1 登山計画
今年もまた三角岳・大毛無山残雪登山に出かけた。
昨冬は里山残雪登山で軟雪苦労登山を3回経験した。
今期は残雪登山で雪の硬軟要因を探りたいと考えた。
4年前大毛無~三角周回で軟雪苦労登山を経験した。
4年前と同じ大毛無山~三角岳の周回登山を計画した。
2 登山概要
3月2日(月) 天気 晴、風少し強め、気温2~6℃
みちのく有料料金所脇から大毛無山への尾根道へ。
尾根道への登り始めは既に土の露出が少し見られる。
ただ全般的に例年より雪量は多い様に感じられる。
尾根道はいつもながら西向き斜面側の雪が少ない。
冬は西高東低の気圧配置で北西の季節風が多くなる。
北西の季節風で雪が飛ばされ西側は少雪なのだろう。
前半の大毛無山までは硬雪質で雪に足は埋まらない。
寧ろ凍結気味の所での滑り転倒には要注意と感じる。
ただ全般に緩傾斜なので長靴でもほぼ問題ない印象。
毎年最も気掛かりな標高734ピークは今年も悪状況。
ピークから大毛無への下り坂に雪割れ(クラック)有。
標高734ピークは樹木上に積もった残雪を進む道。
道幅は1mほどで両側がほぼ切れ落ちている。
雪解けが進むと樹木の隙間から雪割れが進行し易い。
残雪の上を尻滑りし極力荷重分散して慎重に下った。
標高734ピーク以後は特に危険な場所はなくなる。
734ピークから大毛無山頂までは約20分で着く。
大毛無山で陸奥湾と津軽・下北半島眺望して一服。
その後三角岳に向う道でも雪割れ(クラック)がある。
ただここのクラックは迂回も容易なので心配は無用。
クラックの心配は無い一方で雪質では苦労する。
三角までは中間ピークを挟み2度アップダウンする。
その下り道の雪質がとても軟弱な雪質に変わる。
2度の下り道で2回ほど膝上まで雪に足が埋まった。
一方で登り道になるとまた硬めの雪質に変わる。
変化する雪質に小苦労し12時前に三角岳頂上到着。
三角岳山頂は大毛無山頂同様風速5mほどで少し寒い。
反射板下の窪地に身を隠し風を除けて昼食休憩する。
20分余昼食休憩した後に三角岳から下山開始。
下山開始間もなく樹氷が落ちた氷結晶散乱に遭遇。
まるで大粒の宝石が大敷設したゴージャス空間。
多少滑る感もあったが特別支障は無く歩けた。
その後例年ならば雪庇崩落した稜線を通る所がある。
ただ今年はまだ雪庇が崩落せず残っていた。
最初は雪庇を歩いたが不安な所ではヤブへ迂回する。
その後はほぼ例年通りのコースを下り林道に着く。
林道まで下った時に太腿辺りで軽い痙攣が起きた。
休憩し飲水とナッツを補給したら足痙りは和らいだ。
三角岳から林道までは軟弱雪は1割程度だった。
しかし林道以後は逆転し軟弱雪が9割程度になった。
軟雪では5~10cm程足が雪に沈みつつ歩き続ける。
平均時速3km程で1時間余歩き出発点に戻り着いた。
なお最終1km余はスノーシュー跡を辿り少し楽した。
3 登山後の私見
(1) 積雪に関する私見
今回雪質を考えるきっかけは昨秋の乳頭山での体験。
冷強風が吹く稜線を登り着いた山頂は無風で温暖。
稜線が強風だと頂上は更に強風で寒い事が大半だ。
乳頭山でも冷強風稜線以上の悪条件山頂を覚悟した。
しかし山頂が無風温暖だったため安堵し感激した。
そして山頂を下り始めると直ぐまた強風冷感に一変。
乳頭山は非常に特異な山容で山頂の南側は山肌直立。
南寄りの強風は山肌に当たり急上昇すると思われる。
乳頭山山頂はエアポケットの無風空間だったと推測。
太陽で温まった空気が滞留し山頂は暖気を留めた。
私は雪質の変化も同じ原理が働くと推測してみた。
山では通常尾根や稜線上で強風になる事が多い。
一方で樹林帯や谷筋では風が弱まる事が多い。
尾根は暖気が逃げ易く谷筋は暖気が留まり易い。
尾根は強風低温に谷は弱風温暖になり易い。
低温が続く尾根は雪が溶け難く硬めになり易い。
温暖が続く樹林谷筋では雪が解け易く軟弱化し易い。
私は三角・大毛無では三角を先に登る場合が多い。
4年前大毛無~三角と歩いた時は後半軟雪で苦労した。
後半の沢沿いルートは午後に軟雪化し易いと感じた。
今回は事前の天気予報で多少低気温が予想されていた。
気温変化と積雪の軟化の影響も知りたいと考えた。
だが実際気温は余り低下せず雪は軟化した様だった。
一方で以前軟雪で苦労した時よりはマシとも感じた。
気象庁の気温データでは当日青森市は最低0℃~最高6℃。
一方以前苦労した時の気温は最低1℃~最高13℃だった。
なお風速データはほぼ同じで今回の方が少し強かった。
やはり雪質軟化要因は気温の高低が大きいと推測される。
そして太陽熱を蓄え易い谷地形は気温が上がり易い。
一方尾根は太陽熱で上昇した気温は直ぐ風で飛び低下。
尾根では気温上昇が抑えられ雪は軟化し難いと思われる。
なお補足だが谷筋でも場所により雪が硬い所も時々ある。
これは日陰や風が影響し易い地形要因があると推測する。
また稜線上のアップダウン等で雪質変化もみられる。
稜線上では冬の季節風が東斜面を飛び越え西斜面に当る。
このため東向き斜面は無風化して気温が逃げ難いと推測。
以上が地形と雪質変化に関する因果関係の私の独断私見。
マユツバかもしれないので軽く見流していただきたい。
(2) 登山時間に関する私見
三角岳・大毛無山は過去6年連続で残雪期登山した。
そして今回が最も短時間で登山する事ができた。
今回までの6回の登山時間比較 (単位:分)
| 区分 | R8 | R7 | R6 | R5 | R4 | R3 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 出発地~579ピク | 070 | 061 | 064 | 060 | 075 | 060 |
| 579ピク~大毛無 | 059 | 068 | 097 | 067 | 075 | 080 |
| 大毛無~三角岳 | 043 | 047 | 036 | 045 | 045 | 053 |
| 三角岳~林道終 | 056 | 083 | 100 | 093 | 065 | 089 |
| 林道終~出発地 | 083 | 117 | 071 | 067 | 106 | 083 |
| 合 計 時 間 | 311 | 376 | 368 | 332 | 366 | 365 |
※但し「R8」「R4」は大毛無~三角周回。他は三角~大毛無周回
残雪期登山は雪質状況で所要時間が大きく変わる。
また残雪具合によりルート選択も微妙に変わる。
残雪が少ない時はヤブ迂回等で時間を多く要する。
このため登山時間の単純比較は余り意味がない。
それでも今年初の残雪登山は順調だったとは思う。
体調面で多少良好と推測される点を箇条書きする。
・今年の大雪で除雪作業が増え身体が鍛えられた
・今年の除雪作業で肺活量が例年以上に増加した
・呼吸法を改善する事で平常体温が多少改善した
・呼吸法の改善により運動時の呼吸も良好化した
・冬期間も一定程度の運動を継続していた
・登山時の飲水がそれなりに良好だった
一応思いつくままに列挙してみた。
要点メモ並の記述で私以外には理解し難いと思う。
但し明確に効果的と断言できる要因は一つもない。
今後も登山の記録をとる中で検証していきたい。
その中で効果が感じられる事があれば再報告したい。
4 登山時間経過
08:30 みちのく有料道路料金所手前・発
09:00 鉄塔下・通過
09:40 標高579
10:20 標高734 (10分)
10:49 大毛無山 (2分)
11:34 三角岳 (22分休)
12:30 標高628
12:52 林道・出会い (5分休)
14:20 みちのく有料道路料金所手前・着
徒歩時間 5:11 (休憩39分除く)
徒歩距離 14km
5 旅の写真
8:37 入山地点(みちのく有料料金所北側)振返り

