1 登山前の経緯
10月8日焼山登山翌日から岩手山等の3泊縦走計画。
電気器具類の持参忘れで2日間延期。
ただ予定どおりだったら悪天候に遭遇しただろう。
結果的には災い(忘れ物)転じて福(悪天回避)と思った。
10月11日(水)4時45分に自家用車で自宅を出発。
7時20分に出発地の御神坂登山口に到着。
すると登山口にはロープが張られ貼り紙がある。
不吉な予感を感じつつ貼り紙を読む。
「伐採作業のため10月10日~3月まで登山道通行止」。
「災い転じて福」から「福転じて災い」の大ショック。
全く想定外だが兎に角今後の予定の検討が先決。
数分考え出発地点を御神坂から馬返しに変更を決断。
最終日の下山地点滝ノ上から馬返しまで約28km歩行。
最終日は余裕があるので歩行距離延長は可能と判断。
出発地変更決断したら直ぐ移動しないと遅れが拡大。
馬返し登山口へ急いで移動する事にした。
2 登山概要(1日目)
期日 R5年10月11日(水)
行程 馬返し~岩手山~三ツ石山荘
天気 晴れ(一時曇り)
馬返し登山口を7:52分出発しトイレで用便を済ます。
トイレ後には直ぐ水量豊富の水場があったが水は持参済。
時間節約で給水も飲水もせず先を急ぐ。
ただし急ぎ足にならず一定速度歩行を守る。
今日の目的地に順調に到着する事が最大の目標。
この日は平日だが8合目まで10人以上の登山者と出会う。
岩手山の紅葉目的登山にはとても良い時期に感じる。
紅葉初期の印象だが天気が穏やかでとても歩き易い。
登山道が旧道と新道に分岐する地点では新道を選ぶ。
全く予備知識はなかったが新道の方が歩き易いと考えた。
登山開始から2時間40分で8合目避難小屋に到着する。
小屋前には20人ほどの登山者が休憩していた。
ここにも水量豊富な水場があったが給水・飲水せず。
軽食をとり10分ほど休憩して先に進む。
8合目から先は樹林帯が消えて風が強くなる。
不動平休憩所の隅にザックを置き荷から解放される。
岩手山のお鉢周回コースへ登頂を始める。
ここでは20人ほどの登山者が先行して登っている。
全員が左側ルートを登るため私は右から登る事にする。
途中で数人の下山者とすれ違い30分ほどで岩手山頂着。
山頂は雲がなく遠方は微ガス気味だが見晴らし良好。
しかし風が強め(風速5m余?)で長居には少し辛い。
2分ほど写真撮影した後は右手回りルートで下る。
力を振り絞り登ってくる登山者の脇を抜け急ぎ下る。
登りは30分余かかったが下りは10分余で不動平に着。
ここで本日最後の軽食休憩を15分とった後先に進む。
お花畑への下り道途中で2人組登山者とすれ違う。
うち1人から「昨夜は8合目小屋泊ですか?」と聞かれる。
私「今朝馬返し登山口から来ました」と答え驚かれる。
互いにエールを交わし登りと下りに分かれ進む。
お花畑に着き御苗代湖に立ち寄る事にする。
時間的に厳しいなら素通りだったが大丈夫と判断。
御苗代湖の紅葉が綺麗でこの先の紅葉も期待できる。
岩手山から切通しに向かうルートは2種類ある。
稜線歩きの鬼ヶ城ルートと谷沿い歩きの大地獄谷ルート。
鬼ヶ城は岩場歩きと展望が楽しめる道で2度歩いた。
ただ紅葉を楽しむなら大地獄谷の紅葉が絶対お薦め。
今回で3回目になるが今回も紅葉景色を堪能した。
一方で大地獄谷ルートには警告標識が掲げられている。
「火山性ガス噴気地帯へ絶対近寄らず速やかに通過」
先日歩いた焼山と同様にここも火山ガス警告地帯。
一方は通行止措置がとられ一方は警告しつつ通行可。
私見だが火山ガスの種類や濃度は一定ではない。
更にその日の風向き等でも人体影響割合は変化する。
登山は天気や環境や体調など様々な変化因子を要する。
その変化要因を個人が判断し対応を考える事が重要。
危険を全て排除する事は不可能で対応力が試される。
