天気 晴れのち霧
朝5時前に出発準備をしていると車3台到着。
1台は長野ナンバーの単独登山者。
2台は地元ナンバーで各車に1人ずつ2人コンビ。
長野の人は、大朝日小屋に宿泊し以東岳~大朝日岳を2日で往復予定とのこと。
地元の人は、最初は早朝登山に来た地元登山者と思った。
地元2人組は登山準備中で、長野の人とほぼ一緒の朝5時登山出発。
私の登山速度は普通速度だが休憩が少ないので、トータル的に他人より早いペース。
長野の人は私より早歩きなので徐々に引き離された。
一方、地元2人組の来る気配はなく、このまま追い越されないと思っていた。
しかし、小沢を渡る際に足を滑らせて片足を沢水に浸けてびしょ濡れ。
靴を脱ぎ靴下を脱いで足を拭いていたら、地元2人組が私を追い越していった。
つい数分前までは背後から人が来る気配は全然感じなかった。
沢渡り失敗で時間を5分ほどロスしたが、それにしても2人組のペースは速い。
登山口からは急斜面の山腹に取り付けられた斜道が続く神経を使う道。
2人組は相当山慣れした人か、この山域を良く知る人だろう。
その後20分ほど先に進むと2人組が休憩をしており私は挨拶をして追い越す。
そして更に20分ほど進むと2人組は私の前を歩いていた。
まるで幻覚を見た気分の私は2人組にどこで追い越したか尋ねる。
山腹をつづら折りで登る道を私が行く間にショートカットして登る道を進んだとのこと。
確かにつづら折り道は傾斜が緩く長い道だが、ショートカット道があるとは気付かなかった。
但しつづら折り道の所々には山肌の土砂流出防止のため直登禁止のロープが張られている。
随分道に詳しいですね、と言うと相手はタキタロウ山荘の主人(管理人)だった。
よく見ると「登山巡視員」の腕章をしていた。迂闊だった。
数日前の大雨で山荘前の水場が断水してないか確認のために来たとのこと。
水場は沢水を引いているが年に数回は大雨で土砂や枯葉等が取水口を塞ぎ断水するそう。
安全・安心登山のために陰では様々な人々が支えている。感謝。
幸いタキタロウ山荘前の水場は断水していなかった。
ご主人にはこの先の登山情報を教えていただいた。
ご主人の話では今日の天気は最近では最高の天気。
この時期は月に数回しか晴天にならないのだそう。
晴天は素晴らしい一方で気温も相当高い。水が重要になる。
大鳥池(タキタロウ山荘)で登山道は直登コースとオツボコースの2手に分かれる。
直登コースは沢渡りのある短時間コース、オツボコースは花咲く多少長めのコース。
オツボコースを選択するとすぐに急登が始まる。
三角峰に向かう手前で小さい雪渓を慎重に渡る。
眺望が素晴らしい。チングルマやヒメサユリも出現。
三角峰からの登山道は以東岳を望み歩く眺望良好コース。
眺望も凄いが発汗も凄く予定を少し遅れて以東岳に到達。
以東岳山頂で軽食をとりつつ体力回復のため休憩。
休憩時にザックを確認するとショルダーベルト取付部の一部破断が判明。
実は登山途中でザックからビリッと音がして嫌な予感がしていた。
ザックは最近試し購入した中国製の安物。背負うのに致命傷でないのが不幸中の幸い。
以東岳山頂からは大鳥池やその周辺の山並みが美しい。
しかし昼前から少しずつ遠方の山々に雲がかかり始めた。
大朝日岳方面は徐々に雲の中に隠れ始める。
以東岳で十分休憩後、狐穴小屋の水場に向かう。
狐穴小屋手前に20m程の雪渓があるが傾斜は緩く問題なし。
狐穴小屋の前には冷たく豊富な水量の水場がある。
思う存分飲水と水浴びを楽しみ水袋容器にタップリ補給した。
中先鋒を過ぎて寒江山に登る頃から周囲に霧が現れ暑さも弱まる。
眺望は楽しめなくなるが身体には優しくて助かる。
今夜の宿「竜門小屋」到着は予定を1時間超過し16時半。
竜門小屋の前には水量豊富な水場完備。
竜門小屋では同宿者が3グループ6人。
夕暮れ時には霧が晴れて現れた景色を眺めながら夕食を楽しむ。
そして明日の計画に思いをはせる。
今日はペースが多少遅くても問題はなかった。
しかし明日は予約した民宿に遅れずに到着したい。
早朝に出発してペース維持に努める必要がある。
チングルマの先に辿ってきた道を振り返る
(三角峰の手前にて)
05:05 泡滝ダム・発
07:55 大鳥小屋 (25分休憩)
11:35 以東岳 (25分休憩)
13:55 狐穴小屋 (10分休憩)
16:35 竜門小屋・着
歩行時間 10時間30分
歩行距離 21km