四国遍路旅 24日目
令和4年6月7日(火) 土居~粟井
天気 曇り時々晴れ 気温 17~25℃
1.旅の時間経過・距離
03時30分 起床
04時45分 延命寺東屋・発
05時50分 ファミマ土居インター (トイレ15分)
09時20分 65番・三角寺 (45分)
13時06分 佐野郵便局 (10分)
15時10分 66番・雲辺寺 (25分)
17時45分 白藤大師堂・着
歩行距離 45km
歩行時間 11時間20分(休100分除く)
[上り標高計1500m/下り標高計1400m]
2.遍路道の概要
延命寺を出発後は市街地の平坦路が続く。
国道11号か脇道の遍路道を15km歩行後右折。
国道右折後は三角寺まで緩い登り道になる。
途中で一部急傾斜も歩き右折後4kmで三角寺。
三角寺の標高は350m。
三角寺の後は登りと下りを経て国道192に至る
国道192を6km進み佐野集落に左折後は山登坂道。
標高250mから900mまで距離5.5km登ると雲辺寺。
雲辺寺山頂から標高差800m、距離5.5km下り粟井集落。
3.出来事や感想
今日は今回の四国遍路旅で最も気合いの要る日。
三角寺と雲辺寺の2寺を一日で参拝する計画。
距離と標高差の点で結構ハードスケジュール。
未だ薄暗い5時前に出発後は国道11号を進む。
すると国道の反対歩道を同じ方向に進む男性遍路。
私の1.3倍ほどの歩行速度で追い越し遠ざかる。
荷物は相当重そうだが足取りは軽快そのもの。
私とは次元の違う脚力の人と思い呆然と見送る。
出発後1時間ほど経過した時に便意を催す。
偶々近くにあったコンビニに立ち寄り用を足す。
トイレ借用時はお礼を兼ねてパン1個購入。
7時頃に国道と並行する住宅道路遍路道を歩く。
対面から通学生徒の自転車とゴミ収集車が通る。
とても狭い道路で3者が鉢合わせし互いに徐行。
更にゴミ収集車はその先で対向車との交差にも苦労。
遍路では時々狭い道幅で車や人の通行苦労に出会う。
狭い遍路道を抜けると国道11号と再会する。
時刻は7時半頃で丁度通勤通学のラッシュ時間。
国道では長蛇の車の渋滞が発生している。
先ほど歩いた住宅街の狭い道路は渋滞国道の抜け道?
狭い道を猛スピードで通過する車も少なくなかった。
時間帯によっては遍路道は危険が多いと感じられた。
三角寺へ向かう舗装道は徐々に高度を上げる。
その後舗装路から山への登坂道の分岐路に出会う。
分岐路が分かり難く先行するお遍路は別道に進む。
私も迷いつつ1度進んで引き返し別の登り道を進む。
何とか進路ミスを最小に止め三角寺に辿り着いた。
三角寺駐車場では早朝見かけた男性が若者と雑談中。
私は素通りして石段を登り寺の参拝納経を済ます。
納経後に受付脇の東屋で足休め軽食休憩をとる。
年配女性と娘か孫女性が本堂で経を唱える姿を眺める。
その後剃髪の年配女性だけが東屋に来て一服する。
女「どちらからお越しですか?」
私「青森から来ました」
女「遠い所からご苦労様です」
女性は大阪から来たとの事で挨拶後に「お先に」と出発。
剃髪した姿が瀬戸内寂聴を思わせる芯の強そうな女性。
私は長めの休憩後に腰を上げて次に向け出発。
次の寺に向かう道端の休憩所で昼寝中の男性を見る。
よく見ると早朝と三角寺駐車場で2度見た男性の様。
そのまま通り過ぎ暫く歩くと男性に追い越される。
この日3度目の男性とのすれ違い。
そしてその先の常福寺椿堂で男性が読経している。
私はその姿を横目で見て通り過ぎる。
そのうちまた何処かで追い越される事になるだろう。
雲辺寺へは国道の境目トンネルで愛媛から徳島に入る。
徳島側の登坂道を登って雲辺寺から香川県に進む。
登口から標高差650mを登る途中で男性が後方から接近。
この日5度目の出会いで私は道を譲って声をかける。
私「とても歩きが早いですね」
男「普段から山で生活してるので歩き慣れてる」
私「私は急坂で息が切れてるのに貴方は全く平気そう」