8:39 正面の一部土露出残雪尾根を登る

8:41 長靴登山でヤブ土尾根を登る

8:53 尾根の右は残雪で左は消雪

9:10 尾根の傾斜で残雪と消雪程度が変化

9:15 高度が上がるほど消雪地が減少

9:40 右手に三角岳眺望、正面は前山の陰に大毛無(見えず)

10:03 多少残雪の少ない場所も見られる

10:21 標高734ピークから左・大毛無と右・三角

10:24 標高734ピークから八甲田を振り返り見る

10:31 標高734のクラック道を恐る恐る下る

10:33 標高734のクラック道を振り返り見る

10:37 大毛無山への稜線道を進む

10:51 大毛無山頂から陸奥湾越しに左・津軽半島の山と右端・烏帽子岳

10:51 大毛無山頂から三角岳を望む

11:06 正面の三角岳へクラック道を進む

11:24 正面の三角岳へクラック道を進む

11:25 正面の三角岳へクラック道を進む

11:34 三角岳山頂に到着

11:59 三角岳山頂から八甲田連峰眺望

12:01 ギリギリ幹に残る霧氷と落下した霧氷

12:03 八甲田連峰を眺め下る稜線道

12:25 今にも崩落しそうな稜線の雪庇道

12:30 稜線の雪庇道を振返る。右奥は三角岳

12:57 稜線から下り林道と合流後に足痙り休憩(5分)

12:57 林道に続くカモシカ足跡を辿る

13:00 カモシカ足跡

13:27 壺足歩きで10cm前後足が沈み疲労が続く

13:51 みちのく有料道高架下へ

13:59 10cm以上足が沈む所もあり疲労大

14:12 スノーシュー跡の残る道は歩き易くなる

14:18 有料道高架下は最大水深8cmの水溜り道

6 登山と歩行のルート図