1 旅の概要
3日目 7月13日(日)
朝3時起床後に軽体操、朝食、荷物整理。
朝5時前に小屋を出発する。
大鳥池畔歩きから左の登山道に入る。
天気は少し雲もあるが快晴に近い。
以東岳山頂もよく見えるが時々雲が隠す。
前半は少し急坂の樹林帯が続く。
ただ早朝で割に涼しく疲労感は少ない。
8年前には朝8時頃登り結構キツかった。
天候や時間帯で疲労感に差が出ると感じる。
標高1300m辺りで樹林帯を抜け眺望が開ける。
眺望が開けるとヒメサユリやニッコウキスゲ。
以東岳山頂に近づくにつれ風の強さが増す。
小屋を出発して約3時間半で以東岳山頂に着。
山頂到着時は誰もいなかったがその後2人到着。
私は20分余軽食休憩後に以東岳を出発する。
良好眺望と良風による良好体感温度を満喫する。
以東岳下り道では軽快に登る男性とすれ違う。
軽ザック姿のため何処から来たか不思議に思う。
以東岳から2時間余歩いて狐穴小屋に到着する。
水量の多い水場があり日陰に隠れ小休憩する。
するとトレラン姿の男性が小屋に到着した。
私が男性に「どちらからですか?」と尋ねる。
男性は「日暮沢から以東までの戻り道」と答える。
その時に私はようやく気付いた。
私「以東から下っていた時に会った人ですね」
男性「そういえばすれ違った人がいましたね」
私の倍以上の速度に驚嘆と感服の意を伝える。
竜門まではガスで視界不良だったと男性は言う。
途中で今日は以東は中止するか考えたらしい。
しかし徐々に霧が薄れて進む事にしたと言う。
私は以東岳方面はガスは少なかった事を話す。
場所が少し離れると天気も違う事を実感する。
男性は先に出発し私はエールを送り見送る。
私は狐穴小屋で休憩中に靴の異変に気付いた。
靴側面のカバーが剥がれかけていた。
靴は徒歩旅用に6年前に中古品をネット購入した。
だがコロナ等で本格徒歩旅は控える事にした。
久々に靴を見た時に靴底の変色には気付いた。
だが多分大丈夫と安易に考え今旅に利用した。
旅出発前に感じた一抹不安は遂に現実化した。
これ以上破損拡大しない事を願い小屋を出発。
だが願望も空しく2時間弱歩くと靴底剥離発生。
このままの靴底で山旅を続けるのは厳しい。
幸い今旅では紐類と布テープを偶然持参した。
紐と布テープで靴と靴底を応急固定し歩き出す。
最初は不安だったが何とか持ち堪え歩き続けた。
歩きながら改めて朝日岳が鬼門との思いを抱く。
8年前の朝日~祝瓶間での水不足は最悪の事態。
加えて8年前は以東岳でザック破損も発生した。
更に昨年は以東へ進む途中でメガネを紛失した。
そして今年の靴破損と朝日では必ず何か起きる。
ただ靴の応急補修後はトラブルなく歩き続けた。
竜門小屋では水を補給し10分余軽食休憩する。
朝日小屋手前の金玉水では水を約5L補給する。
水5Lで今夜から明日下山までの水を賄う予定。
宿泊地朝日小屋には予定1時間遅れの17時半着。
この小屋は休日には大混雑する事があると聞く。
この日は日曜日で不安だったが約10人の宿泊者。
休日最終日のためか宿泊者は少なく快適な人数。
最大心配事は明日の徒歩で靴が耐えられるか?
やはり補強が必要と考え小屋で補強に取り掛かる。
しかし紐はあるが布テープが無い事に気付く。
山中で靴補修した際布テープを忘れた可能性大。
山小屋主人に事情を話し布テープを分けて貰う。
同宿登山者からは結束バンド提供申し出を受けた。
ただ私は現状処置で大丈夫と判断し申し出を辞退。
結束バンドだとバンドと靴に隙間が生じ易い。
隙間に枝等が挟まると歩行転倒の可能性が高まる。
後は明日どうなるか試してみるしかない。
4日目 7月14日(月)
朝起床して窓の外を見るとガスで視界不良。
朝支度を終えて小屋の出発は5時15分。
小屋を出ると一面ガスで視界不良。
ただ幾ら視界不良でも天候改善を待つ余裕はない。
この日の歩行予定時間は10時間超で余裕はない。
15分歩いて大朝日岳山頂に着く。
やはり山頂も一面霧に覆われて展望は皆無。
山頂に5分ほど居ても変化は起きず諦めて先に進む。
昨日靴底を補強した左足靴は悪化せず耐えていた。
だが今度は未だ無事だった右足靴の底が剥がれた。