「左足首に巻いた包帯は怪我したんですか?」
男「3日ほど前に石畳道で足を取られ痛めた」
「次の日は痛くてとても歩けなかった」
私「今はもう大丈夫なのですか」
男「昨日まで痛かったが今日は調子良いみたい」
その後男性は「お先に」と言い急坂道をスイスイ登る。
早朝の平地歩きでは私の1.3倍ほどの速度と感じた。
この急坂登りでは私の2倍近いスピードに感じる。
何とか坂を登り切り雲辺寺に到着したのは15時過ぎ。
当初の予定は雲辺寺の通夜堂で野宿を考えていた。
しかし雲辺寺に到着すると結構寒く感じる。
流石に標高900m地点だと平地と温度差がある。
予定より1時間半早く到着して未だ歩く事は可能。
という事で山を下り里で野宿地を探す事にする。
ただこの日は雲辺寺到着が最大目標で他は無計画。
特別な当てもなく山間の下山道を進む。
適当な野宿地を探しながら下りるが良い場所がない。
里まで下りて集落まで来た時に白藤大師堂が現れる。
水場やトイレがあり人のいない好都合な場所。
そして建物の裏に回ると男性と今日6度目の出会い。
私「この建物裏で野宿して問題ないですかね?」
男「別に大丈夫じゃないかな」
私「水やトイレがあって丁度良い場所ですね」
男「野宿する人は似た事を考えるね」
私「お遍路は何回か経験したのですか?」
男「3回目。歩きだけに拘らずいろいろ旅してきた」
「自転車やミニキャブなどでも旅している」
私「私も自転車旅や車で百名山登山をしてきた」
「山慣れしているのは職業が山関係ですか?」
男「富山の立山で夏場に山小屋で営業している」
「立山の一番高い3000mの山小屋で軽食提供」
「宿泊もやりたいが許可されていない」
私「夏場だけ山の営業で後はどうしてるのですか?」
男「夏場4ヶ月稼げば1年暮らすだけお金が貯まる」
「元々熊本出身なので夏以外は実家に戻ったり」
「あとは今回のお遍路の様に様々旅している」
私「私も仕事を引退し青森から各地を旅している」
男「青森は八甲田山や岩木山にも行った」
夕方の食事時間を共にしながら様々な話をした。
コロナで打撃を受けたか聞いたら全く影響無との事。
宿泊営業が無いため寧ろ食事客が多く訪れたとか。
コロナでも登山者は山を求め訪れていた事を知る。
また昨日善根宿に泊まり今日未明に出発した事。
夜明け前から歩くのが好きだとの事。
年齢は私より10歳以上若く50歳代らしい。
今後の人生設計の話などもした。
今回の遍路旅で最も長く人と語らう時間を持てた。
4.写真記録
野宿した翌朝の延命寺・東屋
5時前に延命寺東屋を出発
夜明け前の四国中央市土居を進む
前方に見える雲が雨雲でない事を祈る
ファミマ土居インター店に寄りトイレ借用
トイレお礼に卵パン1個購入
古民家? の中に飾られていた見事な石彫
見事だが少し不気味?
細い路地でゴミ収集車と乗用車が交差
道路内でのすれ違いは相当困難
朝の国道11号は片側車線が大渋滞
三角寺への登り遍路道の案内
車は車道、歩き遍路は中央の細道(歩行者あり)
「ユキノシタ」という花
最初に見た時はキラキラ輝いて見えた
65番・三角寺の駐車場に到着
65番・三角寺の本堂
遍路道から四国中央市方面を眺望
道端の休憩所(休憩中男性)を通過
遍路道から雲辺寺山方面を眺望
お遍路さん休憩所-歌声が聞こえていた?
常福寺椿堂で経を唱える男性
4度目のすれ違い
お遍路小屋・しんきん庵・法皇を通過
境目トンネルを越えると徳島県入り
徳島県・三好市に入る
雲辺寺への急坂道~この後男性と立ち話
雲辺寺への緩い坂道~寺までアト少し
66番・雲辺寺の本堂
雲辺寺は香川県66番寺、だが住所は徳島県
雲辺寺参道の五百羅漢
雲辺寺の下山道から三豊市内や瀬戸内海眺望
山道を下り終えて粟井町の集落に着く
白藤大師堂に到着
大師堂の裏手でテント野宿
5.ルート図
四国遍路旅 24日目ルート図(Google Map)