社会不安と人口問題

1 紛争の絶えない世界
ウクライナ対ロシア紛争が1年半以上続いている。
その最中にパレスチナ対イスラエル紛争が勃発。
どちらの紛争も表面上の直近発端は明確。
ウクライナ紛争の直近発端はロシアの侵攻。
パレスチナ紛争はパレスチナ(ハマス)のイスラエル襲撃。
何れの紛争も発端の攻撃で莫大な被害と死者が出た。
そのため攻撃された側は当然反撃を行う。
ウクライナもイスラエルも自衛のための反撃。
どちらの戦いも被害が拡大し続けている。
果たして紛争は終結するのだろうか?

ウクライナやパレスチナの紛争では停戦が話題に上る。
ウクライナはロシアに侵略されたままの停戦を望まない。
ロシアも敗北を認める形での停戦はほぼ考えられない。
イスラエルはハマスを根絶せずには停戦しないだろう。
現状では停戦への道筋は全く見えない。
しかし今のまま紛争が続けば犠牲者は益々増える。

2 紛争を生み出す世界
全ての紛争には何らかの原因がある。
自分の主張を通すため相手を力で屈服させようとする。
しかし攻撃された側は当然怒り反撃する。
こうして戦いは激化していき終結は困難になる。
だから争いを激化させないためには怒りを抑える事。
相手にやられてもやり返さず我慢すれば争いは起きない。
だがそんな事は圧倒的民意が許す事はしないだろう。
全ての国は「やられたらやり返す」が多数民意だろう。
ウクライナやイスラエルには停戦要望が増えている。
世界では2つの紛争の停戦を求める声が拡大しつつある。
だが仮に自国が攻撃された時に反撃しない国はある?

日本では忠臣蔵が「仇討ち」美談として伝えられる。
これも言わば「やられたらやり返す」の典型例。
例えば殺人事件と死刑制度の問題。
殺人された遺族は犯人に対し圧倒的な憎しみを抱く。
犯人が死刑になっても殺された人が生き返りはしない。
それでも死刑を望むのは言わば「やられたらやり返す」。
死刑制度には「冤罪」や「一種の殺人」等様々問題がある。
また犯罪抑制効果との見方も現実には犯罪は減らない。
それでも制度が残る最大理由は犯人への報復処罰感情。

3 紛争を解決できない世界
人間は戦争や仲介や裁判や刑罰で問題解決しようとする。
しかし何れも全ての人を全面的に納得させる手段でない。
解決手法に対し更に不満や怒りを抱く時もあり得る。
つまり人間は皆夫々考え方が違う事で全員一致はできない。
全員一致できず不満が高まる事は次の紛争の火種になる。

現代社会では様々な考えの人が協力して生活を営む。
そこでは多少の意見相違や不満は我慢しつつ共生する。
だが我慢すれば不満の火種が燻り時々局所発火する。
そして不満が多数に広がれば暴動や紛争に発展する。
例えばコロナ禍の中国で起きた外出禁止への抗議。
例えばパレスチナの食料不足状況下での食料略奪。
更には一部ガザ住民がハマスを公然と非難し始めた。

4 利己的な世界
為政者は己の考えと異なる人が拡大する事を怖れる。
特に独裁国家の場合は服従しなければ排除される。
中国では習近平と異なる派閥の人は徹底的に排除。
ロシアではプーチンに反旗した人間は暗殺される。
北朝鮮では例え身内でも異論する人は処刑される。
そこには「何が真実か」「何が正義か」は一切無関係。

真実や正義の無視は独裁国家や中東だけの話なのか?
例えばアメリカはどうだろう?
ロシアに対しては他国への侵略は国際法違反の指摘。
だがイスラエルの他国侵略はイスラエルの権利と擁護。
ダブルスタンダードと指摘されても変える気は無い。
※西側に向けられるダブルスタンダード批判-NHK解説

中東情勢においてイスラエル寄りの立場をとってきた西側。グローバル・サウスの国々から「“ダブルスタンダード”だ」という批判が。別府キャスターの解説です。

例えば日本はどうだろう?
今回のパレスチナ問題では外相が当事国を訪問した。
イスラエルに対しては「ハマスのテロは許されない」
パレスチナに対しては「ガザの民間人被害を憂慮」
本来は発言すべき相手が逆なのではないかと思う。
イスラエルに「ガザ民間への攻撃を止めてほしい」
パレスチナに「ハマスのテロを防ぐ事を求める」
パレスチナ支援国アメリカや中東石油依存に配慮発言。
どちらの立場にも忖度した上で苦渋の発言なのだろう。

