶をもらった


三角寺へ車で行く場合はカーナビのルートを信じてはいけないという標識


三角寺への道の途中で市街地を眺める


三角寺は山門に鐘を吊り下げている


三角寺の本堂


最初の道間違え地点。
地図の縮尺は道の進行方向を勘違いさせる


2度目の道間違え地点
標識の3方向のルートが同一方向と勘違い


県境にある境目トンネルを越える


トンネルを越えると徳島県


雲辺寺に向かう途中の山並み風景。
何となく涅槃を感じる


雲辺寺に向かう山道。
何となく涅槃を感じる


雲辺寺の通夜堂に到着。
先客がいた

07時10分 旅館を出発
11時50分 三角寺に着
18時10分 雲辺寺の通夜堂に着

歩行時間 9時間10分 (+40分)
歩行距離 41km (+3km)

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