青森県一周徒歩旅(7日目)~天狗岳

H30年7月14日(土)
天気 曇り後晴れ
気温 最高28℃ぐらい、暑い

今日最大の懸案事項は「工事通行止め」区間の通過。
しかし事前の計画段階では水の確保が最大の懸案と考えていた。
白神ラインは山岳道路で今日から明日行くANMONビレッジ間が約50km。
その間に自販機等の水調達手段は無し。唯一公衆トイレが数箇所ある。
この区間を1泊2日で歩くためには十分な水の確保が欠かせない。
当初ネットで情報収集した段階では水確保は公衆トイレの予定だった。
しかし昨日下山して野宿地に向かう際、道脇で沢水が流れていた。
この先白神ラインに入っても脇水が期待できると感じた。

朝未だ薄暗い午前4時頃テント内で車2台が通過する音を聞く。
もしかして工事現場に向かう車か?少し不安がよぎる。
しかし流石に早朝4時から工事現場には向かわないだろう。
出発は5時15分。笹内川沿いの道を歩く。
歩くこと1時間半で「通行止め」ゲートが出現。
その手前に車2台が駐車中。早朝通過した車は笹内川での釣り人と推測。

通行止めを通過して約15分歩くと工事現場が現れた。
工事作業は休みらしく作業員は誰もいない。先ずは一安心。
作業内容は地中に水路を通す暗渠設置工事が行われている様だ。
暗渠の周りは土が掘り返されて溝になっている。溝幅1m強、溝深1m強。
車や自転車の通行は当然無理。大人なら飛び越すことはできそうだ。
しかし11kgのザックを背負って飛び移ると跳躍後のバランス維持が不安。
こんな場所で怪我でもしたら目も当てられない。
やはり一旦溝内に降り暗渠に登り再度溝を降り向い側に登る安全策がベター。
幸い溝下には大石が置かれ降り易い様になっている。
一旦溝下に降り暗渠に登ろうとするが手懸りがなく身体を持ち上げられない。
溝の脇に樹の根が出ていてそれに捕まりやっと身体を持ち上げ暗渠に登る。
更にもう一度溝越えを繰返し7分ほどかけ何とか向い側の道までたどり着く。
(ザックや衣類が汚れることを厭わなければ別の方策があったかも。)

工事現場の通過が7時過ぎ。先ずはホッと一息つく。
暗渠工事現場の先では側溝整備等も併行作業中らしく気配りしつつ進む。
ずっと緩い登り坂を進みながら新たな心配事が気になり出す。
今日は昨日まで続いた雨模様と冷涼天気から一転日差しの厳しい高温天気。
今度は暑さ対策と水確保が気になり出した。
途中で現れた公衆トイレはどこも閉鎖しており当初計画の水確保は不可。
しかし幸い昨日の予想通り道脇に沢水等が流れる場所が数キロ毎に現れる。
水場が現れる毎に水を飲み頭から水を被り頭部を冷やす。
水場には困らないと分かったが高温多湿天気のアップダウン道が辛い。

今日の最初の目的地の天狗峠までもう少しの場所で再度工事現場が現れる。
今度の現場は県道上に大量の土砂が積み上げられた法面工事中の現場。
こちらは高さ5mほどの土砂の上を慎重に乗り越えて通過できた。
また現場の直ぐ側には水場があり工事作業員も利用している形跡がある。
イザとなった時はここに給水に来れば良い。
ここから更に10分ほど進むと天狗峠。
出発から余り休憩を取らず約7時間かけて12時過ぎにやっと着く。
天狗峠にも「通行止め」ゲートがありこの先からは車が通行可能になる。

今旅行7日目にして初めて強烈なバテと疲労感を感じる。
直ぐに日陰に隠れて身体を横たえながら昼食をとり疲労回復を図る。
休憩中に軽自動車が到着。運転手は車から降りて周囲を見回している。
何をしているのか尋ねたらミツバチ探しとのこと。
羽根音を頼りにミツバチを探し時々噴霧器を撒いておびき寄せる作戦らしい。

