四国遍路旅 26日目 R4.6.9 (香川 76~80)

四国遍路旅 26日目

令和4年6月9日(木) 善通寺弘田~国分
天気 晴 気温 17~28℃

1.旅の時間経過・距離

04時45分 起床
07時10分 遍路民宿鶴吉・発
07時50分 76番・金倉寺  (20分)
09時00分 77番・道隆寺  (25分)
11時00分 78番・郷照寺  (20分)
11時40分 マルナカ宇多津(買い物70分)
13時52分 79番・天皇寺  (15分)
15時33分 80番・国分寺  (30分)
16時25分 幸福黄色ハンカチ・着

歩行距離 30km
歩行時間 6時間15分(休180分除く)
[上り標高計250m/下り標高計200m]

2.遍路道の概要

遍路旅の全期間中で今日が最も平坦かと思われる。
(以前に別の区間を平坦と記述したかしら?)
この日の最高標高は國分寺までの上り坂50m余。
それまでは高くても標高20mほどの登り下りのみ。
またほとんど全てが舗装道の歩行。

3.出来事や感想

昨日は計画以上に進んだため今日は少し余裕。
宿のボリューム朝食を頂き出発が7時10分。
朝のトイレで時間を要し出発は客3人の最後。
民宿の主人に見送りされて元気に宿を発つ。
出発時は朝の通勤通学時間帯で自転車の人が多い。

76番・金倉寺、77番・道隆寺、78番・郷照寺は町中の寺。
ほぼ平坦な道歩きなので足腰の負担は少ない。
ただ路地の中を進むため遍路矢印に注意し歩く。
所々で勘違いして引き返したりしてしまった。

郷照寺の先で古民家から女性が現れお接待の勧誘。
民家先の通路に席を設けてお茶とお菓子の提供。
先客のお遍路男性と2人でお接待を頂戴する。
コロナ禍でお接待には余り出会わないと私が話す。
女性は気を付けてお接待すれば問題ないと話す。
高知の民宿ではコロナに対しとても神経質だった。
昨日の香川の民宿は過敏でなく適度に気遣う印象。
そして今日のお接待でも神経質過ぎない印象。
その土地や人によってコロナ対応には差がある。

郷照寺の後の昼前にスーパーで食料調達する。
丁度その時に散歩中の初老夫婦と遭遇する。
私が少し進路を悩んでいたら夫婦の方から声掛け。
スーパーを目指す事を伝えると夫婦も同方向との事。
夫婦と少し距離を置いてスーパーまで同行した。
予想外に大きなスーパーで売り場探しに一苦労。
買い物と食事で合わせて70分も滞在してしまう。
昨日頑張り歩いた時間の貯金が大きく目減りする。
79番・天皇寺到着は当初計画より少し早い程度。

次に向かう寺は当初計画では81番・白峰寺。
本来は79番の次は80番・国分寺に向かうのが一般的。
しかし以前読んだ本で81への道が絶景とあった。
このため前2回の遍路は何れも79~81と歩いた。

今回の遍路では他に2箇所で順番と違う計画を立案。
44大寶寺と45岩屋寺、72曼荼羅寺と73出釈迦寺。
当初は何れも逆順で計画したが実際は順番通り参拝。
残る79-80も順番通り参拝すれば全寺順番通り廻る。
このため急遽当初計画を変え79-80と進む事にする。
しかし時間がどの程度かかるか全く調べていない。
ただ後1寺で今日は終りなので支障ないだろう。

80番・国分寺到着が15時半。
納経後に一服して歩行開始が16時。
当初の野宿予定地までの予想所要時間は約2時間。
但し1日の最終盤に山への坂道を登る必要がある。
相当疲労状態での登り道は流石にキツい。
どこか途中で適当な野宿地が無いか探しつつ歩く。
20分ほど歩いた時「幸福の黄色いハンカチ」の大文字。

何だろうと思いつつも一度素通りした。
他人の敷地内の施設なので安易な立入りは憚られる。
しかし直前にお遍路小屋設置予定の掲示板もあった。
もしかするとお遍路に配慮した施設かもしれない。
恐る恐る「幸福の黄色いハンカチ」小屋に近寄った。
小屋の中にはボランティア活動へのお礼等が掲示。
野宿もできそうと思い隣接の住宅に尋ねようとする。

玄関のベルを押し、ごめん下さいと呼び掛ける。
ところが一向に反応がない。
一端小屋に腰を下ろし誰か来たら了解を貰う事にする。
小屋内で食事をしていると若い男性がやってきた。
若者に事情を伝えると主人に取り次ぐためスマホ電話。
間もなく主人がやって来て野宿を快諾してくれた。
主人はNPO法人地域縁結びネットワーク理事長・武田孝夫さん。
隣接の住宅に居たのだが昼寝?中だったらしい。

武田さん自身も既に7回ほどお遍路したとの事。
お遍路では様々な困難に遭ったが人々に助けられた。
そのため今は人との縁を大切に様々活動しているとの事。
一端戻った武田さんからお握りと漬物の差入れを頂く。
野宿の場所と水を貰うだけでも有り難いのに恐縮した。
そして自宅のトイレも何時でも使って良いとの言葉。
とても有り難い言葉にただただ何度も頭を下げた。

武田さんが戻った後で連絡仲介してくれた若者と話す。
武田さんは自宅の庭を地域の自由活動に提供している。
若者は庭で作物を育て子供達と生育や収穫の体験活動。
その他にも2~3人が入れ替わり来て野菜栽培等をする。
若者からも武田さんのお遍路支援の話を聞く。
私と同様にお遍路で何人かここを訪問したらしい。
来た人は快く受け入れているとの事。
ただお遍路の受入れ施設が不十分なためPRはしてない。

若者は「自分も遍路に興味があるが未経験」と話す。
そして若者の知り合い老人が外国遍路に行った話をした。
外国遍路とは「スペイン・サンディアゴ巡礼旅」の事。
その老人は外国旅行未経験だったがTVで見て触発された。
外国語は話せずとも無事旅行を終え心底良かったと話す。
外国語ができなくても身振り手振りで何とかなった。
四国遍路も経験したがスペインはまた行きたいと言う。
私自身もその話を聞いて旅心を触発されてしまった。
そのうち(10年ぐらい先に?)旅に行くかもしれない?

とても良い野宿地の出会いに感謝して一夜を過ごした。

4.写真記録

JR金倉寺駅で電車通過

76番・金倉寺の山門

金倉寺では近隣住民が朝の太極拳体操?

76番・金倉寺の本堂

耕運機の後ろでサギが佇む?

77番・道隆寺の山門

77番・道隆寺の本堂

道隆寺の賽銭箱に出川哲朗充電旅ロケ記事

丸亀城を横目に歩行

土師川と飯野山(讃岐富士)

丸亀市から宇多津町へ

78番・郷照寺へ

78番・郷照寺大師堂の彫刻絵天井

美しい彫刻絵

マルナカ宇多津店に立ち寄る

散歩の夫婦にお礼

田尾坂公園

当初計画時はここも野宿候補地

昔は賑わっただろうアーケード商店街

スーパー・イオン坂出店

マルナカの先にもスーパーが…

79番・天皇寺の本堂(右)と大師堂(左)

天皇寺の隣には白峰宮(崇徳天皇由来の神社)

様々な歴史の流れがあったらしい

鴨川新橋を渡り対岸の道へ

特別史跡・讃岐國分寺跡

80番・国分寺の山門

80番・国分寺の本堂

大師堂兼納経所の通路

大師堂と納経所と売店とが一緒

81番・白峰寺に向かう道を進む

幸福の黄色いハンカチ小屋

野宿場提供とお握り差入れに大感謝!

5.ルート図

四国遍路旅 26日目ルート図(Google Map)

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