登山歩行記録のGPSデータ分析について

登山データの分析作業に時間を取られ、久々のブログ掲載です。 (^^;

登山歩行記録にはiPhoneアプリ「フィールドアクセス」を使っている。
使用目的の第一は、登山時のルート確認用。
このアプリがなければ日本百名山制覇はできなかっただろう。
使用目的の第二は、ブログへのルート地図掲載用。
ルートラボと連携してブログに掲載でき、良い仕組みだと感じる。
そして今回、第三の目的として登山データ分析を試みた。

【分析方法について】
先ず、歩行のGPS記録をパソコンのエクセルデータとして取り込む。
次に、データ分析し易いように日付、時刻、緯度経度等に分解する。
最後に、登り・下りの速度や休憩時間等のデータを求める。
これにより、その日の登山ペースの概要が分かる。
具体的な例として、百名山登山のトリ・槍ヶ岳の日のデータを解説。

H28.8.5 槍ヶ岳登頂日のエクセル分析データ

時 刻 時間差 高 度 高度差 距離 距離差 時速 備考
04:47 00:00 2546 双六
05:49 01:01 2655 109 2151 2151 2.1?
07:16 01:26 2632 -23 5548 3397 2.3? 休憩
07:24 00:08 2640 8 5628 80 0.6?
09:02 01:37 3082 442 8134 2506 1.5? 槍荘
09:07 00:05 3084 2 8181 47 0.6? 休憩
09:33 00:25 3184 100 8639 458 1.1? 槍頂
09:56 00:23 3190 6 8805 167 0.4? 休憩
10:11 00:15 3087 -103 9151 345 1.4?
10:17 00:05 3088 1 9158 7 0.1?
10:53 00:35 2879 -209 10622 1464 2.5? 大槍
11:00 00:07 2878 -1 10632 10 0.1? 休憩
12:01 01:01 2483 -395 13086 2454 2.4?
12:47 00:46 2592 109 14346 1260 1.6?
12:54 00:07 2605 13 14373 27 0.2?
13:10 00:15 2681 76 14746 373 1.4? 西荘
13:25 00:14 2681 0 14855 109 0.5? 休憩
14:48 01:23 2599 -82 18289 3435 2.5?
16:14 01:25 2892 293 21017 2727 1.9? 大天

※ 距離や高度データ等には誤差がある。(次回ブログで解説予定)

【エクセル分析データの解説】
4時47分に双六小屋を出発。
7時16分までの約2時間半で西鎌尾根中間辺りまで時速2km強で歩行。
8分休憩後、約1時間半かけ槍ヶ岳山荘まで高度差442mを時速1.5kmで登る。
槍ヶ岳山荘前で、約5分休憩。
9時07分に山荘前を発ち約25分で高度差100mを登り槍ヶ岳山頂に到着。
槍ヶ岳山頂で、約25分休憩し、9時56分に下山。
登り時速1.1km、下り時速1.4kmで、10時11分に山荘着。5分休憩。
10時17分出発し、時速2.5kmで歩き35分でヒュッテ大槍に到着。
7分休憩後、11時に出発。東鎌尾根を進む。時速2.4~1.4kmペース。
13時10分にヒュッテ西岳に着。15分休憩。
その後、時速2.5km(緩い下り)から1.9km(登り)ペースで約3時間弱歩行。
16時14分に大天荘に到着。
以上のことが、GPSデータを加工したエクセル表上に表示される。

【槍ヶ岳登山時のデータから見えること】
この日は槍ヶ岳山荘手前の急斜面の登りと大天荘到着前の最後の登り時にバテた。
しかしデータ上は時速平均1.5kmペースで登っていて極端に遅くなっていない。
また西鎌尾根や東鎌尾根は危険ルートだがペースは時速2km平均を保っている。
一方で割と平坦な場所や下り道等でも早くても時速2.5kmであり極端に早くない。
自分の登山傾向として、登りや下りでも極端なペースの増減がないことが分かる。
小股歩行の癖が染みついたことで、登り下りのペース増減が少ないかもしれない。
ペースの増減が少ないことは良いことだと思っているので、概ね満足。
なお、5分単位の分析データでは一時的に時速4km程度の歩行もある。

【登山データ分析後の感想】
分析を通じて、強くメリットを感じたのは2点。
1点目は、自分の登山ペースの波や得手不得手を把握できる利点があるという事。
2点目は、仮に個々人毎の登山データを集積すれば、実態に沿った登山ルート毎の標準コースタイムを求められるということ。
特に2点目は、百名山登山を通じて標準コースタイムの不統一性を実感。
標準コースタイムを大幅に短縮した時もあればコースタイムで歩くのは厳しいと感じたこともあった。
ガイド本のコースタイムは、各々の山を地元の山岳団体等が登り作成したコースタイムをそのまま掲載していると思われる。
このため、ハイキング登山が主対象の山の場合、初級レベルに合せてコースタイムを設定しているケースが多いのに対して、難易度が高く登山者の少ない山では、ベテランレベルに合わせたコースタイムを設定している場合がある。
登山を計画する方は、1冊の登山ガイド本の中でコースタイムの基準も統一されていることを望むが、現実はそうではない。
もし個々人の登山データを集積できルート間の歩行速度データが分析できれば、登山者レベルに合わせたコースタイムが把握でき、登山計画立案時に役立つのではないか。
自分では良い案と思っているが、今回のエクセルマクロ作りで半月近くかかった自分にとっては、能力を遥かに超えた願い事。
誰かそんなサイトを立ち上げてくれないかしら?
なお今回エクセルマクロで分析した方法については次回のブログで解説したい。

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