熊野古道での道迷いは自分の責任で、道案内アプリFieldAccess(以下FA)に罪はない。
熊野古道ビジターセンターで地図帳をもらい、当初は、熊野本宮大社発~(大日越)~湯の峰温泉~(赤木越)~船玉神社~水呑王子~熊野本宮大社、と周回する計画を立てた。
しかし、地図帳に出発地の詳細図があるのを見落として、FAに表示された国土地理院地図の登山道の始まりを出発地と即断して迷路にはまった。
昨年の自転車旅行では、道案内をアップルやグーグルのマップに頼り、FAは走行記録の保存で利用した。市街地の道案内ではFAはマップに対抗できない。
しかし今年の登山旅行では、マップは登山道や標高データが表示できないため、登山用の道案内アプリの出番だ。
登山旅行を始めるにあたり、各種のアプリを購入して調べてみた。
候補は、FAの他、DIY-GPS、GPS-Track、やまやまGPS、YAMAP。
どれも登山道の表示はある。ただし一部のアプリは目印地点の表示が貧弱。最も貧弱なのは登山道や標高データは表示されても山名表示等が全くない。また登山道や目印を詳細に表示できるアプリは地図取得が有料で費用が多額になるため却下。
ということである程度詳しい無料の地図を表示できるアプリはFA以外になかった。
FAの場合、地図は国土地理院の1/25000地図を事前にダウンロードして利用する。
マップの場合は市街地での利用が前提のため、絶えず通信機能を使い地図を更新している。
しかし登山では通信圏外を歩くことが多く地図データは事前に取得しておく必要がある。
iPhoneに百名山全ての地図データを保存したら約1.3GBとなった。(地図取得範囲で増減有)
FAには他にも優れた点がある。地図の表示は他のアプリに比べてスムーズだ。
登山で歩いた記録を容易にパソコンに取り込めるため、様々活用もできる。
ブログに掲載している登山ルート表示も一旦パソコンにデータ保存して転用している。
(この方法は後日掲載予定)
バッテリーの持ちも優秀な方だと感じている。
スマホの通信を制限しGPSの道案内だけ利用すれば10時間程度は持つと思う。
FAの利点ばかり強調したが、使い方では注意も必要。
一番注意すべきなのは、国土地理院地図の過信は禁物ということ。
登山道が付け替えられる等の理由で、地図と実際の登山道に差があることはままある。
百名山の場合は登山道がほぼ明瞭なので、自分の判断で登山道を進む必要がある。
また目的地の位置が地図と実際で異なっている場合もあった。
平ヶ岳を登山した際、玉子石の場所が地図表示と異なっていて到達できなかった。
これらはFAの問題ではなく地図の問題なので、自分で適宜判断するしかない。
あとはGPSの正確性の問題もあり、10~50m程度の誤差は許容が必要と感じる。
まれにはGPSの記録の途切れも発生したが原因は不明。(2年間の利用で1回発生)
細かな点で注文はあるものの、今回の登山旅行では紙地図よりFAが最大の相棒だった。
熊野古道の道迷いの際も、結局はアプリのお陰で正しいルートに戻れたのだ。
現在地がアプリ地図上に正確に表示されることが如何に心強いかを肌身に感じた。