天気 曇りのち雨
仙遊寺宿坊に宿泊した翌朝、朝食前に朝のお勤めがあった。
お勤めが30分、住職の講話が30分で7時からの朝食に合わせている。
住職の講話と言っても堅苦しい話は抜きの住職の体験談が中心。
自身の実家は貧乏で奥様は裕福な家庭だったのによく結婚できたこと。
約一年前に奥様を癌で亡くしたこと。
亡くして改めて奥様に感謝一杯なこと。
自分が節約家なこと。
育てていた弟子に最近逃げられたこと。
お金をかけ育てたのに礼も無く去られ口惜しかったこと。
「許し」と「慈悲」の心が大切なこと。
この許しと慈悲が特に印象に残った。
弟子の話を口惜しそうに話ながら、この2つの心を自らに言い聞かせているように感じた。
また奥様を亡くした痛手も強く伝わり、何故、慈しみだけでなく悲しみも加えた慈悲なのかを自らの心と対話しているような雰囲気で、説教坊主とは異なり心に沁みて考えさられた。
仙遊寺を出発し国分寺を打ち終えた後の横峰寺までが長かった。
覚悟はしていたが昼から雨が降り出して一層長く感じた。
松山自動車道の高架下を通り抜けた後は驚いたことに自動車道2時間、山道1時間の合計3時間、車一台、人一人全く出会わなかった。
最初は小雨から徐々に雨は強さを増した。
そして何と、靴中がまた濡れだした。
先日は土砂降りだったから仕方ないと思っていたが、これは変だ。
色々考えながら歩き、真犯人と思われるモノを考えついた。
中敷(インソール)が怪しい。
しかしまだ確認が必要なため旅行後に解明することになりそう。
横峰寺への道中で唯一出会った架線工事のおじさんは、横峰寺へ行くのは無理ではないかと心配してくれたが、ギリギリ間に合い何とか納経を終えた。
しかし納経後は下山しないといけない。
道の駅方面に下山するつもりだったが、雨と夕暮による見通し不良で道がわからず、香園寺奥之院方面に進む。
しかし道の駅に行っても雨の中屋根の下にテントが張れるか自信がなかったが、奥之院に下りた結果は屋根の下にテント設営場所を確保できて、むしろ幸いだった。
これもお大師様のお導きなのかもしれない。
朝に仙遊寺でお勤めをして一歩だけ仏様の世界に近づけたかも?
朝のお勤めの様子
奥に見えるご本尊様は国宝級とのこと
(中央に奥様の遺影)
07時30分 仙遊寺宿坊を出発
09時05分 59番国分寺に着
16時40分 60番横峰寺に着
19時00分 香園寺奥之院に着(野宿)
歩行時間 10時間30分
歩行距離 47km