1 登山概要(3日目)
期日 R5年10月13日(金)
行程 大白森山荘~笹森山~秋田駒~田代平山荘
天気 晴れ後ガス後晴れ
今日は今回の旅の中で最もキツい日程。
丁度良い山小屋が途中に無いため長距離歩行計画。
昨夜17時過ぎに就寝して今朝の起床は3時15分。
安眠とは言えないが10時間も睡眠してしまう。
当然ながら2度ほど小用で起床した。
幸いそれほど冷え込まず朝飯を済ませる。
過去の宿泊時は雪の寒さで朝食にも一苦労した。
それでも朝露が降り多少は寒さを感じる。
雨合羽を羽織り4時半過ぎに小屋を出発する。
今日の長丁場を乗り切るため早立ちする。
未だ周囲は真っ暗なためヘッドランプは必須。
所が出発して直ぐに進行方向の道で見迷う。
以前にもこの小屋を夜明け前出発し道迷いした。
今回は道迷いしない様に昨日到着後に道確認した。
しかしヘッドランプを付けても辺りは真暗闇。
ヘッドランプ点灯箇所は見えても全体は暗い。
更に出発地点は鞍部から笹ヤブに進む道になる。
5分ほど迷った後に道を見つけ笹ヤブ道に分け入る。
笹ヤブ道の朝露は結構な水分量を含んでいた。
30分ほど朝露笹ヤブを歩き大白森の湿原に出る。
この時点で靴の防水は無力化し靴下はビショ濡れ。
朝露は一端解消した大白森には別の心配事がある。
以前秋の大白森を歩いた時は木道は雪でテカテカ状態。
一歩踏み出す毎に滑り転び最後は止む無く湿原歩行。
今回も霜で木道滑りを怖れたが幸い霜は無かった。
それでも濡れた木道は滑り易くなっている。
急がず重心移動を注意しつつ一歩ずつ慎重に歩いた。
大白森を無事通過し小白森への途中で御来光を見る。
明るさが増して歩行にも多少安心感が増し始める。
小白森に着いて周囲が開けホッとしたら好事魔多し。
小白森は笹ヤブが密集して歩くべき木道が見えない。
笹ヤブをかき分け勘で進むが時々木道を踏み外す。
また木道の段差に躓いたり転んだりを繰り返す。
木道に笹ヤブが覆い被さるのも相当たちが悪い。
何とか小白森を抜け樹林帯を進み乳頭温泉を目指す。
蟹場分岐まで進むと刈払された歩き易い道に変わる。
蟹場・大釜温泉のある乳頭温泉登山口に8時前到着。
3日振りに賑わいのある人里に降り立つ。
丁度これから登山に出かける高齢夫婦と出会う。
女「随分朝早くから登山して来たのですネ」
私「昨日は山の中に泊まり下山して来ました」
女「テント泊ですか?」
私「大白森山荘の山小屋に泊まりました」
女性が大白森山荘を知っていたかは分からない。
大釜温泉や妙の湯温泉前を通過すると様々な人達。
これから出かける観光客や宿で朝食中の観光客。
私は休暇村乳頭温泉郷の駐車場まで歩き休憩する。
先ず靴と靴下を脱いで不要な吸水の削減に努める。
その後ソイジョイやナッツ等で栄養分を補充する。
約14分休憩後は笹森山を目指し出発する。
早朝は朝露などに苦労したが今は気持ち良い晴。
笹森山への道は今縦走旅中で唯一初体験の登山道。
笹森山への登り始めは気持ちの良い伐採道。
その後の樹林帯道も緩斜面の登山道で歩き易い。
とても良い登山道だと感心していたら徐々に変化。
樹林帯から徐々に笹ヤブ道に変わり始める。
樹林帯が終わり笹ヤブだけになると完全なヤブ道。
昨日と同様に踏み跡感覚を頼りにヤブを分け入る。
下が見えず躓いたり滑ったりしたが何とかヤブ終了。
途中では多少急傾斜面を滑って下ったりもした。
笹森山の手前からは晴天が一転しガス天気になる。
笹森山まで200mの登りはガスのため中止し素通り。
一端沢下りの道を経て秋田駒8合目駐車場に着く。
ここには豊富な水量の水場がある。
今日宿泊予定の田代平山荘の近くに水場はない。
この先にも水場はあるが万が一を考え十分水補充。
ここで軽食補給後は休憩無しで田代を目指す。
笹森山からはガス天気がずっと続く。
秋田駒の登坂道では下山の人々とすれ違う。
皆一様に無口で足取りも重そうに淡々と下山する。
今日の天気予報は基本的には「晴れ」予報。
実際に乳頭温泉通過時は快晴に見える空だった。
登山に訪れた人々も皆絶景を期待して来ただろう。
山の天気は本当に難しい。
この後秋田駒~横岳~焼森~湯森と進むが終始ガス。
このまま最後までガス天気と思っていたら少し異変。
湯森山の前後から時々ガスが薄れ始める。
ガスが一時薄れてはガスだらけを何度か繰り返す。
そして笊森山頂が近づく頃にはガスはほぼ無くなる。
一方で来た道を振り返ると秋田駒周辺はガス雲海。
周囲を見渡しても秋田駒周辺だけがガス雲。
山の天気は本当に気紛れ。
笊森山からはこれから進む乳頭山が綺麗に見える。
この時点で今日の長時間旅の見通しがたち少安堵。
一方で余り休憩せず歩き通した疲労が現れ出す。
笊森山から一端鞍部への下りは多少楽ができる。
鞍部の下りが終わると乳頭山への登り道に変わる。
行動食を頬張り疲れた身体を慰め最後の登りに向かう。
乳頭山山頂到着はほぼ予定どおり16時半少し前。
この日一番の絶景を暫しの間堪能する。
その後は30分余りかけて田代平山荘に到着する。
金曜日の夜で誰か居るかとも思ったが私一人。
水場が無い山小屋は使い勝手が余り良くない。
しかしこの区間に山小屋は少なく私には大変貴重。
昨日に引き続き山小屋を一人占めした贅沢な宿泊。
18時頃から夕食し20時過ぎには就寝した。
2 登山写真
3日目夜明け前の大白森
小白森手前で御来光
小白森
小白森の先のヤブ道は足下見えず。
木道踏み外し注意
蟹場温泉ルートへ下る
田沢湖を眺望。左手には怪しい雲
蟹場温泉登山口に到着
休暇村Pで一服休憩後、笹森山ルートへ
2本の小沢の間を通る珍しいルート
緩斜面登坂道を紅葉を愛で登る
紅葉道から徐々にヤブ道へ
濃いヤブ道を進む。天気も濃いガス
笹森山分岐
秋田駒8合目小屋へ一端沢への下坂道
沢を飛び石伝いに渡る
秋田駒8合目小屋脇で給水
片倉岳はガスだらけ
ガス視界不良の阿弥陀池
秋田駒(男女岳)山頂はガス
改修工事中の阿弥陀池避難小屋もガス
横岳
焼森
湯森山へ歩行中一時的にガス薄れる
湯森山への途中鞍部の沢水場で給水
湯森山
笊森山への道で徐々にガス薄れる
宿岩
笊森山への緩登坂道が長く感じる道
笊森山山頂から左・乳頭、右・岩手山眺望
乳頭山へ続く登山道を眺望
ミネウスユキソウ ?
乳頭山頂へ
乳頭山頂に到着、秋田駒方面は山頂にガス居座る
乳頭山頂、岩手山方面はガスはほぼ無し
田沢湖と日没景色
田代平山荘(3日目宿泊地)
3 登山日程(3日目)及び登山歩行図(全行程)
04:37 大白森山荘
05:23 大白森
06:04 小白森
06:29 鶴の湯分岐
07:21 蟹場分岐 (1分)
07:55 大釜温泉
07:58 妙乃湯
08:02 休暇村乳頭温泉郷 (14分)
10:25 笹森山・直下 (5分)
11:05 駒ヶ岳八合目小屋 (14分)
11:48 片倉岳
12:10 阿弥陀池
12:27 秋田駒ヶ岳 (1分)
12:37 阿弥陀池避難小屋
12:50 横岳分岐
12:54 横岳
13:02 焼森
13:17 沢水場で水補充(7分)
13:59 湯森山
14:35 宿岩
15:19 笊森山
15:43 千沼ヶ原分岐
16:25 乳頭山 (3分)
16:39 黒湯分岐
17:00 田代平山荘(泊)
歩行時間 11時間40分 (休40分)
歩行距離 28km
登山歩行図(全行程)