身体と蛋白質とミネラルの事

0、紀平梨花の話
 今年の冬は紀平梨花のフィギュアスケートの演技を楽しんだ。
 シニア大会に本格参戦しいきなりNHK杯で優勝、次も優勝。
 更にGPファイナルも優勝、その後スケート靴を替えて不調。
 先日の国別対抗戦SPでは練習が不調で試合直前靴の締めを強化し世界最高得点。
 しかし2日後のFSでは足の疲労が回復せず5位に終わった。
 世界のトップを争うには微妙な靴調整や体調管理が結果に直結。
 微妙な試行錯誤を繰り返し自分に合う方策を見つけるのだろう。
 目標は全く違うが私も食事の見直しを試行錯誤して体調観察中。

1、人体とアレルギーの話
 前回ブログで話した皮膚炎の続きの話をかきたい。(掻きたい?)
 皮膚炎も花粉症と同様身体の中で起こる化学(アレルギー)反応。
 花粉症は花粉が引き金だが、皮膚炎は身体が異物と見なす物に拒絶反応する。
 花粉症や皮膚炎の原因の異物の根本は蛋白質らしい。
 ※[参考] 金属アレルギー協会サイトの情報
  https://www.metallicallergy.or.jp/basic_info/

 私達は一言で蛋白質と言うが、蛋白質は約10万種類ある。
 私達の身体は約80億個の蛋白質から出来ている。
 そして1秒間に何万個もの蛋白質が分解・生成されている。
 身体の中では膨大で超高速な化学反応が絶えず行われている。
 ※[参考]「タンパク質の一生」永田和宏著、H20.6.岩波新書刊

 体内で膨大・高速処理される蛋白質の異変を見つけ排除するのが免疫作用。
 前回の話で私の皮膚炎の原因の一つが「ニッケル」だと書いた。
 ニッケルと蛋白質は全く別物。ニッケルが蛋白質と結合し問題を起こすらしい。
 つまりニッケル単体は問題無いが蛋白質と結合すると身体が有害と見なす場合がある。
 花粉症の場合は花粉そのものが蛋白質の一種。
 つまり花粉症も金属アレルギーも蛋白質の種類で身体が拒絶する場合があるらしい。

 しかし本来花粉もニッケルも少量なら身体に有害な事は全く無い。
 特にニッケルは人間以外の動物実験では重要な役割を担う元素である。
 それが何故、ある日突然身体に有害な物に変わる人が出現するのだろうか?
 現代社会の化学物質過多、食事事情変化、ストレス、老化等の複合要因かしら?

2、蛋白質とミネラルと身体の関係
 私が今回発症した皮膚炎は「ニッケル」に起因する可能性が高い。
 そして原因物質「ニッケル」は食物由来の可能性が高い。
 病気になって初めて食物にニッケルが入っていると知った!
 ニッケルは鉄や銅等と同様、ミネラル(金属)である。
 人間の身体を元素(酸素、水素、等々)に分解してみる。

【表1】人体の構成元素の量(割合)
 人の身体全体 70000000mg (70kgと仮定する)
  酸素    45500000mg
  炭素    12600000mg
  水素      7000000mg
  窒素      2100000mg
  カルシウム   1050000mg
  リン      700000mg
  硫黄      175000mg
  カリウム    140000mg
  ナトリウム   105000mg
  塩素      105000mg
  マグネシウム  105000mg
  鉄         6000mg
  フッ素       3000mg
  ケイ素       2000mg
  亜鉛        2000mg
  銅         120mg
  マンガン      100mg
  ニッケル       10mg
  クロム        2mg
  コバルト       1mg
 ※ 亜鉛以下の元素表記は一部省略。
   他にもセレン、モリブデン等の微量元素がある。
   容量不明元素等もあるため合計しても70kgにならない。
   ( 「Wikipedeaの元素構成比」 より)

【表2】人体の構成物質の割合(男性の平均的割合)
  水    60%
  蛋白質  20%
  脂肪   15%
  骨     5%
  ※ 群馬県太田市健康づくり課の資料

 表1・2から分かるとおり人体は水と蛋白質で約8割を占める。
 そして水・蛋白質の主な構成元素の酸素・炭素・水素・窒素で96%を占める。
 片やミネラルの中で最も多いカルシウムでさえ身体全体の約1%。
 ニッケルに至っては身体全体と比べると約0.00001%。
 少し脱線するが、骨はカルシウムがほとんどだと思っていたら違った。
 骨は人体の5%を占めるが、カルシウムは1.4%、残り3.6%は酸素やリン等。

 私達の生命維持に必要な3大栄養素は蛋白質と脂質と炭水化物(糖質)。
 5大栄養素ならば更にビタミンとミネラル。6大ならば更に食物繊維。
 [ 参考 厚生労働省 e-ヘルスネット ]
 蛋白質と脂質は食物の構成要素であり、身体の構成要素でもある。
 しかし食べた物がそのまま身体の一部になるのではなく必ず一度代謝(化学分解)される。
 また炭水化物(糖質)は身体の構成物質ではなくエネルギー源の役割が主。
 但し炭水化物は一時貯蔵の役割もあり脂肪分と共に脂質として体内に貯蔵される。
 そしてビタミンとミネラルの主な役割は身体の代謝(化学反応)を手助けする事。

 既述のとおり蛋白質は10万種類あり身体の各所で様々な役割を分担している。
 食物の蛋白質は一旦アミノ酸に分解された後、再度身体の蛋白質に化学変化する。
 その際の化学変化を手助けする役割をビタミンやミネラルが担っている。
 つまりビタミンやミネラルが過不足すると蛋白質の製造にも支障を来す。
 そしてアレルギーやガンや高血圧等、現代人の代表的な病の元になる。

 例えばビタミンDは、骨粗鬆症やアレルギー疾患にも関わりがある。
 ビタミンDは腸管からのカルシウム吸収を促進し腸管の免疫機能を調整している。
 ビタミンDは食事と日光の両方で身体に供給されている。
 人は紫外線を浴びることで身体表面のビタミンDの種からD本体が作られる。
 しかし近年は紫外線を避ける生活の拡大が続いている。
 これにより骨粗鬆症やアレルギー症状拡大の要因になっている可能性がある。

3、ミネラル摂取の重要性と注意点
 現代は美食社会になり食物から雑味を取り除き精製化するのが主流になった。
 米やそば、小麦の主食に始まり日本酒等も雑味を取り除く事が優先されている。
 この精製化で取り除かれる物には多くのミネラル(金属)が含まれている。
 現代病や生活習慣病の多くがミネラル不足が一因ではと疑われている。

 ミネラルのニッケルについては、現時点で人間における有用性は確認されていない。
 しかしヒヨコやラットでニッケルが不足すると生育障害が見られる。
 人間では心筋梗塞・脳卒中等でニッケル濃度が高値になることが確認されている。
 このためニッケルの摂取と健康との関連が推測されている。

 アミノ酸やビタミンは最低必要量から最大許容量の幅が大きい。 
 一方でミネラルは摂取許容量の幅が大変狭い。
 ミネラル不足の場合、疲労、風邪、関節痛、血圧等、様々な悪影響の原因になる。
 特に鉄不足は日本の多くの女性に見られると警鐘を鳴らす医師がいる。
 (「うつ・パニックは鉄不足が原因だった」藤川徳美著、H29.7.光文社新書)
 一方で過剰摂取すると、免疫力低下等の身体に悪影響が現れる。
 そしてミネラルは全てが微量のため、摂取量の調整が非常に難しい。
 (「最新ミネラル読本」丸元淑生・丸元康生共著、H4.2.新潮文庫、38~94頁)

 私は皮膚炎を発症して1年以上経過し治療の難しさを痛感している。
 そしてその原因に様々な食べ物の関わりがある事を気付かされた。
 テレビや週刊誌等で度々「○○は健康に良い」との情報に接してきた。
 これらの情報に振り回されてその都度食事内容を変えた事を今は悔いている。
 今後は改めて食事の大切さと身体の反応に感覚を研ぎ澄ます事を肝に銘じたい。

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