5 人が増える事の弊害
一体なぜこうも紛争や犯罪は起こり続けるのか?
そこには特定要因ではなく複合要因が複雑に絡む。
歴史的背景、思想の相違、感情や意思疎通、金銭 etc。
これら全てに共通する事は例えば人間同士のズレor差。
歴史のズレ、思考のズレ、感情のズレ、金銭のズレ(差)。
人間同士にズレや差があるのは百人百様なので当然。
普通なら「私と他人は違うのだから仕方ない」と割り切る。
ある程度の違いは我慢したり目をつぶりやり過ごす。
だが人が増えると人間同士の接触機会も増加する。
すると様々なタイプの人との出会いの機会も増す。
時には我慢の限界を超える出会いも増えるだろう。
つまり人間増加はトラブル発生増加の要因になる。

パレスチナ・イスラエル問題も同じ様に思える。
アラブ人とユダヤ人は互いの歴史上の隔たりが大きい。
当然に考え方から生活習慣まで相当な相違がある。
当然ながら両者の間には根深い対立の歴史がある。
一方で互いの違いを克服し共存した時代や地域もある。
しかしイスラエルの人口増や領土拡大が進行する。
つまり人間が増える事で対立激化を招く事態となった。

中国の南シナ海・東シナ海への海洋進出も人口問題。
中国14億人の人民の安全や食料確保に欠かせない海域。
海上は戦略上も物資輸送上も海産食料にもとても重要。
1965年の約7億人が約55年で2倍の14億人まで増加。
海洋進出気配さえなかった65年から55年で激変。
急激に増えた人民の安全と防衛上では他国を無視。
大富豪層から極貧困層まで抱える超大国ゆえの所業か?

他にも人間が増え過ぎた弊害が各所で起きている。
異常気象増加や環境破壊は人口増加の影響が大きい。
熊や猪や鹿の人里出没増加は人が動物を追い詰めた。
ゴミ等廃棄物増大に伴う海洋生物への影響の深刻化。
コロナの世界蔓延も人間の交流の急増が招いた。
人類の増加と快適生活追求が社会危機を招いている。
そして最終的にツケは人間自身が背負う事だろう。

6 生存のための利己主義
熊も人間も全生物は己の身の安全が最優先事項。
ウクライナもイスラエルもパレスチナも生存最優先。
己の生存のため他者の攻撃に反撃しければならない。
また生存に間接的影響を及ぼす場合も排除に努める。

それはアメリカも日本も同様の事だと思う。
アメリカのダブルスタンダード(二枚舌)も自国優先。
日本の忖度外交も自国の利益を最優先した結果。
国は人口が増え大きくなる程に生存も大変になる。
人が増えれば食物確保さえも土地・水確保が大問題。
大量の人口の生存確保のためには様々な方策が必要。
現代社会は人口増加が最大問題ではと感じる。
パレスチナでも人口が少ない時代は異民族が同居した。

人類は口先では環境保護や動物保護を訴える。
しかし実態は人間だけ極端に特別扱いしている。
人類生存や人類幸福のためには環境も動物も二の次。
人間安全のため山を壊し海の環境を壊し居住環境優先。
人間の食確保のため土地を作り変え他生物の環境を奪う。
人間の快適生活のため全資源を消費し続ける。
循環型社会と言い太陽光発電のため別の資源を消費する。

7 人類増加と格差拡大
全ては地球上に増え過ぎた人口を更に拡大する行動。
現在の戦闘をどう終結するか考える事は勿論大切。
しかしコロナにしても温暖化にしても人口増と不可分。
人口が増え過ぎた事はコロナ騒動の大きな要因と思う。
温暖化問題も人口が増え過ぎた事が大きい要因だろう。
そして現代社会の抱える大問題は格差拡大の問題。

様々な紛争や社会事件は格差によって生じている。
自分と他人を比べ不公平を感じる事で他人を妬む。
他人への妬みが憎悪となりやがて争いに発展する。
人口が増え過ぎた事で格差が拡大したと思う。
この事は「お金の話」として別の機会に記事としたい。

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