北八甲田縦走2025 (酸ヶ湯-大岳-小岳-高田-井戸-赤倉-酸ヶ湯)

残雪の北八甲田を縦走したいと考えていた。
ただ残雪登山の苦労経験があり慎重に時期検討。
新雪不安がなく風気温の適度な好天日が望ましい。
日々天気予報を確認して5月8日が良好と思われた。
最高気温10℃前後、風は弱風、天気は概ね晴れそう。
ただ最近弱雨が続き山は少積雪の確率が若干不安。
ほぼベストの状況と予想して登山に出かけた。

1 登山概要
5月8日(木) 晴時々曇 風速5m前後 気温5~10℃余

今回は北八甲田主要峰の残雪利用短縮歩きルート。
3年前に歩いた時とほぼ同じルートを辿る。
雪山歩きでは雪面を自由に歩ける点が最大魅力。
但し以下3点で注意が必要と感じる。
・樹木の密集している場所の通過
・急傾斜面などの危険地帯の回避
・沢などの安全な通過

今回のルートでは直接沢の横断は無し。
樹木の密集地帯通過は3年前に一部で手こずる。
小岳や高田大岳でヤブ歩きに少し難儀をした。
また急斜面歩きでも注意する箇所がある。
高田大岳中腹や酸ヶ湯への下りは時に要注意。
高田大岳は積雪状況で樹木回避進路が変わる。
下り急斜面は雪質により注意の仕方も変わる。

3年前と比較し今回登山で感じた事を記したい。
酸ヶ湯から地獄湯沢までは緩斜面歩行が続く。
微かに新雪痕は感じられたが歩行は全く問題無。
緩斜面歩行時は前登山者の踏み跡を辿って歩く。
極力最短歩きしたいが今回は少し無駄歩きした。

地獄湯沢の斜面登り後は左雪壁が樹林帯に移行。
今回も3年前同様に樹林帯の切れ目へ分け入る。
歩き易い所を選び大岳へ短縮ルートを登る。
3年前は10分余登った後に右樹林帯へ進んだ。
樹林帯を進んだ後に夏道の登山道に合流した。
ただ樹林帯が少し密集し通過で少し苦労した。
今回は前回より上に登った後樹林帯を通過した。
前回より樹林帯の幅も密度も減り楽に通過した。
直ぐ夏道に合流後は山頂まで支障なく登れた。

大岳から小岳~高田大岳でも省力登山を目指す。
不安点は小岳・高田大岳共に山頂付近の消雪。
前回はルート選定を誤りヤブ歩きで苦労した。
残雪歩きから登山道へ上手く接続して歩きたい。
幸い小岳・高田大岳共登山道へ上手く接続した。
ただ高田大岳は樹林帯と積雪の混在区間が長い。
場所により積雪のある樹林帯通過で苦労もある。
積雪状況で最適な通過ルートは柔軟な変更必要。
また局所的に急傾斜もありルート選びは要注意。

高田大岳から井戸岳へも最短歩行を目指す。
高田から小岳の北山腹を横切って井戸を目指す。
トラバースでは山側と谷側で足負担に差が出る。
山側の足を屈折し谷側の足を伸張し歩き続ける。
20分ほど窮屈態勢のトラバース歩行が続く。
だから極力緩斜面トラバースで負担軽減したい。
今回は前回より緩斜面歩行できた様に感じた。

トラバース後は井戸鞍部まで緩い登り道が続く。
井戸鞍部から山頂までは昨年改修整備した坂道。
所が改修登山道の真新しい木柱が複数で倒壊。
木柱の埋め込みの深さが浅く雪害で倒れた様だ。

井戸から赤倉までは稜線を快適に歩行する。
赤倉岳通過後は途中の大雪斜面を初めて下る。
3年前は今回より先で進路変更し毛無に下る。
今回は3年前より手前で進路変更し毛無に下る。
結果的には今回の方が楽に歩けたと感じられた。
樹林帯通過や斜度変化が少なく歩き易かった。

