日本アルプス縦走3日目(立山・越中沢岳)

9月1日(金)
天気 晴のち霧

朝の3時には目が覚める。
昨日は予定よりも遅れた。今日も同じく遅れそう。
なるべく早めに出発しようと朝食と後片付け、テント撤収を急ぐ。
夜明け直前の5時少し前の薄暗い中を出発。
管理所前の塩素入り水と少し離れた塩素無しの水の両方を調達。

今日の朝は快晴。
別山・剣御前の分岐の辺りで朝日が山の一部に差し込み始める。
剱岳が少しずつ朝の光を浴び始め、神々しく輝き出す。
縦走は刻一刻と山並みが変化して自然の雄大さを味わえる。

別山頂上から大汝山にかけてなだらかな稜線を進む。
大汝山の手前からは登りが加わるが僅かな頑張りで山頂に着く。
大汝山からは360度絶景の眺め。
剱岳は勿論、後立山連峰(白馬~鹿島槍)、槍穂高、笠、薬師。
低山が雲海に隠れ気味になるため高峰がより一層際立つ。
その後、立山・雄山でも再度眺望を堪能。

名残り惜しい眺望をアトに一の越山荘に向け下山。
下山途中で一の越山荘に荷物運搬中のヘリを眺める。
更に下山すると高齢の夫婦が登山道を塞いで座りヘリを撮影中。
少し待ったが夫婦が動く気配はない。
「登山道を塞いでます。落石の怖れもあり危険です。」
少し怒気を込めて注意する。
高齢夫婦はノロノロと道脇に身体を移動した。

高齢者になりつつある自分も含め身勝手な高齢者が増えていると思う。
先日は青信号の横断歩道を渡る直前で高齢ドライバーが目前を左折した。
「高齢者の尊重」と言う前に「尊重される高齢者」になりたい。
自戒を込めて自分の行動を見直すことが必要だと感じるが…

一の越山荘までの区間は早朝にも関わらず20人ほどとすれ違う。
一の越山荘、龍王岳中腹、鬼岳中腹、獅子岳山頂と通過する。
獅子岳からは五色ヶ原を一望。その手前には急傾斜が待ち構えている。
獅子岳から急斜面を約400m下り歴史に名高いザラ峠に達する。
ザラ峠は佐々成政や前田利常などの武将・大名が関わった場所。
そこから今度は150mほど登り返すと五色ヶ原に着く。
この辺りでは雲の平と並ぶ広大景色の高層湿原の台地。
五色ヶ原山荘前で10分ほど昼食休憩。この時点で疲労感が5割。
五色ヶ原までは単独女性2人を含めて7人ほどとすれ違う。

最近は、若い女性や多少年配女性の単独登山者にも時々出会う。
五色ヶ原では6人ほどのグループが休憩中。以降は5人ほどすれ違う。
五色ヶ原からはなだらかな鳶山を越えた後、越中乗越まで260m急下り。
その後230m余を登り返して越中沢岳に到達。

越中沢岳後は急傾斜の下り後に登り返しを2度繰り返しスゴ乗越小屋着。
午後から雲が増え出してスゴ乗越小屋到着時は曇からガス気味となる。
スゴ乗越小屋では玄関前に水場がありチップがお願いされる。
推測だが、チップは水場の塩素消毒の費用かなと思う。
チップ100円を入れ2割程残っていた水袋計3Lを満水にする。

テント設営、夕食準備、夕食を済ませて20時前には就寝。
ガス気味から微かに小雨模様に変わる。
2000m超高度の山中で床に就いても何故か蒸し暑く感じる。
天気の影響だろうと思うが、寝苦しくてなかなか寝付けない。
そして夜中に異変が起きた。

夜明け前の剣沢キャンプ場
夜明け前の剣沢キャンプ場

夜明け直前の剱岳
夜明け直前の剱岳

朝日に輝き出した剱岳
朝日に輝き出した剱岳

大汝山縦走路から室堂、雷鳥沢、富山市内遠望
大汝山縦走路から室堂、雷鳥沢、富山市内遠望

大汝山山頂から後立山眺望(右から鹿島槍、五竜等)
大汝山山頂から後立山眺望(右から鹿島槍、五竜等)

雄山から南方面眺望(右奥から薬師、黒五、笠、槍等)
雄山から南方面眺望(右奥から薬師、黒五、笠、槍等)

一の越山荘へヘリが荷下ろし中
一の越山荘にヘリが荷下ろし中

五色ヶ原、薬師岳、遠く槍に向かう縦走路を眺望
五色ヶ原、薬師、遠く槍に続く縦走路眺望

獅子岳から五色ヶ原へ急下りと越中沢・薬師へ縦走路
獅子岳から五色ヶ原への急下りと越中沢、薬師への縦走路

ミヤマリンドウ(?)
ミヤマリンドウ(?)

五色ヶ原山荘と更に続く縦走路
五色ヶ原山荘とさらに続く縦走路

スゴ乗越小屋
スゴ乗越小屋

04:55 剣沢キャンプ場・発
08:00 立山・大汝山(10分休憩)
09:00 一の越山荘
11:05 獅子岳
11:55 ザラ峠
12:35 五色ヶ原(10分休憩)
14:50 越中沢岳(10分休憩)
17:30 スゴ乗越小屋・着
歩行時間 11時間50分
歩行距離 18km

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