大地獄谷の紅葉を存分に楽しんだ後は水場に向かう。
今夜の宿泊地三ツ石山荘近くには一応水場がある。
しかし過去に一度水涸れを経験して安心できない。
水涸れの心配ない犬倉水場で水補給する事が安心。
犬倉水場前後からは泥濘の多い道歩きが増している。
12時半頃に2人組と出会い以降は誰とも会わず歩き続け。
15時半頃に泥濘道歩行途中で突然男女3人組に出会う。
夕暮れが近づく時間に3人組の行く先が気になる。
私「これからどちらに向かうのですか?」
女「網張のリフトを利用して温泉に下ります」
女「リフトの運行時間は未だ大丈夫心配ないです」
私「ここのコースは泥濘が大変ですね」
男「ここの泥濘は酷い事で有名ですね」
高齢夫婦とその娘と思われる3人は登山向きに見えない。
高齢男性は普段履きズック歩行で他人事だが心配。
その後に更に2組の登山者と出会った。
2組と会話しなかったが3人組と同様網張に下るのだろう。
その内の女性2人組の内の1人は長靴で歩いていた。
こちらは泥濘に備えて事前準備万端で好印象。
繰り返しになるが山歩きは個人の対応力が試される。
私自身は何度も失敗し今だに新たな経験も重ねている。
単独歩行が多いため兎に角大失敗だけは避けたいと願う。
泥濘が徐々に減り登り道を進むと大松倉山に着く。
この日最後のピークで夕暮れ景色を眺め下りを進む。
大松倉山から20分余で宿泊地三ツ石山荘に到着。
三ツ石山荘には既に9人の先客が休んでいた。
先客の1人がストーブで薪を焚き小屋内は暖かかった。
1階は5人で空きスペースが余りないため2階に移動する。
2階は4人いたが2~3人分ほどの空きスペースがある。
(荷物を広げスペースを使うと人数に関わらず空きが増減)
2階の単独男性と少し会話した。
彼「夕暮れに小屋に寄らず松川に向け進んだ人がいた」
私「松川まで2時間ぐらい。ランプが有れば歩けるだろう」
彼「明日はどこに向かうのですか」
私「明日は大白森。マイナーコースなので会う人はいないと思う」
私「貴方はどちらですか」
彼「岩手山に向かう」
私「私は岩手山から来た。泥濘は少し大変だと思う」
彼「昨日八幡平から来て途中泥濘も経験してきた」
私はお握り夕食を食べながら寝床の支度をした。
1時間以上かけてゆっくり夕食後は荷物の整理等。
夕食、整理、寝床準備の一段落後は満天星空を暫し堪能。
19時半には就寝した。
3 登山写真
当初の出発予定地・御神坂登山口は閉鎖
(樹木伐採作業のため)
馬返し登山口から出直し出発。登山口水場
0.5合目
1合目の紅葉
何の花 ?
3合目の紅葉
4合目の紅葉
5合目の紅葉
6合目の紅葉
7合目の紅葉
8合目避難小屋
8合目の水場
不動平から岩手山頂へ
山頂お鉢を左回りで登頂
岩手山頂到着。少し風強い
山頂北方面の平笠不動小屋や八幡平を眺望
不動平に戻り一服後、お花畑コースへ
お花畑から岩手山頂~鬼ヶ城を眺望
御苗代湖
大地獄谷の紅葉を見上げる
大地獄谷の紅葉を見下ろす
姥倉から岩手山を振り返る
犬倉の冷水場
犬倉・網張分岐
大松倉山
三ツ石山荘(1日目宿泊地)
4 登山日程(1日目)及び登山歩行図(全行程)
07:52 岩手山馬返し登山口
08:30 一合目
08:43 二合目
09:02 新道三合目
09:20 新道四合目
09:40 新道五合目
10:00 新道六合目
10:25 七合目
10:32 八合目避難小屋 10:42
10:56 不動平避難小屋10:58
11:31 岩手山11:33
11:45 不動平避難小屋12:00
13:07 御釜湖 13:08
13:39 大地獄分岐
13:53 切通し
14:08 黒倉山分岐
14:24 姥倉分岐
14:58 犬倉山水場15:04
15:24 犬倉分岐
16:34 大松倉山
16:58 三ツ石山荘泊
登山歩行図(全行程)