コロナ感染の因果関係を探る

私は今回5月10日に旅に出発しました。
そして17日に青森の実家に帰宅しました。
今回は1週間で旅の継続を断念しました。
旅の経過については後日報告の予定です。

旅先では「県外移動の自粛要請」をよく目にした。
今回1週間の旅行期間中に宿に泊まったのは1泊。
宿泊拒否が不安だったが無事宿泊はできた。

旅館やホテルはコロナ禍で非常に苦しいと思う。
私が昔利用した十和田の富士屋ホテルは9月で閉館。
食事で時々利用する青森の国際ホテルは25日破産。
コロナ禍で最も痛手の大きい業種は宿泊業や観光業。
一日も早いコロナ収束を願うばかり……

国際ホテル破産と同じ日に緊急事態宣言が全国で解除。
しかし感染拡大の恐れが残るため依然注意が必要。
その注意とは、
「外出控え」「3密回避」「換気」「咳エチケット」「手洗い」
私達はいつ元の暮らしに戻れるのかしら?

次に2人の感染症専門家の記事を紹介する。

5月26日のYAHOO!ニュース(感染症専門医 忽那賢志)
緊急事態宣言解除 これからも気をつけるべきこと
記事中「換気の必要性」に関する要約
「一人の感染者が生み出した2次感染者数」調査結果によれば
・感染者の8割は他人に感染させていない
・密閉(非換気)空間にいた2割が感染を拡大させた
・その密閉空間は「スポーツジム」と「屋形船」
・よって換気を良くする事が重要

5月4日の東洋経済オンライン記事 (感染症専門医 岩田健太郎)
手指消毒がコロナに1番効く理由
簡単に要約すると、
・コロナウィルスは空気感染しない
・気をつけるべきは飛沫感染と接触感染
・飛沫の飛距離は2m程度で容易に回避可能
・接触感染予防の手すり消毒等は際限が無い
・接触感染を防ぐには手指消毒が最も有効
・環境の消毒より自己管理に努める事が効率的
岩田医師の発言(抜粋)
「もし外でウイルスと接触しても、自分の手に付いているウイルスさえ死んでしまえば、目をこすったり、鼻を触ったり、ものを食べたりしても体内にウイルスが入ることはありません。そうすれば、どこにウイルスがいても結局は関係ないですよね。」

感染症専門医の間でも見解に相当隔たりがある。
一方は環境浄化の必要性を説き片方は自己管理を説く。
「空気感染」「換気」「密閉」への警戒は必要か?

週刊新潮(5月28日号)にはこんな記事があった。
「空気感染しない証拠!」
「ロックダウンは必要なかった」英大学研究チームの衝撃論文
簡単に要約すると、
【英大学研究チーム論文の結論抜粋】
・大規模集会や休校は介入後の日数経過と共に感染者減
・ロックダウンは日数が延びるにつれて感染者増
・外出禁止が感染拡大抑制に効果ない可能性あり
【京都大学の宮沢准教授のコメント】
・飛沫・接触感染に注意し空気感染は心配不要
・道端で感染者と擦れ違うぐらいでは感染しない
・満員電車で感染拡大した例は報告されていない
・ラーメン屋のカウンターで一席飛ばしに座る必要なし

少し過去の出来事を振り返ってみる。
印象的な出来事にイラン高官の感染ニュースがあった。
イラン保健省”汗かき会見”実はコロナに感染
次官に続きイラン副大統領も感染
イラン政府内で次々に感染拡大した印象がある。
しかしその後イラン政府が機能不全となった話は聞かない。
保健省の次官が咳き込んで隣にいた高官は感染したのか?
その他にも記者会見場に多くの人がいたが感染したのか?
特にニュースになっておらず感染拡大はなかったと推測。

以前書いたが愛知の酒場で感染者の隣に座った女性は感染せず。
これらの状況を考えると空気感染はない様に思われる。
そこで「スポーツジム」と「屋形船」の話に戻りたい。
果たして密閉だから感染拡大したのだろうか?
屋形船は飲食と会話による飛沫感染ではないだろうか。
スポーツジムは発汗で目や鼻や口をタオルで拭く。
そのタオルから手を通じて他の器具を触る事になる。
典型的な接触感染ではないだろうか。

以前書いたが研究実験では空気感染は起こり得るらしい。
しかし実験と現実は違う。現実には起こり難いのでは?
そうであるならば、
「3密回避」や「換気」に有効性は無いのではないか?
密集・密閉・密接と感染のし易さは連動しないのでは?
大切なのは[会話]と[食事]の際の相手からの飛沫の注意。
そして様々な感染物から身を守る「手指消毒」すれば万全か!?

世界中では長期にわたりロックダウン(都市封鎖)が続く。
感染増加率は減少しつつあるが依然として感染は続く。
果たしてロックダウンが有効な対策だろうか?
人の自由を極力制限せず有効な対策を私は望みたい。
それが多くの困窮者を救う道だと考える。

5月17日にNHKスペシャルが放送された。
新型コロナウィルス ビッグデータで闘う
放送の中で山中伸弥教授が、
「BCG接種国では死亡者が少ないという因果関係だけで」
「それに当てはまらない国も複数ある」と発言された。
多分これは、相関関係と因果関係を混同した発言と思う。

【人口100万人あたりの死亡率の比較】(番組データ)
台湾、日本、韓国等のBCG接種国の死亡率は5人以下。
英国、イタリア、スペイン等のBCG非接種国の死亡率は400~500人。
国により相関関係が推測されるが全てには当てはまらない。
相関関係がなければ因果関係は認められないハズ。

相関関係と因果関係の検証は難しいと改めて思う。
先述の空気感染の疑問も相関関係上の推測程度の話。
当然ながら因果関係は分からない。
そして因果関係検証の有効な方法は実社会での実験。
例えば、映画館、パチンコ店等は通常は密集(密接)。
通常通り営業しても感染者が増えなければ因果関係ナシ。

ところが現実には因果関係の検証は困難。
映画館やパチンコ店で感染者ゼロでも無関係の証明にならない。
店に感染者がいなければ感染は絶対発生しない。
仮に店に感染者がいても周囲の人が抗体保持者なら感染しない。
人は映画やパチンコ以外の活動もするため因果関係検証は困難。
それでも全く無意味ではない。
大規模な社会実験ができれば傾向把握の可能性はある。

しかし現在の状況で通常営業は難しいだろう。
今の世の中には「3密回避」が浸透し過ぎている。
そして医学界や政治家や行政機関は方針転換を嫌う。
医学界の保守主義体質については以前書いた。
医学常識とは?
政治にしても行政にしても前言撤回は滅多に無い。
しかし今は「未知のウィルス」との闘いだ。
「試行錯誤」は必要でそれが新たな光明になる。

大阪府の吉村知事が「大阪モデル基準」を変えたニュース。
大阪モデル基準変更 吉村知事「誤解与えないため」、山中さん「信頼揺らぐ」
コロナ禍の超過密業務中での基準策定での凡ミスと思われる。
基準検討に少し時間の余裕があれば防げた様な凡ミス。
吉村知事は従前基準(前言)を訂正し基準を改めた。
山中教授は懸念を表明したが私は同情したい。
先進的な取組の際は試行錯誤的なミスも発生し易い。
特に今回は時間が切迫した状況で基準策定している。

吉村知事には失敗を恐れず今後も先進的な取組の継続を切に願う。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする