卵の効果と食品のメリット・デメリット

2月17日放送NHK「あさイチ」で世界的バレリーナの吉田都(50歳)がゆで卵を毎日6個ほど持ち歩き練習後に食べることを習慣にしていると話していた。
専属トレーナーの指導を受け習慣化したとのことで身体の調子も良いらしい。
以前ブログで「卵は一日に1個以内」説は完全否定された事を書いた。
しかし未だに「コレステロール値が高ければ卵は食べない方が良い」と考えている人が多いかもしれない。

自分の総コレステロール値は過去10年の献血データで150~200で基準値内。
このため卵の摂取量は特に気にせず一日0個~1個食べる程度だった。
ところが最近卵は積極的に摂った方が良いという本「卵を食べれば全部良くなる」「医学常識はウソだらけ」に感化され最近数か月は一日1個~2個必ず食べるようにした。
自分は毎年冬期間は必ず手のアカギレに悩まされている。冬以外にも時々発生し軽症なら手の皮が剥けてひび割れが生じ重症なら血が滲む。
それが今年の冬はそれらしい症状が全くない。この数十年経験のない嬉しい出来事。
更に年に数回はある歯磨き時の歯茎の出血や痔の出血もない。
また年に数回行う献血で終了後の止血用絆創膏に付着する血液量も減少した。
卵の摂取量を増やしたら皮膚や血管が丈夫になったのではないかと推測している。
全ての蛋白食品の中で卵の蛋白質が最も優秀でありプロティンスコアが100点満点。
皮膚や血管の修復に欠かせない良質のタンパク質を卵から頂いている可能性がある。
コレステロール値を含め今のところ悪影響症状も無いが今後も経過観察を続けたい。

多くの食べ物には二面性、「良い面と悪い面」「薬と毒」があると思う。
一方的に良い物はなく一方的に悪い物もない。
以前ブログで糖質制限の話を書いたが、糖質(炭水化物)も良い面と悪い面がある。
摂り過ぎてもだめだが摂らな過ぎてもだめで、しかも適正な摂取量は人それぞれ。
何事もバランスが重要でそのバランスは人によりまちまち。
糖質制限の件は後日談を含めて改めて書こうと思う。

食べ物の二面性について考えるキッカケは次の2冊の新書。
「リスクの食べ方」「食べ物のことはからだに訊け!」(共に岩田健太郎著・ちくま新書)
「リスクの食べ方」は食中毒事件をきっかけにレバ刺が禁止になった事例を取り上げ、レバ刺禁止の発端の腸管出血性大腸菌がレバーに由来しない(肉処理の手順に由来する)ためレバ刺禁止は的外れであることが詳細に語られている。
そして感染症治療専門の著者は様々な細菌とそのリスクを語り、細菌と共生する人間にはリスクゼロの社会は不可能であり如何にリスクと向き合うかを考えるべきと語る。
更に本書は巷に溢れる健康情報本や放射能リスクにも言及し、一方的に善し悪しを断定する危険性を論じている。
「食べ物のことはからだに訊け!」は「リスクの食べ方」で触れた健康情報本の独善性を更に掘り下げた本となっている。
岩田医師の主張の要旨は、「健康本」は自らの主張を正当化するため自分に都合の良いデータは過大評価する一方で都合の悪いデータは無視している。健康本にも一理ある点は認めつつも「〇〇は健康に良い」と断定的な書き方をすることは真摯な態度と言えない。人間は千差万別なので最終的には自分自身で食物の効果を確認するのが重要という主旨。
この本では糖質制限のことも取り上げられて疑問点もあるが、別途考えたい。

糖質制限に関する主張を除き岩田医師の主張にはとても共感できた。
・食べ物には効用と共に様々なリスクがあること
・人間は多くの菌と共生し人間も多様なら菌も多様でありリスクゼロは不可能なこと
・最終的には自分の健康は自分が身をもって確かめる必要があること

先述の「医学常識はウソだらけ」では著者三石巌博士が白内障を患い医者に数年で失明と宣告された時、多くの医学文献を調べ白内障にはビタミンCが有効なことを知る。
妻と同じ食生活をしながら自分だけが白内障になった理由は著者の体質がビタミンCを多量に必要だからと推測し、それ以来ビタミンCを大量に摂る生活を始めた。
医者を当てにせず自らの信念でビタミンCの大量注入を続けた結果は、35年間失明せずスキー旅行中の肺炎で95歳の生涯を閉じた。
私自身も過去20年原因不明の筆記障害に悩みコーヒーが原因と突き止めた時に、多くの人が問題なく飲用するコーヒーだが自分の体質に合わないことを身をもって知った。

つくづく健康とは各人で様々なのだと感じさせられる。
では、健康に関する効果や弊害が各人各様ならば健康情報自体が無意味なのだろうか?自分の糖質制限生活や岩田医師の新書の話と共に次回のブログで考えてみたい。

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