最近気になる「藪の中」

昔アメリカで放送され大ヒットしたTVドラマを最近遅ればせ視聴。
特に日本で有名な2作、「24-トゥエンティフォー」と「プリズンブレイク」。
どちらも犯罪サスペンスドラマで1話45分で20話強。
更にシリーズ化され両方共にシーズン5~10?まである。
とても面白く見続けられるが徐々に違和感が生じる。
ドラマを飽きさせず面白くするため事件が頻発し続ける。
また意外性を持たせるために殺人が起こる展開も多い。

私は一部のTVドラマを除きほとんど視聴しない。
なのでTVドラマの傾向や流行を全く知らない。
ただ高視聴率の持続のために現実離れが多い様に思う。
また視聴率優先で良心的配慮は二の次の傾向を感じる。
そうなるとドラマに感化された悪事の増加も心配される。
TVドラマは多数が視聴するためその影響も広範だと思う。
世の中に起こる多くの出来事に各人が様々な感想を抱く。

私は黒澤明の映画を10歳代から見続け今も最高だと思う。
黒澤が犯罪を扱った映画で特に印象に残る映画が2本ある。
「天国と地獄」と「悪い奴ほどよく眠る」
「天国と地獄」は特に大ヒットし模倣犯も現れたらしい。
どちらも殺人があり後味が悪く感じられる映画だ。
特に「悪い奴…」は正義感の主人公が最後に悲劇で終わる。
また「天国と地獄」は批評家の佐藤忠男が痛烈に批判する。
刑事が動かぬ証拠をつかむため殺人を招いたと指摘する。
「失望や反駁という以上にどうしても嫌いな作品」と酷評。
私自身は特に違和感を感じないが人夫々で感覚も違う。
何れにしても前記2作の米TVドラマより遙かに良心的と思う。

黒澤にはベネチア映画祭最高賞の「羅生門」という作品がある。
芥川龍之介の短編小説「藪の中」を映画化した作品だ。
三船敏郎と京マチ子と森雅之の3者3様視点で物語られる。
野盗(三船)が夫(森)の前で妻(京)を襲い夫を殺した事件。
3人共に自分に都合の良い話に仕立てて語られる。
4人目の木こり・志村喬が最も真実に近い事を語る。
それでも第三者には本当の真実は分からない「藪の中」。

少し前に兵庫の泉明石市長の暴言が話題になった。
道路拡幅のための用地買収が進まず市長が職員を叱責。
「火を付けて捕まってこい!燃やしてしまえ!」
余りに酷い発言で良くこんな人が市長をすると驚いた。
その後この市長が出直し選挙で再選され更に驚いた。
ただ私の住む青森と遠く離れた話なのでその後は忘却。

この泉市長の記事が文春オンラインに掲載されていた。
『泉市長が政界進出を決めた大事件』

岸田文雄首相が最重要項目として掲げた「異次元の少子化対策」。しかし具体的な政策はなかなか提示されず、子育て世代を中心に批判する声も多い。一方で、東京都、福岡市、大阪市が子育て支援にかかる所得制限の撤…
この記事によると泉市長は正義感が強烈に強いらしい。
弁護士時代は貧乏人や弱者には無償で支援している。
明石市長としても市民のための市政を目指している。
ただ酒が好きらしくまた激高し易い人らしい。

泉市長が師と仰いだ政治家が故・石井紘基元衆議院議員。
「国会の爆弾発言男」と言われ様々な無駄や不正を追及した。
また過去に統一教会が問題を起こした時に政界との癒着指摘。
素晴らしい政治家だったが2002年に右翼の暴漢に暗殺された。
『石井紘基ーWikipedia』

泉・明石市長の人柄・信念も石井紘基氏の暗殺経緯も私には謎。
石井氏暗殺に関しては政界の不正暴露との関連の指摘も有る。
ネットで調べた情報だけでは真実は正に「藪の中」。
泉氏も石井氏も素晴らしい人と思うが真実は分からない。
ただ泉氏には今後の活躍を期待する気持ちが強い。

さて私の身近なところでも「藪の中」を感じる事がある。
我が家で最長寿だった冷蔵庫が遂に限界に近づいた。
冷蔵庫内の照明が消えて点灯しなくなった。
購入後25年経過し本体外側の一部も熱くなり始めた。
それでも冷却は機能して使い続けたがもう限界だろう。
先週新しい冷蔵庫の物色でヤマダ電機に出かけた。
容量460L級の大型冷蔵庫だが非常に格安で税込13万円弱。
通常であれば20万円はする容量で安過ぎる様に思われる。
私の側に店員が近寄り「棚卸しセール」で格安だと勧める。
格安過ぎて不安だと言うと早い者勝ちですよとも言う。

スマホで商品評判を調べようとしたが通信不調で評判不明。
AQUA電機(昔の三洋電機)製なので並製品と感じる。
それほど悪くはないと判断して購入を決断した。
その後帰宅してネット評判を探すと1件見つかり評価1(最低)。
評価者は購入後間もなく冷却不調で様々トラブルに遭遇。
偶々初期不良品の可能性もあるが不安を抱く内容だ。
ただ容量が1つ下の同型品では良好の評価を受けている。

新規購入した冷蔵庫は一昨日我が家に設置された。
とりあえずは無難に稼働し始めたので一安心している。
ネット掲載評価が1件だけでそれが偶々最低評価なのは悩ましい。
偶然不良品だったかまたは不良の多い製品なのかが不明。
予め評価情報を知っていたら購入しない可能性は高い。
製品が今後順調に稼働し続けるかは正に「藪の中」。
メーカーは不良品を出さない努力はしても完璧は困難。
基本の冷却機能で不調になる事だけは勘弁願いたい。
前機種の25年寿命までは望まないが10年は動いてほしい。

身体不調に関する出来事も最近身辺で幾つか発生。
私自身では1月下旬に若干風邪気味に感じた事があった。
普段は水状の鼻汁がネバネバ状の鼻汁に変わり始めた。
ただそれ以外に特段の症状がなく数日後に献血した。
すると白血球数値が標準範囲内での高めの値になった。
通常は50~60ぐらいがこの時は84(標準値は38~89)。
過去の献血データ約150回中で過去5番目ぐらいの高値。
白血球は細菌やウイルスと格闘する際に高くなり易い。

その後に鼻汁はネバネバから濃赤色の堅めに変化した。
2週間ほど鼻汁に異常があった後はほぼ回復した。
もしかしたら今回は菌かウイルスが鼻粘膜に付着したかも。
鼻孔で菌等との格闘で白血球が一時的に増えたかも。
あるいはこれもコロナ後遺症なのかもと考えたりする。
しかし本当のところは全く分からない「藪の中」。

鼻水に関しては50歳頃から徐々に増え出した。
特に登山などの寒い場所では鼻水が止まらなくなる。
自転車旅行や百名山旅行の初年度頃は未だ紙で鼻をかんだ。
しかしそのうちに紙で鼻をかむ事は止め手鼻する様になる。
紙が幾らあっても足りないしポケットの鼻紙がビショ濡れる。
流石に人目のある所では避けるがそれ以外はほぼ手鼻。

鼻水に関しては亡くなったK氏の思い出がある。
K氏とサシで飲酒している時にK氏の鼻水が出る。
しかしK氏は気付かない様子でそのまま飲み続ける。
そんな事が数回ありその後飲酒機会なく数年後に亡くなる。
そんな思い出があり鼻水と身体の不調の関連を連想する。
しかし鼻水と身体不調の関連の有無は正に「藪の中」。
何れにしろ身体が冷えていると鼻水が出易いのは確か。

私の家のご近所さんの(初老?)男性が最近脳梗塞になった。
たまたま自宅に息子がいた時に倒れ直ぐに病院に運ばれた。
特別に大きな後遺症は無く現在はまた顔を合わせている。
彼は「何で脳梗塞になったのか分からない」と話す。
私は「運動と食事と休養とストレス軽減が大事」と返事。
男性の奥さんは丁度一年前に亡くなり葬儀に顔を出した。
奥さんが亡くなった後は男所帯で食事面が心配される。
しかし脳梗塞の原因が何なのかは誰にも分からない。
考えられる要因は幾つか挙げられても真相は「藪の中」。

同居する私の母親は今年6月で94歳になる。
老化の進行が最近特に感じられる様になった。
座った姿勢から立ち上がるのに相当時間がかかる。
徐々に手の上げ下げが衰え高い物に手が届かなくなる。
食事で食べる量が最盛期(30~50代)の3割弱に落ちた。
咳をしたり噎せたりする事が多くなった。
しかし逆に言うとそれ以外に目立つ衰えは少なめ。
善し悪しは別としてここ5年ほどは病院に行っていない。
またとてもスローだが一応杖無しで歩けている。
軽く風邪を引いても薬無しで回復している。
食事の支度は今も半分ぐらいは行っている。
そろそろ寿命が近い様にも未だ先の様にも思える。

人の寿命というのも正に「藪の中」。

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