血液と体力(持久力)の関係

私が献血を始めたのは30歳代の後半。
T先輩に誘われて初めて献血をした。
それ以来年間5~10回程度献血し続けている。
献血すると自分の血液データが通知される。
過去の血液データの記録も残っている。

血液データで最近気になっている値がある。
平均赤血球容積の値がしばしば基準値オーバー。
基準値を超えたからといって直に病気ではない。
しかし毎回の様に基準超えとなれば原因を知りたい。
平均赤血球容積の基準値は「83~99.5」。
令和3年の献血回数10回のうち5回が基準オーバー。
うち4回が100以上。
令和2年終盤から通算では12回のうち7回基準超え。

ネットで調べると基準超過や未満で貧血の恐れとある。
ビタミンB12や葉酸が欠乏すると赤血球容積が増えやすい。
だが自分では貧血を気にした事はほとんどない。
赤血球容積に関する情報が乏しくよく分からない。
腑に落ちないため検索方法を変え様々調べてみる。
すると興味深い情報に辿り着いた。

赤血球の容積や数は持久力と関係があるらしい。
赤血球は酸素の運搬と二酸化炭素の回収が主な仕事。
このため赤血球が多いほど酸素の運搬も多いと推測される。
逆に言えば赤血球が少ないと酸素不足になり貧血し易い。
ところが持久力の高い人には赤血球の数の減少が見られる。
数が少ない代わりに容積の値が高い傾向が時々見られる。

東海大学が1999~2002年度に追跡調査した報告の要旨。
(要旨)
長距離選手の一部に持久性トレーニングで赤血球容積(MCV)の増大が見られる。
赤血球数(RBC)の高い選手は長期練習後にRBC低下とMCV増加が見られる(個人差有り)。
仮に酸素供給のためMCVだけ増加すれば血液粘度も増加し酸素輸送が悪化する。
身体がMCVとRBCを調整し血液の流れを適正にして酸素供給を安定化させたと推測。
(最後の推測部分は私個人の私見)
※参考「持久性トレーニングによる赤血球容積増加の背景には何があるか

ここで私の血液データの赤血球関係のグラフを掲載する。
[平成17年から令和3年まで129回の献血データ掲載]

1枚目がH17~R3まで129回の赤血球数の推移。
2枚目がH17~R3まで129回の赤血球容積の推移。
一見すると極端な変化はない様に思われる。
ただしよく見ると微妙な変化が感じられる。

赤血球数は中ほどから減少傾向で容積は増加傾向。
もう少し具体的に見てみると、
赤血球数は67、68回目に492、483を記録後は減少傾向。
68回目はH25.2月で自転車旅行出発前の最後の献血。
その後94回目と102回目に過去最低の403、407を記録。
94回目はH30.8月で青森県一周旅の直後。
102回目はR1.6月で逆打四国遍路旅の直後。
更に115回目、R2.9月も低かったのは北海道旅の直後。

一方赤血球容積は73回目に最低値93を記録後は増加傾向。
73回目はH27.4月で百名山登山旅2年目の献血。
赤血球容積の方は旅(運動)と直結の増加傾向は無し。
むしろ赤血球容積が低い値に一定の傾向が見られる。
99、100、107、108、121回目が前後の値と比較し一段低い。
これはH31.2~3、R1.12~R2.1、R3.2と全て冬期。
冬期は積雪や路面凍結等で運動不足の傾向がある。
時々除雪で汗をかくが毎日継続する訳ではない。

今までの分析を再度整理してまとめてみる。
赤血球数は長期旅直後一時的に減少傾向が見られる。
赤血球数は毎年長期旅の繰り返しで微かに低下傾向。
赤血球容積は冬期の運動量減少に連動し減少傾向あり。
赤血球容積は運動有無で結構振れ幅が大きい傾向あり。
赤血球容積の運動継続で長期的に増加傾向が見られる。

ただ赤血球数と容積の増減に明確な連動傾向は見られない。
グラフは様々な見方・捉え方が可能なので断定はできない。
ただ大局的に赤血球数減少と容積増加が反比例すると感じる。

自分自身の身体の変化でも感じる事がある。
自転車旅前と現在を比較した時に呼吸の違いを感じる。
一度に吸う空気量が多くなりその分呼吸回数が減った。
具体的には (想像の範囲で)
以前の呼吸回数が1分に15回だとすると今は10回程度。
回数が減った分は1回に吸う空気量の増加で対応。
ただ自分の感覚の話なので具体的な根拠はない。

赤血球数と容積については東海大学の研究以外にネット情報皆無。
ただ自分の血液データと東海大学の研究結果は類似する。
自分の感覚も運動と血液と酸素(呼吸)は関連深いと感じる。
そして思う事は「継続は力」であり「止めたら元の木阿弥」。
継続運動が身体に表れる様に運動の怠りも身体に表れる。
冬期の運動不足が血液データに表れる事も実感した。

大分以前に山登りしたA先輩の事を思い出す。
山仲間最高齢のA先輩は年齢と共に体力が低下。
当時の山登りでも途中休憩が多くなっていた。
ところがある時の山登りでとても快調に登った。
調子が良い訳を尋ねたら前日も山登りしていたとの事。
身体の山慣れが前日の山登りの疲労を上回ったと思う。
疲れを乗り越え継続すれば身体の強化に繋がると確信した出来事。

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