天狗峠の日陰で45分ほど休憩。その後ザックの荷物を仕分け。
軽量化したザックを背負い天狗岳に向かう。
天狗岳は17年前に1度登っただけで登山の記憶は薄い。
最初はなだらかな道が続く。
その後東側が崩壊した崖のキレット道をロープ伝いに進む難所を通過。
暑さとアップダウンのある道歩きで徐々に体力が消耗する。
そして片道の登山道5kmのうち残り1km頃から極端なヤブ道になる。
嫌になるくらいのヤブをかき分け最後の急登をクリアすれば山頂到着。
峠から山頂まで当初の予定は2時間半。実際は3時間弱かかった。
本日2度目のバテ状態となり山頂の僅かな日陰に身を縮めて横たわる。

山頂で空を仰ぎ横たわりながらここまま暫く眠りたい欲求に駆られる。
しかし天狗峠到着、天狗岳山頂到着共に予定をオーバーしている。
余り余裕はない。山頂で15分休憩後の16時15分に下山開始。
下山はほぼ予定時間どおり2時間半で完了。峠到着18時45分。
天狗岳登山は疲労蓄積と暑さとヤブ道のキツさで大変な山行となった。

到着後はすぐ休みたかった。
しかし不足してきた水の補充のため10分ほど先の工事現場で給水。
現場から戻り次にテント設営。その後夕食準備して夕食にありつく。
就寝は8時過ぎ。テント内は日中の余熱で暑い。
パンツ1枚で寝袋も脇に寄せて眠っていた深夜に車の来訪の音がした。

※ 補足【天狗岳のヤブ道】
天狗岳登山道は最初は歩き易い登山道だが残り1kmのヤブが特にキツイ。
2日前に岩木山の登山道整備を市が無許可で行ったニュースがあった。
岩木山の場合は津軽国定公園エリアのため国や県の許可が必要らしい。
弘前市はそれを怠ったため整備道は通行止めし現状回復に努めるらしい。
天狗岳の登山道は世界遺産登録区域内を通る特別な道。
登山道を刈り払いするだけでも相当面倒な手続きが必要かもしれない。
登山道は深浦町の管轄区域と思うが昨日の大峰岳もヤブが多かった。
町は予算も人員も限りがあるため今後の整備も難しいかもしれない。

笹内川沿いを走る白神ライン

「通行止め」ゲート前

難所だった工事現場の通過

通行止め地点から約1km先

白神ライン白神岳展望所

空間の右端に白神岳、中央奥に向白神岳(かな?)

一ツ森公衆トイレは閉鎖中

「太夫峰」(たゆうみね) 登山口

初めて知った

「追良瀬大橋」を渡る

法面工事中の現場を通過

天狗峠まで約1km地点

「天狗峠」到着。暑さでバテた

休憩していたら養蜂業を営む男性がミツバチ探しに到着

天狗岳登山口に仕分け荷物を置いて往復登山に出発

見晴らし地点

眺望良好。しかし暑い!

崩壊地キレットをロープ頼りに通過

登山道に立つ巨木ブナ

樹周りを大人2人が手を繋ぐのは難しい太さ

樹の枝上で休憩する猿

私がヤブ道で四苦八苦するのを高みの見物

天狗岳山頂着、西側(白神岳~向白神岳)撮影

天狗岳山頂標識は見当たらなかった(倒れた角材?はあった)

帰り道でのキレット通過

夕暮れの岩木山

夕暮れ迫る道を急ぎつつ眺望

05時15分 白神ライン沿いの空地・発
08時10分 一ツ森駐車帯
10時25分 追良瀬大橋
12時25分 天狗峠(休45分)
16時00分 天狗岳山頂(休15分)
18時45分 天狗峠・着

歩行時間 12時間00分
歩行距離 32km
歩行歩数 72000歩

朝食 梅おにぎり、レタス、きゅうり
昼食 ソイジョイ、ナッツ
夕食 山菜おこわ乾燥米、味付さばパック、カット野菜、甘栗

青森県一周徒歩旅(7日目)ルート

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