1 登山計画
最近4年は連続で残雪期に南八甲田周回縦走している。
広大雪原や沢越えや大斜面上り下り等の変化が楽しい。
ただ城ヶ倉渓流越えと急尾根登攀は毎回少し苦労する。
城ヶ倉渓流越えは裸足で渡れば特に問題はない。
急尾根も雪質が良好ならばそれほど不安はない。
雪質が堅かったり軟弱な場合は滑落が不安になる。
今回は改めて地図を眺めルートを再考してみた。
更に日常の運動の成果の確認も兼ねて出かけた。
2 登山概要
4月22日(火) 天気 晴、弱風、気温7~10℃(酸ヶ湯)
南八甲田は過去4回共4月下旬に出かけている。
今年も天気と雪質の良さそうな時期を狙い出かけた。
幸い天気は晴れて雪質もまあまあ良い状態。
過去最高は23年時で氷膜(フィルムクラスト)を存分に体感。
今年は平均4cmほど雪に足が沈む程度の極かに軟雪。
最初は八甲田ホテル手前の雪壁低所から入山する。
振り返ると八甲田ホテルと岩木山のコラボに小感動。
第一関門は出発25分後にある幅3m余の小沢の横断。
今回は沢の上に残雪があり雪を伝って対岸に渡れた。
その後は広大雪原となり北八甲田の眺望を満喫できる。
山肌西側は暗色の樹林帯で東側は白色の雪景色になる。
進むにつれ山景色変化が明瞭で着雪変化が良く分かる。
雪原から登りに変わり15分ほど緩く登ると猿倉山頂。
猿倉山頂からは稜線を進み駒ヶ峰に進む。
多少アップダウンはあるが平坦も多く負担は少ない。
駒ヶ峰の麓から10分ほどの登りれば駒ヶ峰山頂に着く。
駒ヶ峰山頂から進むと櫛ヶ峰の右手に岩木山が見える。
出発直後に背後に見た岩木山が今は正面に見え驚き。
方向音痴の私は周囲の景色から方向感覚を教わった。
駒ヶ峰から下り気味平坦ルートを30分進み櫛の麓に着。
櫛ヶ峰の広大雪面を楽しむスキーヤーも見える。
天気良好で風も穏やかで最高コンディションだろう。
長靴壺足登山の私にも櫛の大斜面の登りは最良雪質。
堅めの雪質は滑落が不安だし軟弱雪は足負担が辛い。
今回は堅くも軟弱もなく丁度良い具合の雪質。
山麓から30分余で大斜面を登り切り櫛ヶ峰山頂に着。
12時半過ぎに着いた櫛ヶ峰山頂には人はいない。
櫛ヶ峰は山奥なので午後には人が少ないのも仕方ない。
櫛ヶ峰で20分余昼食休憩後は横岳に向かい下り進む。
すると13時過に2人の男女スキーヤーとすれ違った。
10m以上離れたすれ違いのため挨拶はしなかった。
横岳側から来た2人組の出発地は何処だったのかな?
更に横岳へ向かう途中で中腹にスキーヤーを遠望。
横岳山頂直下は雪が無く樹木露出する所も一部ある。
スキーヤーは樹木露出の下部を斜滑降し離れ去った。
横岳山頂へ樹木露出を回避して登れるか少し迷った。
遠方からの眺望では積雪具合が明瞭に視認できない。
ただ雰囲気的に積雪を辿れそうと判断し直登を続ける。
樹木の間に未だ残る積雪を辿り何とか横岳山頂着。
横岳山頂にはスキーヤーらしき足跡が多数あった。
しかし流石に露出樹木周辺積雪にスキー跡は無かった。
横岳の後は緩い下りを進み20分余で逆川岳に着く。
とても山頂と思えない逆川岳を通過後は尾根を下る。
城ヶ倉渓流脇の尾根を下り途中で渓流側に進路を変える。
今回事前に地図を眺め試そうと考えていたルート。
事前想定より急傾斜に感じる山腹を下り渓流に達する。
事前想定は渓流まで下らず山腹トラバース予定だった。
しかし山腹は急傾斜で残雪がほぼ無く歩行不可能状態。
ここで渓流を渡って対岸に移動する手段を模索する。
第一は渓流上に残る残雪を伝って対岸に渡る方法。
第二は渓流上にある石を伝って対岸に渡る方法。
当初は石を伝う方が良策に思え石付近に近寄り観察。
見ると石の配置が不完全で急流も有り石伝いは廃案。
残雪伝い移動案は雪の傾斜に注意し滑落回避が大事。
慎重に雪を伝い進み対岸に着いた時は心底安堵した。
その後は新湯の廃屋数棟を横目にし駐車場への登坂。
渓流から25分ほど登り続けると酸ヶ湯キャンプ場着。
キャンプ場から約7分歩き駐車場到着が16時20分。