昨日のうちに右足靴を補強しなかった事を悔やむ。
今日は布テープ無しのため紐だけの補修になる。
布テープ無しは心細いが何とか応急措置し歩行再開。
山頂から少し下った先では若干ルートを外れた。
視界不良に加え眼鏡も曇るため道の見え難さが増す。
更に大玉山への登り坂道で道が分かり難くなった。
大雪等で土砂崩落による土砂や小枝が散乱している。
更には縦走路中には所々急斜面を横切る所がある。
場所によっては草や枝を頼りに掴まりつつ横断する。
道は毎年手入れされるが範囲が広く手薄も止む無し。
大玉山を下り鞍部の赤鼻を越えると祝瓶山登坂突入。
祝瓶山への登り途中で本日最大の休憩をとる。
大朝日の標高1800に比べ祝瓶の標高1350は相当低い。
だが祝瓶山手前鞍部赤鼻の標高990までは大下り道。
大朝日から赤鼻まで一端800m下った後に400m弱登る。
疲れた身体にとって400mの一気急登は相当キツい。
この時点で持参水は2L以上あり十分に給水する。
給水軽食休憩後は祝瓶山へ一気に登り13時過ぎ着。
午前中祝瓶山頂は一時見えていたが登頂時は一面霧。
昨日狐穴で有ったトレラン男性の体験談を思い出す。
近隣エリアでも少し離れると視界も一変すると実感。
祝瓶山頂も早々に切り上げて一路予約宿を目指す。
今日も靴底剥離などで予定時間に遅れが出ている。
下山道途中では靴補修紐に枝が挟まり小転倒する。
一度小休憩し靴補強や軽食給水し下山再開する。
祝瓶山頂から下山口・沢水場に2時間強で到着する。
冷えた沢水を飲水後ザックの水筒水の大半を捨てる。
後はほぼ平坦な道を2時間強歩き予約した民宿に着。
1時間以上予定遅れの民宿到着で手早く手続きする。
手短に入浴を済ませ19時過ぎに夕食にありつく。
応急補修補強した両靴は民宿まで何とか形を保った。
だが更には耐えられないため旅は中断するしかない。
夕食後に急遽帰宅のスケジュールを検討した。
5日目 7月15日(火)
短時間で帰宅するなら福島市経由での移動が良い。
ただ新幹線の高額を避けて安価な日本海移動を選択。
五味沢~小国~酒田~秋田~青森で夜に青森に着く。
旅を中断し帰宅する時は振り返り反省の時間も必要。
だが実際は途中混雑の時間帯もあり完全休息は無理。
17時半に秋田で乗換の時には帰宅ラッシュ真っ只中。
満員電車の中で20分ほど立ち席が続いた。
自宅到着は21時を過ぎて即席麺を食べ就寝した。
2 時間経過
【3日目】
04:54 大鳥小屋
07:19 オツボ峰
08:25 以東岳 (22分)
10:11 中先峰
10:53 狐穴小屋 (20分)
11:27 三方境
11:42 北寒江山
12:10 寒江山 (8分)
12:34 南寒江山
12:45 靴修理作業(25分)
13:50 竜門山避難小屋(12分)
14:23 竜門山
15:29 西朝日岳
16:31 中岳
16:46 金玉水 (22分)
17:25 大朝日岳山頂避難小屋
歩行時間10:30(休110分除) 歩行距離22km
【4日目】
05:10 大朝日岳山頂避難小屋
05:25 大朝日岳 (7分)
06:57 平岩山
07:20 平岩山水場
07:40 靴修理作業 (20分)
08:19 北大玉山
10:03 大玉山
11:36 赤鼻
12:10 軽食休憩 (25分)
13:17 鈴振尾根分岐
13:24 祝瓶山 (6分)
13:38 鈴振尾根分岐 (4分)
14:01 一の塔
14:45 軽食休憩 (15分)
15:43 祝瓶山登山道分岐 (12分)
16:10 大石橋
16:15 針生平登山口
18:21 民宿さいとう
歩行時間11:20(休100分除) 歩行距離30km
【5日目】
09:08 五味沢(出戸)・発(バス)-9:55 アスモ・着
12:18 小国駅・発(代行バス) -13:06 坂町・着
13:19 坂町駅・発(特いなほ)-14:50 酒田・着
15:35 酒田駅・発(普通列車)-17:25 秋田・着
17:30 秋田駅・発(普通列車)-20:41 青森・着
20:48 青森駅・発(バス)-21:20 自宅・着
3 旅の写真
[3日目]大鳥池沿いを進む

オツボルートへ左折

朝日が差す以東岳を眺望

ガクウラジロヨウラク

ヒメサユリ

キンコウカ

以東岳バックに咲くニッコウキスゲ

水場

オオバギボウシ、ニッコウキスゲ

オツボ峰

シロバナニガナ

ヒメサユリ

ハクサンシャクナゲ

登山開始3時間半で以東山頂着。眼下に大鳥池

以東岳からの縦走ルート眺望

ハクサンイチゲ

中央の最奥に大朝日を眺望

エンゴサク?

小花群生

ハクサンイチゲ

ヒメサユリ

中先鋒

ヒナウスユキソウ

ハクサンシャクナゲ

狐穴小屋で休憩中にトレラン男性到着

休憩中に靴の破損に気付く

ハクサンフウロ

寒江山~朝日岳~祝瓶山縦走路眺望

寒江山から今後の朝日岳~祝瓶山ルート眺望

以東岳から寒江山まで歩いて来た道を眺望

イブキトラノオ群落

靴底が剥離し応急処置し歩行続行

竜門小屋までもう少し

竜門小屋前の水場で水調達

ハクサンシャクナゲ

ニッコウキスゲ

西朝日岳から大朝日眺望

この日唯一のコバイケイソウの花

ヒメサユリの群生

朝日小屋と背後の大朝日。手前に雪渓水場

水場で飲用水を約5L調達

朝日小屋に到着

[4日目]早朝に霧の中を登山出発

霧の中の大朝日岳山頂

ヒナウスユキソウ

ハクサンイチゲ

数十メートル先が霞む

水場を通過

両方の靴底が剥離し応急措置

靴底溝に紐を沿わせたが効果薄

北大玉山から大玉山へ

大玉山への道

祝瓶山まで長い道のり

大玉山から祝瓶山への道

祝瓶山への辛い登坂道

祝瓶山眺望最終写真~この後ガス視界不良

祝瓶山への最後の稜線歩き

祝瓶山山頂到着

一の塔から見下ろす下界景色

長い下り終着地の沢水場で飲水休憩

大石橋を渡る

大石橋から約10km歩き民宿さいとう到着

民宿の夕食(写真+白米と蕎麦)

[5日目]民宿の朝食

4 徒歩旅ルート図(朝日屋~五味沢)
コメント
ご苦労さんでした。2度あることは3度あるというとおりになってしまいしたね。帰りのルートの一例、仙台まで出て、高速バス利用で青森までで9千円ちょっとです。バスだと必ず座れます。路線情報で検索してみました、どちらが安いかな?
との 様、コメントありがとうございます。
全く見事に諺どおりの体験をする事になりました。
帰りルートの高速バス利用は全く思いも付かない死角でした。
仙台~青森間の高速バスの本数次第ですが料金も安いと思われ魅力的ルートと思います。
ただ五味沢~小国のバスが1日数本(5~6本?)で小国の先も余り多くない本数だった気がして接続具合が少し気になります。
高速バスは徒歩旅などで東京~青森間で2回ほど、仙台~青森間で1~2回利用した様に記憶していますが接続が上手くいけばとても便利で楽だと思います。
もし次の機会(?)があれば検討候補に加える事を忘れない様にしたいです。
ちなみに小国駅~青森駅までのバス・JR料金合計は8970円でした。
こんな感じです。310円高いです。
07:17発 出戸・北部線(徳網−幸町−病院前)病院前200円 07:55着
役場前07:58着09:54発 高速バス・新潟交通・Zao号山形駅前行
3駅1,880円11:06着11:20発高速バス・宮城交通・仙台−上山線
県庁・市役所前行9駅1,400円12:58着14:50発仙台駅前ブルーシティー号
青森駅前行 西口・高速バスセンター40のりば → [着] 東口8おりば
3駅5,800円19:40着 計9,280円
との 様、コメントありがとうございます。
接続と料金を調べてお知らせいただきありがとうございます。
私の方の料金計算は出戸~小国の200円を含まず小国~青森分なので200円を加算すればほぼ同じ料金と言えそうです。
私は出戸~小国間の料金を知らずにバスに乗って降車の際に料金を知りビックリしました。20km・40分ぐらい乗ったバス料金が余りに格安で思わず運転手さんに確認しました。
採算度外視の地域維持するための料金設定と感じました。
調べていただいた時間を見ると小国や仙台で各2時間弱の待ち時間が発生する様ですね。
私が利用した経路でも小国で2時間強、酒田で40分余の待ち時間がありました。一方で坂町では10分余、秋田では5分しか乗換の猶予時間が無く遅れが生じると乗継ぎ失敗になります。特に小国~坂町間はJR代行バスで途中工事のため片側交互通行箇所があり時間に遅れないかとヒヤヒヤしました。
秋田の乗換えの時は同一ホームでしたので焦らず乗換えできました。