医学常識とは?

健康診断の基準値について様々書いてきた。
どうやって基準値が決められ医療に結びついていくのか。
基準値の決定の過程と、各時点における問題事例を追跡してみたい。

①昔は人体実験を含めて様々な実験が行われ身体の仕組みを解き明かそうとした。

②[例]100年以上昔にウサギにコレステロールを投与する実験で動脈硬化を確認した。
 しかし草食動物のウサギに不必要なコレステロールを投与すれば当然異常が起こる。
 (「ケトン体が人類を救う」161P宗田哲男著H27.11光文社新書)

③不確かな実験結果でも一度理論が確立されるとその後は再検証されにくい。

④高血糖・高脂質・高血圧が危険と理論が確立されると、その後は危険度判定となる。

⑤[例]コレステロールについて「虚血性心疾患の一次予防ガイドライン」報告書がある。
(虚血性心疾患=狭心症・心筋梗塞等、2011年報告公表、2015年更新版公表)
(http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2012_shimamoto_h.pdf)
 この中で総コレステロール上昇と虚血性心疾患の関連性が明確だと報告されている。
 値上昇と病気上昇の関連データや治療で疾病減少したデータも提示している。
 では何故2015年の総コレステロール基準値の撤廃に反対しなかったのか?

⑥データの読み方により原因と結論が全く逆になることがある。
 [例]コレステロールについては病気や妊娠等で一時的に値が高くなることがある。
 これは病気や妊娠に身体が対応するためコレステロールを増加させる仕組みの影響。
 つまり病気や妊娠が原因でありコレステロール増加は身体が対応した結果。
 コレステロール増加が病気を引き起こすとの説は原因と結果を取り違えている。
 研究者は「コレステロール減少で病気も減少」した報告について説明義務がある。

⑦[例]血糖については血糖値が高くなれば発症率が高くなることにほぼ間違いない。
 一方で血糖値が低いのも問題があるらしいが余り重要視はされていない。
 HbA1c値は人間ドック基準値で5.5%以下が正常で6.5%以上が異常。
 日本糖尿病学会では4.6~6.2%を基準範囲と定めているらしい。
(AllAbout健康・医療サイト https://allabout.co.jp/gm/gc/300327/ より)
 一方でHbA1c値が5.0未満の場合心血管疾患リスクが正常者の1.5倍に上昇の情報も有。
(健康生活サイト http://health-to-you.jp/diabetes/hda1c34078/ より)
 つまり正常基準値内でも病気の確率が非常に高い可能性があるということ。

⑧[例]血圧について降圧剤を飲むと脳梗塞の発症率が2倍に増加との実験結果がある。
(「高血圧はほっとくのが一番」53P・松本光正著 より)

⑨現在の医療は値が高い場合のみ極端に重視し、薬で値を下げることに腐心している。
 しかし血糖も脂質も血圧も下がり過ぎれば生命に直結することは明白。
 本当に値を下げることが身体にとって有効なのか、疑問が大きい。

⑩高値の危険性の理論確立後は、如何に値を低くし成果を上げるかのみの医学界。

⑪昔は人体実験も行われたが今は公式には人体実験は許されない時代。

⑫このためまず小動物で実験が行われ、徐々に病気患者に試験投与されていく。

⑬この段階で何らかの特殊事情が発生してもその内容はほとんど明らかにされない。
 1980年代にコレステロール薬の試験治療が多数協力者を得て行われたが突然説明無く中止。
 (「考える血管」153P児玉龍彦共著H9.6講談社ブルーバックス)

⑭実験を終えて問題がなく治療効果のあるものが薬として承認を受け販売される。
 しかし実験段階での不正事例や販売後に副作用で販売中止となるケースもある。

もう一度流れを整理してみる。
①高い値が病気の原因だとする実験結果が過去に出される。
②昔は実験結果の正当性や原因と結果の因果関係の検証が十分には行われない。
③低い値の検証も不十分なまま高い値を下げることに価値があると理論が確立する。
④値を下げる方法として薬が開発され値を下げる効果と病気改善効果が検証される。
⑤効果が検証された薬が世界中に出回るが後に副作用問題が表面化する場合がある。

この流れの中でこれまで問題を指摘された事例
①過去の理論確立の段階で検証が十分行われていない。
②薬の開発段階で行われる検証実験の公表が不十分。(不正事例も発生)
③薬の効果に対して薬の副作用に関する説明が不十分。

この様な状況で町医者等が自身の体験や患者治療実績を基に新たな説を唱え始めた。
しかし町医者レベルでは治療実績の標本数には限界があり情報発信力も弱い。
一方で各学会は従来の学説と正反対の主張のため猛反発又は完全無視の対応をとる。
学会等で無視されると新説の検証実験機会も無く新説は異端説という状況が続く。
現場で働く多数の医師は真偽の判断材料がないため従来の学説に沿った医療を継続する。
このため医学界全体として新説の支持者は少数派に留まり世間の注目も集まらない。
世間の注目が集まらなければ患者の側では新説の存在もほとんど知られない。

これらの新説を唱える医師は実績数は少ないが十分に検証していると思われる。
医師としての資質も高く良心的な主張をしているのに広く伝わらないのは残念なこと。
しかし近年ネット環境が急拡大してきて状況に変化が生まれつつある。
糖質制限食はネット環境拡大にダイエットの魅力も加わりブームを呼んでいる。
コレステロール摂取も個々人が取り組み健康成果がネットで広まれば普及するかも。
血圧については新説に取り組んでも成果検証が困難であり一般普及は難しいだろう。

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