3 ルート概略
(1) 酸ヶ湯~猿倉 6km、2時間20分
・前半は所々アップダウンの平坦路
・中盤に大平原を通過し後半は猿倉へ緩い登坂
・出発25分で現れる沢は今年は残雪を渡り通過
過去の残雪の無い時は倒木を渡って通過
・出発1時間で地図に載る酸ヶ湯沢を通過する
今回を含む過去4回共残雪が多く沢は見えない
(2) 猿倉~櫛 4km、1時間40分
・前半の猿倉~駒はほぼ平坦で駒へは緩登10分
・中盤の駒峰~櫛麓はほぼ平坦の歩きが30分
・後半の櫛麓~櫛山頂は急登が30分
・櫛の登りは今回は雪質良好で何処でも登れた
ただ堅雪質時は滑り易いため急傾斜を避けたい
(3) 櫛~横岳 3km、1時間
・櫛ヶ峰~横岳の中間鞍部までは駆け足で下れた
・鞍部~横岳までも特にキツい登りは無い
・横岳山直下は消雪が早く適宜ルート変更必要
(4) 横岳~酸ヶ湯 5km、2時間10分
・横岳から逆川岳過ぎ迄は緩い下りで快適ルート
・渓流沿いの尾根道は所々急傾斜やヤブ箇所も有
・今回尾根を分かれ渓流への下りは少し急傾斜面
・今回は渓流上の残雪を利用でき対岸に渡れた
・残雪量は多いが傾斜雪面のため慎重歩行が肝要
・対岸移動後は25分ほど緩登すると酸ヶ湯に到達
4 時間経過
08:37 酸ヶ湯公共駐車場
08:46 八甲田ホテル前(入山地点)
09:30 櫛ヶ峯コース 39番指導標
10:58 猿倉岳 (休4分)
11:19 ニセ駒
11:40 駒ヶ峯 (2分)
12:44 櫛ヶ峯 (休23分)
13:31 1285mピーク
14:10 横岳 (1分)
14:34 逆川岳 (1分)
14:49 新湯八甲田ホテル分岐
15:06 尾根分れ
15:27 城ヶ倉渓流(雪上横断) (通過20分)
16:13 酸ヶ湯キャンプ場
16:20 酸ヶ湯公共駐車場
徒歩時間 7:00 (休憩45分除く)
徒歩距離 18km
5 旅の写真
8:38 酸ヶ湯公共駐車場に駐車後に国道両側の雪壁の間を出発
8:46 八甲田ホテル前の雪壁低所から入山
8:47 八甲田ホテルの遙か後方に岩木山眺望
9:02 小沢の上に残る残雪を渡る(過去3回は残雪無)
9:10 国道沿いは未だ雪壁が高い
9:17 遠方に今後登頂予定の櫛ヶ峰(左)と横岳(右)眺望
9:27 左から大岳、硫黄岳、石倉岳眺望
9:38 この後進む残雪豊富な沢筋の先に猿倉岳(左端)眺望
10:04 先ほど見た大岳~硫黄岳が一体化し小岳と高田が現れる
先ほど見た時より山斜面の白色が増える
10:39 猿倉岳への登り道
10:49 大岳、小岳、高田大岳の雪白色が更に増す
10:59 猿倉岳山頂から乗鞍岳(右)、赤倉岳(左)眺望
11:02 この先進む駒ヶ峰、櫛ヶ峰(ほぼ一体化)眺望
11:22 駒ヶ峰に近づく
11:30 駒ヶ峰の山麓から
11:40 駒ヶ峰山頂
11:45 駒ヶ峰を下ると櫛ヶ峰が見え右遠方に岩木山
11:48 途中で雪の裂け目を覗く
12:14 櫛ヶ峰の山麓から左上を目指し登る
12:27 櫛ヶ峰登攀途中で歩いてきた道(駒~猿)を振り返る
12:43 櫛ヶ峰山頂から岩木山遠望
12:43 櫛ヶ峰山頂から十和田湖、白地山、岩手山眺望
13:08 櫛ヶ峰山頂から北八甲田連山眺望
13:15 北八甲田連峰を望みながらの下り道
13:48 横岳山頂付近の崩壊気味の雪の進路を悩む
スキーヤーが下側斜面を横断中
13:58 崩壊気味の雪だが進めると判断
14:03 崩壊気味の雪の縁伝いに進む
14:09 横岳山頂到着~櫛ヶ峰を眺望
14:21 横岳からの下り道は所々に複数亀裂
14:35 逆川岳標識
14:45 進路を変えて左尾根を下る
15:06 尾根ルートと分かれ右斜面へ下る
15:29 渓流左岸を進むスペース無し~残雪利用し対岸へ渡る
15:45 渓流上の残雪を渡り終えて対岸から見下ろす景色
15:53 新湯の廃屋を眺めつつ右山腹を登る
16:12 酸ヶ湯キャンプ場の残雪は過去最高?
16:19 国道に戻り眺める八甲田大岳
6 登山と歩行のルート図
7 体力に関する考察
昨年から体力の急速な衰えを意識し始めた。
老化に伴い止むを得ないのかと諦めもある。
一方で衰えを多少でも緩和したいとも思う。
手探りで様々な事を試しつつ登山している。
今回の登山も過去登山との比較も目的の一つ。
但し残雪期登山は雪質が登山負担に大影響する。
今回の雪質は最良より少し劣る程度の良好雪質。
この事を踏まえて過去の登山時間を比較した。
時間比較だけならば過去4回中の第2位の値。
但し1回目は初登山に伴う未知ルートのハンディ有。
また3回目は強風や熊遭遇等の悪条件が有。
また今回は過去と比較し最短ルートで歩いた。
様々な異なる条件を総合的に勘案し検討する。
自己診断結果は急な老化進行はないと感じる。
今回は極端に疲労せず完歩できた点は高評価。
日常運動が多少共効果があったと感じられた。
[参考]過去4回(’22~’25)の登山データ比較
今年(’25)と一昨年(’23)は時計回り周回登山。
昨年(’24)と一昨々年(’22)は半時計回り周回。
なお昨年は強風で櫛登頂途中で断念した。
登山所要時間比較 [単位:分]
’25 ’24 ’23 ’22
酸ヶ湯~猿倉岳 141 123 124 120
猿倉岳~駒ヶ峯 038 039 037 033
駒ヶ峯~櫛ヶ峯 062 041 060 044
櫛ヶ峯~横 岳 063 060 051 069
横 岳~逆川岳 023 040 032 037
逆川岳~酸ヶ湯 095 160 098 124
計 422 470 402 427
登山通過時刻 [単位:時刻]
’25 ’24 ’23 ’22
酸ヶ湯 08:37 16:53 08:13 15:42
猿倉岳 10:58 14:50 10:17 13:41
駒ヶ峯 11:40 14:11 10:58 12:56
櫛ヶ峯 12:44 13:30 12:10 11:54
横 岳 14:10 12:06 13:26 10:45
逆川岳 14:34 11:26 13:59 10:08
酸ヶ湯 16:20 08:13 15:54 07:44
コメント
22日は、天気も良く風も無風状態で、登山日和でしたね。私は、前日の21日から旧保体メンバーの温泉グループと大鰐大圓寺→岩木山神社→湯段温泉泊・翌日の22日、弘前城跡で花見をして田辺さん宅畑でアサドキやアイヌネギなどを取ってきました。というとまるで山の中にある畑のように思えますが、家の敷地内にある畑です。山野草が数多く植えられています。湯段温泉の湿原は今年は残雪が多く消えているところには、水芭蕉の群落とザゼンソウが2株ほど見ることができました。
とのさん、コメントありがとうございます。
懐かしいお名前に遭遇して少しばかり驚いています。
田辺さんとは「かっぱのゆ」(横内)で8年ほど前に一度会った様に記憶しています。
80歳半ばくらいかと思うのですがお話の印象だと未だ未だ元気一杯の様ですね。
アサドキ(アサヅキ?)やアイヌネギ(行者ニンニク)などが既に採取できるのですね。
我が家の近くにもノビルが生えており時々つまんで生食しています。
ただ私が毎年出かける山は未だ雪が多そうで山菜採りには暫く待たないとダメそうです。
ちなみに、田辺さんは、77歳です。ほかには、歳の順に吉田(兄)、尾野(給食会)、田辺、外崎、田中純子、千葉晶子です。男は全員運転免許がありません。正確に言うと、田辺さんは原付を所持しています。
ご教示ありがとうございます。自分の頼りない記憶力に情けなくなります。
自分が67歳で、とのさんとは約10歳差と記憶を頼りに田辺さんはもっと上だろうと勝手な思い込みでした。
とのさんと田辺さんに大差のない事は少し考えれば気付きそうなものですね。
6人共に懐かしい名前を拝見し昔を思い出す事ができました。多分皆さん元気で温泉旅したのだろうと推察します。