8月29日(土)
天気 曇り後雨、最高気温 20℃
昨夜は蒸し暑かったが朝方少し涼しくなる。
5時半頃に弱い霧雨があるが直ぐに止む。
テント撤収に支障はなく6時前に公園を出発。
出発して約1時間歩いた頃に小雨が降り出す。
一旦降り出した雨は徐々に強くなる。
雨が降り続く事は確定的と覚り雨合羽を着る。
北海道に来てから初めての本格的な雨。
登り道で標高が高まるにつれ雨脚も強まる。
雨合羽だけでゲイター無しで歩き靴内に浸水。
9時半に通った塩狩パークで一時休憩する。
土砂降りまでには至らないが強い雨。
防水靴だったが特に右足靴内に浸水した。
登山や長距離歩行で防水機能に綻びが生じたか?
ゲイターを着用すればもう少し防げたか?
休憩所で靴を脱いで濡れた靴下の水を絞る。
軽食も摂り50分休憩後に徒歩を再開する。
15分ほど歩くと峠の先に三浦綾子旧宅の標識。
三浦綾子の小説を読んだ事はない。
ただテレビドラマ「氷点」が幼少期に流行った。
少し興味を感じて寄り道する事にした。
国道から3分ほどの所に塩狩峠記念館がある。
玄関前に着いて「コロナ注意喚起」の掲示を見る。
雨合羽を着ている事もあり入館が急に面倒になる。
記念写真だけ撮って入館はせず引き返す。
引き返す途中で道の下の方に石碑が見えた。
何だろうと興味が引かれ7mほど坂道を下る。
石碑に刻まれた文章を読んで衝撃を受ける。
乗客を救うため自ら列車の下敷きになった人がいた。
長野政雄という人で明治42年の話。
事故現場がここ塩狩峠。
列車が峠に向かう時連結がはずれ最後尾客車が坂を逆走。
その時に長野政雄が自ら客車の下敷きになり暴走を止めた。
とても信じられない様な実話に大ショック!
塩狩峠を後に先に進むと道の駅けんぶちに着く。
農産物直売所でトマトやトウモロコシを購入。
トウモロコシ(70円!)はベンチで生食する。
ジューシーでとても甘みがあり最高に美味しい。
夕方に士別市入りしスーパーで夕食を調達する。
その後はつくも水郷公園キャンプ場に向かう。
雨は一時止んだ時もあったが公園到着時も雨。
公園全体にもキャンプ場にも人影は無い。
公園の東屋で雨と風を避ける様にテントを張る。
しかし風向きが一定せずテントには雨があたる。
昨日の暑さから一転して涼しいテント内で夕食を摂る。
その後は横になって今日一日を振り返る。
今日は塩狩峠の長野政雄がずっと頭から離れない。
人は自らの命を犠牲にする事を瞬時に判断できるか?
過去に線路に転落した人の救助で犠牲になった人がいた。
だがその人は最初から自分が犠牲になると考えたろうか?
転落した人も自分も共に助かろうとしたのではないか?
そもそもこの事故はどの様に起きたのかよく分からない。
ネット検索しても昔の出来事のため詳細は分からない。
(事故現場の目撃者がいなかったため真相不明)
三浦綾子は実話を元に「塩狩峠」という創作小説を発表。
これが「氷点」と並ぶ三浦綾子の大ベストセラーとなる。
長野の事も本の事も全く知らなかった。
コロナ禍での旅では人間の生きる意味を考えさせられる。
人間の命が大切という事はよく理解している。
しかしどんなに大切な命にも必ず寿命はある。
生き永らえれる事が最大目的という人生は悲しいと思う。
「命を全うする」とは「如何に死ぬか」に繋がると思う。
自分の信念に従って生き命を全うできれば最高ではないか。
【追記】長野政雄、三浦綾子関連のネット情報
個人ブログ記事: 塩狩峠客車暴走事故慰霊碑
北海道紹介Webサイト: 塩狩峠~ふたつの大河を分ける物語
佐藤優の記事: 日本人が命を投げ打ってでも仕事を遂行する理由
いのちのことば社Webサイト: 三浦綾子の代表作
愛別町農村公園の早朝
出発後6時に寺の鐘撞きを聞く
秋桜の咲く道を行く
金富(かねとみ)橋を渡る
愛別川と石狩川の合流地点
雨が降り始めた時国道40号へ右折
士別市へ向かう
雨の中に咲く淡紅色の花 (ヒルガオ?)
雨が強まった時に塩狩パーク到着
塩狩パーク休憩所で雨宿り休憩
塩狩峠記念館~入館せず撮影だけ
塩狩峠の長野政雄顕彰碑
今回の旅で最大の衝撃!
峠を下りると和寒町中心街
巨大カタツムリと出会う(15cm?)
剣淵町に入ると一時雨は止む
道の駅絵本の里けんぶちの映画看板
道の駅で買ったトマトやトウモロコシ等
今年一番美味しいトウモロコシを生食
士別市に入る
士別市のスーパーで買物
質より量を重視
つくも水郷公園に到着~キャンプ場へ
キャンプ場そばの東屋にテント設営
弱風が吹き小雨が降り続く
北海道縦走旅15日目の経過
05:50 愛別町農村公園・発
09:35 塩狩パーク (休50分)
10:40 塩狩駅 (10分)
14:25 道の駅けんぶち (休50分)
16:45 士別市のスーパー (買物40分)
18:05 つくも水郷公園・着
歩行時間 9:30
歩行距離 46km
北海道縦走旅15日目の徒歩ルート