青森県一周徒歩旅(19日目)~川内

H30年7月26日(木)
天気 晴れ
気温 最高30℃ぐらい、暑い

就寝中の深夜には来訪車も来訪熊もなかった。
登山口は車道に面しているが夜間に通過した車は3台程。
山奥の静かな環境の中で安眠できた。
3時半に起床し4時に軽く朝食を摂る。
テントを確認すると朝露に濡れている。
できるだけテントの濡れを拭き取ってから収納する。

5時20分に出発。出発時の気温は18℃ぐらいで快適。
出発後は野平集落の交差点までほぼ緩い下り道。
野平交差点まで約4.5kmを52分で歩く。時速約5km。
とても快調に進む。

野平から先の今日の予定は2つの案を考えていた。
第一案は「野平~(県道253)~道の駅かわうち湖~川内町」
第二案は「野平~(国道338)~道の駅脇野沢~川内町」
第二案は第一案に比べて距離17km、歩行時間4時間ほど長い。
このため当初は楽なルートの第一案で決定と考えていた。
しかし第二案は母の生れ故郷の脇野沢を通るルート。
また第一案は車で数回通ったが第二案は一度も通行経験なし。
第二案は体力が必要だが自分にとって魅力のあるルート。

そこで出発から野平までの歩行次第で第二案も選択肢とした。
そして野平に着いた時点の自分の身体の状態は良好。
今の状態なら何とか大丈夫だろうと判断し第二案に変更する。

野平~脇野沢間は最初に標高差200mの上り坂がある。
上り坂はキツかったが約8kmを2時間で最高点に到達し結構順調。
その後は下り坂になるが一時的に上り返す道が現れる。
丁度その時除草作業中の大変親切な業者の人と出会う。
彼「お疲れ様。もう少し歩けばその先はズッと下り道になる」
彼「暑くて大変だろう。水は要らないかい?分けてあげるよ」

実は私の水筒の中身は残りが100ccほどで心細い状態だった。
少し手前の公衆トイレでは水が飲用不可でガッカリしていた。
それでもこの先下り坂ならそれほど汗はかかないだろう。
私は業者の人の親切に心から感謝を示しつつ大丈夫と遠慮した。
人影少ない山奥で見ず知らずの人の恩情は大きなパワーとなる。
水筒の残り水が少ない不安は消え去り下りの坂道を順調に進む。

水筒の水については昨日からの経緯がある。
昨日の昼過ぎ「ぬいどう食堂」に着いた時は喉がカラカラだった。
女将の言葉「麦茶を沢山飲んで」もあって麦茶は1Lほど飲んだ。
みそ汁もお替わりを頂いた。結構十分に水分補給したと感じた。
更に女将から「水筒にも水を入れてあげるよ」と私の心を見透かす。
女将から言われなくても水を貰う予定だったが先に言われた。
店内で沢山飲水し満足したため水筒には半分量の水を貰った。
2.6Lの水筒に半分量の1.3L貰った。貰い過ぎても荷重が増す。
貰った時は十分と思っていたがその後登山口まで長い上り道。
更に登山口から縫道石山山頂まで急登。
縫道石山を往復登山して登山口に戻った時点で水は半分減った。
更に夕食時と朝食時の飲水で今朝の出発時は水残量200ccほど。
この他紙パックの野菜ジュース200cc。
幸い朝の気温はまだ高くなく発汗も多くなく体調は良好。

登山口から約5時間半で道の駅わきのさわに到着。
前半の約3時間は1時間に1台車とすれ違う程度の交通量。
山奥の平日の早朝という事で車ストレスを感じない快適歩行。
後半になると車の通行量は増えたがそれでも少ない。
国道338号は道幅も結構広く後半は緩く長い快適な下り道。
疲労感は余り感じずに道の駅わきのさわに到着できた。

道の駅わきのさわ到着後は真っ先に水飲み場で水ガブ飲み。
その次には「野猿公苑」に向かう。
脇野沢は世界最北限のサル生息地。
野猿公苑では檻の中の猿を眺めながら管理人さんから話を聞く。
来訪者は自然環境の猿を期待して来るるため檻の猿にガッカリ。
自然環境の猿を見られないかと尋ねられるが野生猿は神出鬼没。
野猿公苑内で見られるのは檻の猿だけと説明するしかない。
檻の猿は毎年10匹前後の赤ちゃんが誕生するが生き残るのは2~3匹。
昨年は14匹誕生して今年まで生き延びたのは3匹。
赤ちゃんの時は毛が少なく雪で体温が奪われる事が多いらしい。
生存競争の厳しさを改めて知らされた。

野猿公苑の後で道の駅に立ち寄る。
土産物コーナーでは脇野沢名物の鱈を使った干し鱈など販売。
荷物を増やせないのでソフトとワインケーキを買って直ぐ食べる。
道の駅まで計画以上に順調に歩行できたため思わず長居してしまった。
道の駅出発後は脇野沢村の親戚の家2軒に予告無しに立ち寄る。
変貌を遂げた私の姿を最初に見た従兄からは不審者扱いされる。
従兄「自動車があるのに何でわざわざ歩いて旅するの?」
私「歩いて旅すれば車の旅では分からない物に出会える」
従兄の家でも冷えた水をご馳走になり礼を述べて先を急ぐ。

道の駅まで快調速度で進んで来たが寄り道で貯金した時間を使い切る。
13時時点でアト28kmほど時速4kmで7時間分の距離が残っている。
昼前から暑さを感じて来て発汗も増え出している。
それでも体力は大丈夫そう。また道も平坦な道が続き歩き易い。
途中の日陰や小川で休憩や水浴びで体力回復を図りながら黙々と歩く。

15時半頃に道で落とし物を拾う。ハンディ計測機器の様だ。
業務用らしいシールが貼られていて落とした人は相当困っているかも?
仕方がない。この先に現れる交番に届けるか…
今日は徒歩距離が未だ相当あり交番で手続きする時間が負担に感じる。
最も近い交番は川内町の中心地にある川内駐在所。
16時50分に川内駐在所に着く。お巡りさんは外出中で不在。
申し訳ないが「これ幸い」とポストの上に拾得物を載せて立ち去る。

次に直ぐそばのスーパーに立ち寄り今日と明日の食料を調達。
その後更に約7km1時間半歩き梅ノ木海岸着。野宿予定地までアト2km弱。
19時を過ぎて夕陽は沈む。薄暗い中の道歩きは車に不安を感じる。
梅ノ木海岸は野宿向きだ。残りの距離は明日頑張ろう。
早速テントを張り、海岸で満月を眺めながら夕食を摂る。
野宿予定地の手前だが満月を見ながら予定よりも良い野宿場所と思えた。

登山口で野宿した朝

朝霞の野平交差点方向を眺望

野平交差点を通過

脇野沢に向かう

牛が私を見つめる

右手背後に縫道石山

ゆとりの駐車帯のトイレ

残念ながら「飲用不可」

除草作業中の人に出会う

水を分けるとの親切な言葉に感謝

海峡ラインの豪快なカーブ道

見晴らしが良く気持ち良い下り道

道の駅わきのさわ

野猿公苑で解説してくれた管理人さん

世界最北限のサル生息地

赤ちゃん猿は来年まで生き延びられるだろうか?

脇野沢特産品コーナー

脇野沢の「鯛島」と「愛宕山」

左端に鯛島、右端に愛宕山

気持ち良い海岸線を歩く

陸奥湾の向こうに見える山々

(多分) 左端に大尽山、右端に釜臥山

拾得物を川内交番に届ける

お巡りさん不在のため郵便ポストの上に置いた

徐々に暗くなる農道を車に注意して歩く

梅ノ木海岸で野宿

満月を眺めながら夕食。良い野宿場所に出会えた

05時20分 縫道石山登山口・発
06時10分 野平交差点
10時50分 野猿公苑 ~
     道の駅脇野沢(50分)
12時20分 脇野沢親戚宅(20分)
16時55分 マエダストア川内店(50分)
19時10分 川内梅ノ木海岸・着

歩行時間 11時間30分
歩行距離 54km
歩行歩数 89000歩

朝食 玉子がゆ、魚唐揚げ、ミートボール
昼食 ソイジョイ、ナッツ
夕食 具沢山ちらし寿司、マカロニサラダ、うの花、厚焼玉子

青森県一周徒歩旅(19日目)ルート

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コメント

  1. との より:

    現職中、サルには苦労しました。

    • takenamik1 より:

      「脇野沢のサル」、
      昔は作物を荒らす迷惑動物との住民意識が強かった様に記憶してます。
      今は、貴重な観光資源との意識も増えているのかしら?
      それとも迷惑派がやはり多数派かしら?