大峰奥駈縦走旅の感想と学習

大峯奥駈縦走後に悪天候で旅を一時中断する。
熊野から大阪に移動し西成区の安宿で2泊。
その後四国徳島で1泊し翌日から四国遍路する。

大峯奥駈道は修験道としての歴史が古い。
奈良県は大峰奥駈・小辺路の道を弘法大師の道と命名。
※ 参考情報 弘法大師の道、弘法トレイル

Kobo トレイル Kobo Trailを開催します!弘法大師空海が高野山を開く前、若かりし頃に修行したのが、奈良県吉野山~洞川~高野山を結ぶ「弘法大師の道」だ。この道を、トレラン界のトップアスリートと走る夢のレースが、いよいよ今年も開催!
2022年04月16日(日帰り) 大峰山脈, 無雪期ピークハント/縦走 / tetsuyamの山行記録

大峯奥駈縦走旅を少し振り返りたい。
大峰奥駈道は吉野から熊野まで約110kmの道のり。
最高峰は日本百名山の八経ヶ岳(大峰山)で1915m。
次の高峰が日本二百名山の釈迦ヶ岳で1800m。
(正確には弥山や通過せず迂回した山にも高峰有)
その他にも1700m台の山が連なり大峰山脈を形成。
日記でも記した太古の辻で北と南の奥駈道に区分。
高峰は全て北に集中し南の最高峰は天狗山1537m。

修験道を実感する要素の一つはアップダウンの辛さ。
そしてもう一つが鎖場や梯子場、崖沿いの細道等。
鎖場の最大難所は大日岳だがここは今回迂回した。
その他の鎖場は一般登山道の並危険レベルぐらい?
あくまで私の感覚だが注意して歩けば問題ない。

今回鎖場で最も危険を感じた所は地蔵岳の鎖下り。
鎖の登りなら足場が見えるが下りだと見え難い。
更に垂直に近く、足場が小さく、雨天が重なった。
剱岳のカニの縦バイに比べ地蔵の方が足場は悪い。
ただ垂直距離が地蔵は約5m、剱岳が約20mで4倍差。
やはり垂直距離の長い方が怖さが増すと思う。

修験道歩行の目的は辛さの克服と恐怖の克服と思う。
今回は過去の全山旅中最長の4泊5日の旅だった。
ただ最近は荷物の重さに少し慣れたかもしれない。
15kgは相当重かったが数年前よりは疲労感は減少。
荷重の辛さより重い荷物で不安定な道歩行が怖い。
不安定な場所は重い荷物で身体が揺れ易くなる。
微妙な足場ミスで身体が揺られると相当危ない。

私個人的には鎖の無い崖沿いの細道歩行が怖い。
崖沿いの細道歩きが怖い事を自己分析してみた。
重い荷物を背負い歩く時は足の動きが鈍くなる。
結果的に少しの障害物等で躓くケースも増える。
例えば木の根や石等に躓く割合が若干高くなる。
一般道だと躓いても危険に直結する事は少ない。
しかし崖沿いの細道歩行では大事故に繋がる。
そのため崖沿いの細道歩行を怖く感じる。

ならば躓かない様に歩ければ安心ではないか?
躓かない様歩くには何が大事か?
大事なのは木の根や石等の危険物の回避。
そこで自分の歩行を自己分析してみた。
すると自分は危険物回避意識が不十分と判明。

人の歩行を大きく3つに分類してみる。
1 舗装道等の安全道の歩行
2 林道や砂利道等の多少歩き難い道の歩行
3 特に危険の大きい場所の慎重な歩行

1の場合は地面への注意は最低限の軽快歩行
2の場合は地面に注意し速度も配慮し歩行
3の場合は足元に最も注意し速度抑制歩行
1、2、3を歩行速度(荷物有)で比べると
1は時速4~5km、2は2~4km、3は1~2km。

2と3について更に具体的に分析する。
人は歩く時足元と前方の注意を同時にする。
足元に危険がないかと前方確認を両方する。
足元に危険が少なければ前方注視を重視する。
しかし足元が危険な場合は足元に意識を集中する。

今回の大峰登山の場合地蔵岳では完全に3で歩いた。
つまり足元を1歩1歩確認しつつ慎重に崖を下りた。
一方で崖沿いの細道歩行時は3よりも2に近い歩行。
つまり足元に注意しつつ速度も気にして歩行する。
この場合は足元を確認する時間が短くなる。
具体的には着地の際は既に視線が次目標に移動。
つまり着地の際には足元を注視していない事。

今回自分の歩行を改めて意識的に観察した。
すると着地の際目標地点どおりの着地はほぼない。
目標地点から1cmほどズレる事は頻繁に起きる。
足元をよく見て着地しても微妙にズレる事も頻発。
これは一般登山道歩行なら大きな問題はない。
しかし危険箇所の通過なら着地の1cmのズレは大きい。
最悪の場合は転倒や滑落さえ発生しかねない。

改めて足元を注視し目標位置に着地する事を意識。
すると崖沿いの細道歩行時に足への意識が集中する。
結果的に恐怖を感じる度合いが減少した。
私は極端な高所恐怖症ではないが高い所は怖い。
剱岳のカニの縦バイや横バイも恐怖はあった。
しかし足元に意識を集中していると恐怖は薄れる。
それと同じ感覚を崖沿い細道歩行でも感じられた。
危険地帯の歩行の時ほど足の着地に意識を集中する。
それが足元の安全度を増し恐怖感を和らげると感じた。

登山歴は長いと自認していたが今回は新発見した。
危険地帯ほど足元を注視し目標地点への着地を意識。
これが自分の安全と恐怖の緩和に役立つ。
ただ実際の登山では足元の注意はなかなか難しい。
足元を注意して歩く事は疲れるし楽しくはない。
だが少なくとも絶えず意識は心掛けようと思う。

大峰奥駈縦走2日目の崖沿い細道歩行

次回からは四国遍路旅の報告をしたいと思います。
データ準備で少し時間を頂き数日後から掲載予定です。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする