東北山歩旅行10日目(H29年7月4日) 鳥海山

天気 曇りのち雨

夜中から未明にかけて聞こえていた風雨の音が朝には静まる。
天気は曇りで雨は止んでいる。
衣類の乾燥具合を見たが昨日と変わらず濡れたまま。
昨夜悩んだ旅行断念はせず、濡れた衣類を再着用し登山出発。

出発して祓川神社鳥居に来るといきなり小規模な雪渓が現れた。
(祓川ヒュッテ玄関前の掲示板には鳥居の先の「タッチラ坂は登山道出ている」と表示。)
登山道が良く分からなかったため雪渓を登って進む。

雪渓の問題点は2つある。
1つは急斜面になればなるほど滑落の可能性が増す恐怖。
もう一つは雪渓の状況変化や天候でルート判別の困難性。

七ツ釜避難小屋を過ぎてから急斜面の雪渓が現れる。
雪渓を登る以外の道を確認するが不明。
諦めて急斜面の雪渓を慎重に登り始める。
因みに今回の旅ではアイゼンを持参せず靴も軽登山靴のため不安が大きい。
雪渓を半分ほど登るもルートが分からず、左側の藪の中が道にように見える。
雪渓を8mほどトラバースし藪に向かったが道ではなかった。
しかし何とか藪の中の歩きやすそうな所を選び上に向かうと登山道に合流する。
前半の登りの大きな難所を越えたが、精神的疲労大。

大小4か所ほどの雪渓を越え、視界が不安定なガスの中、10時前に山頂着。
山頂到着時は一面ガスで視界はほぼゼロ。
15分ほど軽食休憩するも登山開始から誰一人会わずに下山路に向かう。
下山道中時に運よく少しだけ霧の晴れ間から山頂方面を眺望。

下山路がまた一苦労。
河原宿までの下山路にある「心字雪渓」と呼ばれる大雪渓。
ガスで視界が利かない状態。スマホの地図を頼りに進むと沢筋に入る。
しかしどう見てもヤブ化していてとても歩ける様には思えない。
迷っていると夫婦連れが向こう側から登ってきた。
本日初めての出会いが「救いの神様」に見えた。
夫婦連れと二言三言言葉を交わし、夫婦連れが辿ってきた方角へ向かい下山。

無事河原宿に着き心底ホッとして喉を鳴らして沢水をすすり込む。
そこで男性2人組の登山者と出会う。
男性2人組は先の夫婦連れと同様山頂を目指したが心字雪渓が不安で諦めて下山中とのこと。
河原宿を過ぎた頃から霧から雨模様に変わり始めており下山は賢明な判断と思う。
夫婦連れの無事を祈るのみ。

15時過ぎに「家族旅行村」に着き約10時間の登山は完了。
予想外の雪渓とガスの視界不良が重なり、予定の登山時間を2時間以上超過。
疲労も蓄積。家族村管理棟前でしばし休憩。

登り道では余り感じなかった足裏の痛みが下り道で徐々に出始ていたが今日はこの後もロード歩きがある。
雨が徐々に強まり沈み勝ちな気分を何とか奮い立たせて家族村から本日の目的地に向かう。
約15kmのロードを3時間半かけて歩き、夕暮れ迫る雨の中19時過ぎに目的地の舞鶴公園に到着。
直ぐに舞鶴公園のトイレ小屋の軒下に雨を避けてテントを設営。

舞鶴公園の前には八森温泉・食事処「ゆりんこ」という施設がある。
旅行計画時からこの日は温泉と食事を楽しむ予定だった。
しかし疲労が大き過ぎ、雨の中を傘も無くて「ゆりんこ」まで2分ほど歩く気にもなれない。
温泉は中止し、食事はザックに残った余り物(ソイジョイとナッツ類)を少しつまむ。

兎に角少しでも早く眠りたくて、直ぐシュラフの中に潜り込んだ。
昨夜と同様、濡れた衣類は乾く見込みがない。
そして昨夜と同様、旅の継続の可否を思い悩みながら眠りについた。

ヒュッテ玄関に掲示された登山情報
祓川ヒュッテの玄関に貼られた登山情報

いざ登山に出発
祓川から鳥海山頂を目指し出発!

雪渓上から見下ろす祓川神社鳥居とヒュッテ
最初の雪渓から祓川神社鳥居とヒュッテを見下ろす

ショウジョウバカマの先に雪渓の道
ショウジョウバカマの先に現れた雪渓

康ケルン先の雪渓上から七ツ釜小屋と祓川ヒュッテを見下ろす
康ケルン先の雪渓から七ツ釜小屋と祓川を見下ろす

登山道脇に咲くイワベンケイ
登山道脇に咲くイワベンケイ

花2(イワウメ?)
登山道脇に咲くイワウメ(透き通る花びら)

誰もいない七高山頂
誰もいない七高山頂

下山中に一瞬見えた新山と七高山
下山中に一瞬見えた新山と七高山

心字雪渓の始まり
心字雪渓の始まり

ガスの心字雪渓を進む夫婦(目視不能)
ガスの心字雪渓を進む夫婦登山者(目視不能)

霧の中の河原宿
霧の中の河原宿

雨の中の家族旅行村管理棟
雨の中の家族旅行村管理棟

ロード歩きで出会った滝を祀る神社
ロード歩き中に出会った滝を祀る神社

舞鶴公園手前の名水
舞鶴公園手前の名水で水を満杯に調達

05:40 祓川ヒュッテ・発
09:50 鳥海山山頂 (15分休憩)
11:20 心字雪渓 (45分雪渓歩き)
15:25 家族旅行村 (15分休憩)
19:10 舞鶴公園・着

歩行時間 12時間40分
歩行距離 32km

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