大峰奥駈縦走旅の感想と学習

大峯奥駈縦走後に悪天候で旅を一時中断する。
熊野から大阪に移動し西成区の安宿で2泊。
その後四国徳島で1泊し翌日から四国遍路する。

大峯奥駈道は修験道としての歴史が古い。
奈良県は大峰奥駈・小辺路の道を弘法大師の道と命名。
※ 参考情報 弘法大師の道、弘法トレイル

Kobo トレイル Kobo Trailを開催します!弘法大師空海が高野山を開く前、若かりし頃に修行したのが、奈良県吉野山~洞川~高野山を結ぶ「弘法大師の道」だ。この道を、トレラン界のトップアスリートと走る夢のレースが、いよいよ今年も開催!

大峯奥駈縦走旅を少し振り返りたい。
大峰奥駈道は吉野から熊野まで約110kmの道のり。
最高峰は日本百名山の八経ヶ岳(大峰山)で1915m。
次の高峰が日本二百名山の釈迦ヶ岳で1800m。
(正確には弥山や通過せず迂回した山にも高峰有)
その他にも1700m台の山が連なり大峰山脈を形成。
日記でも記した太古の辻で北と南の奥駈道に区分。
高峰は全て北に集中し南の最高峰は天狗山1537m。

修験道を実感する要素の一つはアップダウンの辛さ。
そしてもう一つが鎖場や梯子場、崖沿いの細道等。
鎖場の最大難所は大日岳だがここは今回迂回した。
その他の鎖場は一般登山道の並危険レベルぐらい?
あくまで私の感覚だが注意して歩けば問題ない。

今回鎖場で最も危険を感じた所は地蔵岳の鎖下り。
鎖の登りなら足場が見えるが下りだと見え難い。
更に垂直に近く、足場が小さく、雨天が重なった。
剱岳のカニの縦バイに比べ地蔵の方が足場は悪い。
ただ垂直距離が地蔵は約5m、剱岳が約20mで4倍差。
やはり垂直距離の長い方が怖さが増すと思う。

修験道歩行の目的は辛さの克服と恐怖の克服と思う。
今回は過去の全山旅中最長の4泊5日の旅だった。
ただ最近は荷物の重さに少し慣れたかもしれない。
15kgは相当重かったが数年前よりは疲労感は減少。
荷重の辛さより重い荷物で不安定な道歩行が怖い。
不安定な場所は重い荷物で身体が揺れ易くなる。
微妙な足場ミスで身体が揺られると相当危ない。

私個人的には鎖の無い崖沿いの細道歩行が怖い。
崖沿いの細道歩きが怖い事を自己分析してみた。
重い荷物を背負い歩く時は足の動きが鈍くなる。
結果的に少しの障害物等で躓くケースも増える。
例えば木の根や石等に躓く割合が若干高くなる。
一般道だと躓いても危険に直結する事は少ない。
しかし崖沿いの細道歩行では大事故に繋がる。
そのため崖沿いの細道歩行を怖く感じる。

ならば躓かない様に歩ければ安心ではないか?
躓かない様歩くには何が大事か?
大事なのは木の根や石等の危険物の回避。
そこで自分の歩行を自己分析してみた。
すると自分は危険物回避意識が不十分と判明。

人の歩行を大きく3つに分類してみる。
1 舗装道等の安全道の歩行
2 林道や砂利道等の多少歩き難い道の歩行
3 特に危険の大きい場所の慎重な歩行

1の場合は地面への注意は最低限の軽快歩行
2の場合は地面に注意し速度も配慮し歩行
3の場合は足元に最も注意し速度抑制歩行
1、2、3を歩行速度(荷物有)で比べると
1は時速4~5km、2は2~4km、3は1~2km。

2と3について更に具体的に分析する。
人は歩く時足元と前方の注意を同時にする。
足元に危険がないかと前方確認を両方する。
足元に危険が少なければ前方注視を重視する。
しかし足元が危険な場合は足元に意識を集中する。

今回の大峰登山の場合地蔵岳では完全に3で歩いた。
つまり足元を1歩1歩確認しつつ慎重に崖を下りた。
一方で崖沿いの細道歩行時は3よりも2に近い歩行。
つまり足元に注意しつつ速度も気にして歩行する。
この場合は足元を確認する時間が短くなる。
具体的には着地の際は既に視線が次目標に移動。
つまり着地の際には足元を注視していない事。

今回自分の歩行を改めて意識的に観察した。
すると着地の際目標地点どおりの着地はほぼない。
目標地点から1cmほどズレる事は頻繁に起きる。
足元をよく見て着地しても微妙にズレる事も頻発。
これは一般登山道歩行なら大きな問題はない。
しかし危険箇所の通過なら着地の1cmのズレは大きい。
最悪の場合は転倒や滑落さえ発生しかねない。

改めて足元を注視し目標位置に着地する事を意識。
すると崖沿いの細道歩行時に足への意識が集中する。
結果的に恐怖を感じる度合いが減少した。
私は極端な高所恐怖症ではないが高い所は怖い。
剱岳のカニの縦バイや横バイも恐怖はあった。
しかし足元に意識を集中していると恐怖は薄れる。
それと同じ感覚を崖沿い細道歩行でも感じられた。
危険地帯の歩行の時ほど足の着地に意識を集中する。
それが足元の安全度を増し恐怖感を和らげると感じた。

登山歴は長いと自認していたが今回は新発見した。
危険地帯ほど足元を注視し目標地点への着地を意識。
これが自分の安全と恐怖の緩和に役立つ。
ただ実際の登山では足元の注意はなかなか難しい。
足元を注意して歩く事は疲れるし楽しくはない。
だが少なくとも絶えず意識は心掛けようと思う。

大峰奥駈縦走2日目の崖沿い細道歩行

次回からは四国遍路旅の報告をしたいと思います。
データ準備で少し時間を頂き数日後から掲載予定です。

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