最後に酸ヶ湯へ下るルート選定でミスった。
前登山者の足跡との思い込みのルートロス。
更にルート復帰でも小ミスして少し無駄歩き。
それでも最終的に無事酸ヶ湯温泉に到着できた。
残雪期は注意さえ怠らなければ様々に歩ける。
ただ今回は最後に注意不足でミスを犯した。
最後に自戒する事で良い教訓が得られた。

2 体調面の考察
昨年から今年にかけて体力低下意識が急増した。
老化現象の諦め意識と体力維持したい意識の衝突。
老化現象は避けられない事は十分理解している。
一方で急激な老化感覚については小違和感もある。
普段の生活で改善点があるかもしれないと思う。
今現在様々な事を試行錯誤して体調観察している。
今回の登山も試行錯誤実験の一環で出かけた。

今回のルートは3年前のルートと9割は同じ。
3年前と今回の時間経過を簡略比較してみる。
       3年前 今 回
酸ヶ湯~大岳 101分 108分
大岳~高田岳 095分 101分
高田岳~赤倉 095分 099分
赤倉~酸ヶ湯 077分 073分
  計    368分 381分
3年前と今回は単純比較し難い点が複数ある。
前回は樹林帯通過で今回より苦労して歩いた。
今回は前回の経験を学習し効率的に歩けた。
今回は前回より合計約2km短縮歩行した。
前回は軽アイゼン2度脱落紛失し時間ロスした。
時間ロス分は除外して時間比較を数値化した。
以上勘案すると今回は3年前より快適歩行した。
しかし時間的には3年前より多く時間を要した。
3年前より楽なハズだが時間は多く要した。
という事で3年前より体力低下したと推測する。
一方で相応の時間内に歩けた事は評価できる。
ヤマレコ評価も0.7~0.8の早い速度評価を得た。
老化は進みつつ体力良好と自己評価したい。

3 時間経過
08:55 酸ヶ湯公共駐車場
09:30 地獄湯ノ沢冬道出入口
09:42 南八甲田展望所
09:46 地獄湯ノ沢
09:52 銚子の首
10:32 鏡沼
10:43 八甲田大岳 (1分)
11:21 小岳 (2分)
11:37 高田大岳と小岳鞍部の分岐
12:25 高田大岳 (食事休23分)
13:11 高田大岳と小岳鞍部の分岐
14:02 井戸沼
14:19 井戸岳
14:27 赤倉岳
15:40 酸ヶ湯温泉
徒歩時間 6:10 (休憩30分除く)
徒歩距離 14km

4 旅の写真
左手の雪壁低所から入山

最初は緩い登りの雪面歩き

地獄湯ノ沢登りから徐々に傾斜が増す

地獄湯ノ沢先の雪壁消失地点から大岳側へ左折

2週間前に歩いた南八甲田眺望

全く雪の無い大岳山頂到着(10:43)

未だ少し残る残雪を辿り小岳に向かう

これから向かう小岳と高田大岳

小岳鞍部から下ってきた大岳眺望

小岳へ最後の残雪登り

小岳山頂周辺も残雪無し

小岳東斜面に残る残雪とクラック

高田大岳と雛岳側への分岐地点眺望

高田大岳8合目前後から残雪無

高田大岳東峰到着(12:28)

東峰で小休憩後に再度高田西最高峰経由

この先の小岳北斜面トラバースルート確認

高低差を回避しトラバースルートを進む

沢筋を通過して対岸側へ進む

大岳と井戸岳の鞍部を目指す

井戸岳で昨年整備した歩道は大雪で崩壊

壊れた歩道を伝い井戸岳山頂へ

残雪の残る井戸岳火口跡

井戸岳山頂から赤倉への残雪続く遊歩道

赤倉岳

赤倉岳の先の残雪の大斜面を下る

徐々に緩斜面になり歩き易さ優先で樹林帯を通過

大岳の無雪期ルート交差地を横切って西進

上毛無の大平原雪面を進む

急傾斜の雪面を下る

酸ヶ湯温泉への急傾斜面を下る

改修中の酸ヶ湯温泉と大岳

5 登山ルート図

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする